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永遠の約束 永遠の旅 -とわのやくそく とわのたび-  作者: 風翔 響
第1部:エレメンタニア
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4-1 存在理由

 ごく一般的な一軒家に暮らしていた平凡な家族。その家の傍には両親の夢であった料理店。メニューは家で作ろうと思えば作れる家庭料理のものばかり。また家族の時間を外食でも味わって貰いたいと言う理由から店内の雰囲気はごく一般的な家庭にありそうな物ばかりな部屋を1つ1つ区切り、それぞれによくありそうなと言った部屋が用意されている。フローリングに木のテーブルとイスの部屋。床に肌触りの良いマットと足の短い長テーブルがある部屋。床の間にちゃぶ台がある部屋などなど。それらの部屋は靴を脱いで入る防音対策された個室。家族の空間を作るための部屋だ。だが1人だったり利用しない人達が勿論いる為、一般的な料理店で使われる様なテーブルとイスも大広間に設置されている。そう言ったニーズ合わせた両親の料理店は中々の大きさではあったが客の受けも良く、従業員も多くいるので経営にも無理なく問題無く、暮らしにも不自由と呼べる程の事は無かった。

 そんな両親の間に生まれたのが円道周一である。


 そして7歳の周一にとあるテレビのニュースが朝食中の家のリビングで流れた。


『サクラコーポレーションの技術によって発明された機械。[未来予測装置フューパ]。これによって今後生まれてくる子供達にとっての良い道標となるでしょう』


「へぇ~。これさえあれば周一やこの子にも将来に良い希望を持たせられるって事なのね」


 母さんが大きくなっているお腹をさすりながらそう感想を言う。


「だけどこれ、普及するまでかなり時間がかかるだろうな。それに俺達大人には関係ない代物だろ。もう夢も叶ってる訳だからな」

「そうね。確かに私達には必要無いわね」


 そう。今は関わるはずの無い様な世間のお話。ニュースの善し悪しで言うならきっと大人達にとっては善いニュースなのだろう。子供の周一には良く解らない、言うなれば必要のない情報だった。そんな事よりもゲームの事で頭がいっぱいでゲームの攻略具合やその情報、対戦ゲームの特訓などなど。小学校で出来た友達に自慢して憧れられる未来。そんな起こりえるか解らない妄想を現実にするために早く朝ご飯を食べ終わってから学校にギリギリ間に合う時間までの家に居れる少しの時間ですらゲームをしていたいと思うぐらいにゲームにはまっていた。


「ごちそうさまっ!」

「こらっ!周一!!部屋に戻る前にっ!」

「・・・はーい」


 母さんにそう怒られた周一はリビングから駆け足で離れようとした足を止めて不貞腐れた顔をしながら渋々自分の食べた食器達を纏め、使用済みの食器を入れる水と洗剤が入ったキッチンにある箱に持って行きそっと入れた。


「入れて来たよ」

「よろしい。それじゃあ学校の準備をしときなさい」

「はーい」

(準備って言っても着替えと、タブレットと体操着と給食袋だけじゃん。さてと、昨日の続き続き。レべリングして、進化させて・・・あと何匹でコンプだったけかな?)


 そう思いながらも周一は部屋へと戻り、ベットに寝転がって枕側に置いてある充電ケーブルが繋ぎっぱなしの携帯ゲーム機を手に取って遊び始めた。

 父さんと母さんの子供時代では図書館にあるような紙を使った本を使って勉強していたが俺の時代では全てデータ上で行われる。教本となる資料は全てこのランドセルに入っているこのタブレットのデータに入っている。またノートにもなるので昔の様に新しく買う必要も無い。メモをした内容をデータとして残せるからだ。たとえタブレットのデータ容量が一杯になってもメモリーカードに移せばカードが壊れたり無くさない限りは消える事は無い。宿題すらもデータなので家で終わらせた後にすぐに担任の先生に向けてのデータ送信による提出が可能だ。だがこれによって先生に宿題を終わらせた日時がばれてしまうため、それを利用して「一番遅かったのは~」などと罰ゲームと言う形で先生の手伝いやゴミ捨て当番などをさせられてしまう。中には何番目の人とか日付とかで決める先生もいる為に指名された人もいる為結局のところ逃げようが無いわけなのだが、この手法は教育方法としてとても重宝されている。昔では予算の都合で数校でしか行われていなかったが、今では小中高大全ての学校にて使われている。むしろ今の時代、


