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悪役令嬢は物語に支配された世界を、文明で解放する  作者: 南蛇井


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第67話 レオナ出動

グレイウッド。


中央広場。


崩れた石畳。


倒れた屋台。


走る人々。


叫び声。


それでも。


秩序は完全には崩れていない。


治安隊。


医療班。


動いている。


機能している。


だが。


原因はまだ上にある。


終わっていない。


レオナは歩く。


ゆっくりと。


混乱の中を。


避けるようにではなく。


最短で。


最適な経路で。


視線は上。


リリア。


光に包まれた存在。


暴走。


一目で分かる。


だが。


レオナの表情は変わらない。


驚きも。


恐れもない。


ただ。


分析。


「出力……過剰」


小さく呟く。


神聖力。


通常の数倍。


いや。


数十倍。


人間の許容量を超えている。


それでも。


崩壊していない。


理由。


外部からの強制供給。


つまり。


神託。


「なるほど」


理解する。


構造を。


現象を。


原因を。


セラが横に並ぶ。


まだ息が荒い。


「お嬢様、被害が——」


報告しようとする。


だが。


レオナは先に言う。


「軽傷が多数。重傷は少数。死者はまだ出てない」


即答。


確認済み。


視界に入った情報だけで。


セラが一瞬言葉を失う。


だが。


すぐに頷く。


「はい……その通りです」


理解する。


いつものこと。


レオナはすでに全体を把握している。


視線を横に動かす。


治安隊。


動き。


避難経路。


通信。


すべて確認。


「対応は適切」


評価。


短く。


無駄がない。


次。


問題の核心。


再び上を見る。


リリア。


光が揺れている。


不安定。


だが。


破綻はしていない。


ギリギリで維持されている。


「制御されてないのに、崩れてない……」


少しだけ。


興味。


通常なら。


暴発して終わる。


だが。


これは違う。


“持続する暴走”。


異常。


レオナは一歩進む。


中心へ。


リリアとの距離が縮まる。


圧が強くなる。


普通なら。


立っていられない。


だが。


関係ない。


レオナの歩みは変わらない。


一定。


安定。


セラが思わず言う。


「近すぎます……!」


危険域。


誰が見ても。


だが。


レオナは止まらない。


理由は単純。


「観測距離」


短く答える。


遠くからでは。


正確な判断ができない。


だから。


近づく。


最適な距離まで。


それだけ。


リリアの視線が完全に固定される。


レオナ。


対象認識。


確定。


光が収束する。


攻撃準備。


レオナはそれを見て。


さらに一歩。


止まらない。


逃げない。


避けない。


ただ。


見る。


観測する。


「神託による強制制御……」


仮説。


ほぼ確信。


リリア自身の意思は薄い。


ほぼ上書き。


だから。


出力が安定している。


“命令に従う限り”。


その構造。


理解する。


そして。


次の問題。


「じゃあ、止める方法は一つね」


小さく言う。


セラが息を呑む。


嫌な予感。


レオナの“最適解”は。


大抵。


普通ではない。


レオナは上を見上げる。


リリアと目が合う。


光と。


無機質な視線。


対照的。


だが。


レオナの表情は変わらない。


ただ一言。


「壊す」


静かに。


断定。


セラが目を見開く。


「……何を?」


問い。


だが。


答えはすぐに来る。


「構造を」


神託。


強制力。


その仕組み。


すべて。


壊す。


それが最短。


最小被害。


最適解。


リリアの光が膨張する。


攻撃が来る。


時間がない。


レオナは足を止める。


位置確定。


ここが。


最も効率がいい。


被害を抑えられる位置。


すべて計算済み。


周囲の人間が息を呑む。


誰も動けない。


ただ見るしかない。


この状況を。


そして。


次の瞬間。


すべてが動く。


リリアの攻撃。


レオナの対処。


理想と。


神の命令。


真正面からぶつかる。


その直前。


静寂が訪れる。


嵐の前。


ほんの一瞬。


そして。


開戦。

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