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永遠の約束 永遠の旅 -とわのやくそく とわのたび-  作者: 風翔 響
第1部:エレメンタニア
44/109

4-6

-31日目-


 とうとう此処に来てから1ヶ月になった。なのにあのドアが開く事が1度も無かった。あの時から自分以外の人の姿を見ていない。多少スケジュールに背いても何も反応が無い。それどころか・・・。


(・・・またカロリーメイクか)


 この日の朝、昼、そして夕食の現在。食事として用意されたのは栄養食品のカロリーメイク。しかも4本入り×10箱セットが4つ。それが3回来たため合計で120箱だ。

 そしてカップ麺の時と同じ、朝昼に開けて食べた分の2箱は回収用の箱に残ったままだった。ただカップ麺とは違い、災害時用の食品としても認知されているカロリーメイク。お湯も箸も使わず食べられて程良い栄養が取れ、そして期限も中々に長い・・・はずだった。


(期限は全部残り1ヶ月・・・そしてこの量を一気に出してくるって事は・・・)


 廃棄寸前の商品を安く買い取った物。このような期限が間近な食品はかなりの値引きがされて売られる事が多い。大量生産する商品ならそう言った物も出てくる事があるだろう。

 つまりはそれを管理者たる人物がまとめ買いをし、食事として用意した。と言う事だろう。


(・・・はっ。またか。まぁ、前よりはマシだろうけど念は入れといた方が良いだろうな)


-??日目-


 うぃ~ん・・・。


 久々にあの機械音が聞こえた。大体2ヶ月ぶりと言ったところか。そう思いながら音の方へと近づくと今度もまたもカロリーメイクの箱の塊。それらを片付けていると今度は回収用の箱のからも音がしたため、音が止むのを待ち、音が止んでしばらくしてから回収用の箱を開けるとそこにもカロリーメイクの箱の塊。あの大量の食べられないゴミがギリギリ食べられる物へと変わっていた。そして今日はこれを3回繰り返し、今日だけで前回の倍、計240箱の期限間近、期限切れのカロリーメイクが用意された。前回より味の種類があるため飽きによる抵抗は少し減るだろう。あ、そうだった。今日も忘れずに軽い運動をしておこう。


-???にちめ-


 あの音がしなくなってもう何日が経っただろう。あの時から念を入れて1日1本。それを3分の1ずつにして朝昼晩を過ごして来た。むしろ何で今生きてるのかが不思議なくらいだ。もう期限を気にする事も無くなったカロリーメイク。味なんて解らない。食感も解らない。ただこれを腹に入れれば生きていられる。そう体に思い込ませ続けていた。

 スケジュール通りに動く事も無くなった。今だにしているのはトイレ掃除と洗濯。体が痒くなったらシャワーを浴びる程度だ。・・・もうトイレ用の洗剤も体用の洗剤も無いがどうでもいい。あとは体を軽く動かしたら壁に背中を預けて時間が過ぎるのをただ待ち続けるだけだ。教材用のタブレットはもう充電コードにすら繋がっていないし、それにもうバッテリーも残っていないだろう。片隅にある多少埃の被ったあのゲーム機と同じ場所に今は置いてある。何故ならもうあのタブレットから学べる物は何一つ無いからだ。と、言っても今では歴史や経済などの社会的一般常識などは頭に残っていない。そもそもそれらを覚える必要は無い。ここから生きて出られる補償など無いのだから。



-■■■■ニチメ-


 気付けばもうカロリーメイクの数も底を尽きそうだ。むしろ今まで良くこれだけで生きて来れた。周一は本来ならもう小学5年生として過ごしている年齢だ。なのにあれ以降アプローチが何一つ無い。もう完全に忘れられたか、俺が飢えて死ぬのを楽しみに待っているのか。

 ・・・そんな事、もうどうだっていい。何もかもどうだっていい。全部、どうだっていい・・・。


・・・俺が何をしたって言うんだ?


 あの日。フューパによる検査を受けてからこんな人生が始まった。両親が助けてくれるなんて夢も抱いた。ヒーローみたいな人が助けてくれる夢も抱いた。超能力のような力に目覚めてここから脱出する夢も抱いた。そんな事が懐かしく思えてくる。そして滑稽にも思えた。


・・・もう俺が何者だろうがどうでもいい。


 こんな扱いをするって事は外の人間達やあのカメラで見てるかも解らない管理者にとって俺はゴミ同然の存在なのだろう。・・・俺がいなくてもいい世界。きっと外の世界の奴らはそれを望んだからこそ、今の俺がいるのだろう。


・・・なら


 そんな時、予期せぬ事態が起こった。



 あの開かなかった扉が開き始めたのだ。



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