「あっ、もうこんな時間かよ~。片付けしなきゃもっと出来たのにさぁ・・・」


 ちらっと時計を見ると家を出る時間の5分前になってる事に文句を言う周一。片づけをしてもしなくてもその時間に大した差は無い。だが子供とは都合の悪い時にはその理由をあてはめられそうな出来事に文句を言う事が多い。

 すぐさま寝巻から私服へと着替えた周一はすぐさま自分の部屋を出て玄関の靴を履く。


「いってきまーす!」


 微かに家の奥から聞こえてきた母さんの行ってらっしゃいの声と共に平日の今日も周一は小学校へと向かって行った。



 そんな平凡な日から2週間後・・・


『・・・後1月程もあれば各県へと1機ずつ設置出来ます。なので未来予測装置フューパを各県で約100名様ずつ無料体験招待をしたいと思います』


 母さんに近い歳の白衣を着た女の人がそうテレビで発言していた。


『ええー!?いいんですかぁ~?』

『はい。勿論です。私達のフューパがより未来のための実用性があると証明出来るように、そして少しでも早く自分の将来の素質やお子さん達の将来の方針の道標を知りたい皆様のためにも。・・・って本当は私達の身内だけではデータ不足なんですよね。それにその結果が解るのが最低でも1年程かかりますからね。だから今テレビをご覧になって頂いてる皆さんにも協力と情報提供の感謝を込めての無料体験サービスなんです。だから・・・そのぉ~』

『大丈夫ですよ社長。テレビの前の皆さんだって自分やお子さんの未来は絶対気になってますから。快く引き受けてくれますって。それに予定では1回の検査費用3000円。それを各県で約100名ですよ!・・・って約100名ってなんですか、社長?』

『あ、はい。言い忘れてましたね。それは当選者が各県で100名ずつ。そしてその当選者には当人の招待券と4枚の招待券を合わせて4枚が送付されます。つまりは当選者様以外にも当選者様の招待で4枚様までフューパを体験できると言う事です。例え抽選に応募して当選しても行かないと言った人がいると想定したとしてもそれを穴埋め出来る様に』

『社長!ストップストップ!!・・・コホン。と、言う事は親族に友人・知人。各県最大500名が体験出来るんですね!』

『ええ。でも招待券は当選者の住所。失効期限はありませんが各県の会場のみでしか使えません。なのでハズレても応募しなくてもネットオークションやフリーマーケットで招待券を買えば良いと思ってる人は注意して下さいね~』

『社長!!・・・い、いしょう!!サクラコーポレーションからでした~!!』


 そして画面がテレビ局のスタジオに切り替わると、アナウンサーが応募についての方法を説明し始める。どうやら明日の各社の新聞に付いている申し込み用紙、もしくは明日の0時からインターネットによるWEB応募のみの様だ。そして応募は1名につき一回のみ、重複の応募は無効となる様だ。


「応募してみる?」

「そうだな。応募はタダだしな」

「でも当たっても私とあなたは使わないから周一とこの子で2枚。あと3枚はどうするの?」


 この子と母さんは自分のお腹に視線を送りながら言う。


「それは当たった時に考えればいいだろう?」

「それもそうね」

「あ、思い付いた。店の奴らに何かの景品として使うか」

「何かって?」

「それは当たった時に一緒に考えよう」

「もうっ」


 そんな話で笑い合う父さんと母さん。そしてまったく興味の無い周一はニュースの途中で朝食を食べ終わりその話を聞く前に部屋に戻っていつも通りにゲームをしていた。





 そしてそれから約1ヶ月後。円道家に1封の封筒が届いた。

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