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悪役令嬢は物語に支配された世界を、文明で解放する  作者: 南蛇井


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第68話 聖女 vs レオナ

グレイウッド。


中央広場。


静止。


一瞬だけ。


すべてが止まる。


音も。


風も。


人の動きも。


その中心。


二人。


向かい合う。


リリア。


光に包まれた聖女。


レオナ。


何も纏わない少女。


対照的。


だが。


視線は交差する。


逃げない。


逸らさない。


完全な対峙。


次の瞬間。


光が放たれる。


一直線。


迷いなく。


レオナへ。


神聖力の塊。


圧縮された破壊。


空気を裂く。


地面が抉れる。


直撃すれば。


消し飛ぶ。


だが。


レオナは動かない。


避けない。


ただ。


手を上げる。


最低限。


必要な動きだけ。


そして。


触れる。


光に。


瞬間。


衝突。


だが。


爆発は起きない。


止まる。


完全に。


リリアの攻撃が。


空中で。


静止する。


ありえない。


周囲の誰もが息を呑む。


レオナはそれを見て。


ただ一言。


「出力に対して制御が甘い」


評価。


冷静。


そのまま。


指先をわずかに動かす。


光が歪む。


分解されるように。


霧散する。


消える。


完全に。


リリアの瞳がわずかに揺れる。


初めて。


反応。


だが。


すぐに。


上書きされる。


『悪を討て』


命令。


再び強まる。


リリアがさらに力を引き出す。


光が膨張。


空間が軋む。


今度は。


広範囲。


逃げ場がない。


レオナはそれを見て。


ため息をつく。


「非効率」


一言。


そして。


一歩踏み出す。


攻撃の中へ。


光が迫る。


包み込む。


飲み込まれる。


だが。


消えない。


レオナの輪郭が。


その中に残る。


そして。


歩く。


そのまま。


リリアへ。


力を受けながら。


無視するように。


リリアの瞳が大きく見開かれる。


理解できない。


ありえない。


神の力。


それを。


耐える。


ではない。


“無効化している”。


その現象。


神託が一瞬だけ揺らぐ。


リリアの口が動く。


かすかに。


「……なぜ」


漏れる。


意識。


戻りかける。


だが。


すぐに。


押し潰される。


『悪を討て』


命令が重なる。


リリアの表情が歪む。


苦しむ。


内側で。


衝突している。


レオナは歩みを止めない。


距離が縮まる。


あと数歩。


その時。


レオナが口を開く。


「あなた、分かってるでしょ」


静かに。


だが。


確実に届く声。


リリアの動きが一瞬止まる。


わずかに。


「それ、あなたの意思じゃない」


言い切る。


断定。


リリアの瞳が揺れる。


強く。


内部で何かが反応する。


「違う……」


かすかな声。


否定。


だが。


弱い。


すぐに。


神託が押し返す。


『悪を討て』


光がさらに強くなる。


暴走が加速する。


周囲の空間が歪む。


危険域。


レオナは眉一つ動かさない。


ただ。


続ける。


「見たでしょ。この都市」


問い。


事実確認。


リリアの呼吸が乱れる。


記憶が蘇る。


笑顔。


平穏。


豊かさ。


「……悪じゃ……ない」


絞り出す。


本音。


その瞬間。


神託が激しく反発する。


『悪を討て!』


今までで最も強い圧。


リリアが叫ぶ。


「やめて!」


自分の中に向けて。


拒絶。


だが。


止まらない。


むしろ。


さらに力が増す。


限界を超える。


光が暴れる。


完全に制御不能。


レオナはそれを見て。


結論を出す。


「対話は無理ね」


淡々と。


現実的に。


感情ではない。


判断。


次の手に移る。


一歩。


さらに近づく。


リリアの目の前。


手が届く距離。


危険域の中心。


だが。


関係ない。


レオナは手を伸ばす。


まっすぐに。


迷いなく。


リリアへ。


その行動。


誰も理解できない。


触れれば。


吹き飛ぶ。


それでも。


止まらない。


リリアの瞳が揺れる。


恐怖。


混乱。


そして。


わずかな期待。


誰かが。


止めてくれるかもしれないという。


その瞬間。


指先が。


触れる。


光に。


そして。


リリアに。


衝突は。


次の段階へ。


思想ではなく。


構造の破壊へ。


戦いが変わる。

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