表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
境界異常観測録《Re:Genesis》  作者: マチフクとーる
File3 失楽園の少女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/54

描く神像

 本堂を目前に扉の前に並ぶ2人。


 扉を開ければもう後戻りはできない。


 地下へ幽閉された"器"少女ルシェルと"短剣"を探しに調査に訪れた捜査員、名取は先に待ち受けるルシェルの父にしてルシェルを器とし"神への転生"を目論むジョン神父との最終決戦に歩みを進めるのだった。

「さぁ、行こう」


「……うん」


 二人の手で開かれる扉の奥、目の前に果てしなく広がる大理石の床が視界を占めた。本堂の奥行きは遥か彼方まで続き、歩くたびに足音は静寂の中で長く反響する。天窓から差し込む月明かりが広い床をゆったりと撫でる。


 壁面には色鮮やかなステンドグラスが連なり、月明かりを透かして、床に静かで冷ややかな虹色の模様を描く。


 そしてその最奥、祭壇の前に一人、3つの目のようなものが頭部にあるコウモリ人間と呼ぶべきであろうか人間のようで少し違う風貌の歪な崇拝対象が描かれた彫刻の前に立つ人物、ルシェルの父であり教会の神父、そしてルシェルの神への転生を企てる諸悪の根源であるジョン・ヴィルハートの姿があった。


 その奥、祭壇の前に一人、神父が立っていた。白い聖衣は月光に照らされ、神々しい光を放つはずなのに、その目には深い闇が宿り、微かに歪んだ笑みが唇に浮かんでいた。彼の手には分厚い聖書のような書物が握られ、氷のように冷たい視線が二人を貫く。


「思ったよりも早かったのだね。我が愛しき娘よ。しかし……招かねざる客人もいるようだが」


 ジョン神父は分厚い本を手にまるでここに来ることがわかっていたかのように振る舞う。


「早かった? まるでここに来ることが分かっていたかのような物言いだな。その割には闇の住人達の世界や熾天使のあの二人とルシェルの力だけでは到底乗り越えられるものではなかったように思えるが?」


 名取は怪訝な表情を浮かべながらもジョン神父に尋ねた。


「ああ、だから君達がここまで来るのを手助けしてもらったのさ。しかし、熾天使の二人まで掻い潜るとまでは思ってはいなかったがね。」


 ジョン神父は変わらず祭壇の上から名取達を見下ろしたまま答える。

 そしてジョン神父はルシェルに差し伸べて手招きする。


「さぁ、我が愛しき娘、ルシェルよ。私の元へ来なさい。お前にはまだ成すべき事がある。それを終えれば永遠の幸福が訪れよう。もう一度母親に……《《メアリー》》に逢いたいだろう?」


「嫌だ! お母さんには会いたいけど……でも……それでもルシェルはパパの言いなりにならない! お願いもうやめて! ルシェル、神様になんかなりたくない! ルシェルはルシェルのままがいいの!」


 ルシェルはジョン神父の誘いを断り説得する。しかし理解に苦しむような素振りを見せるジョン神父は残念そうな顔を見せた。


「そうか、残念だ。ルシェルよ、お前は幸福を否定するのか。 お前自身が神となることで我々家族は1つとなれるというのに」


「どういうことだ?」


「はぁ……君に話す必要はないと思うのだが……仕方ない。生きてここまで来た褒美に教えてあげよう」


 名取が割って入ると訝しげな顔を一瞬浮かべたジョン神父はため息を漏らすと気だるげに自身の計画について話し始める。


「"転生術"について少し話そうか。転生術とは肉体と魂を憑依させる対象へと捧げる事でその肉体に憑依させる魔術だ。逆に同じ転生術でも肉体と魂をそのままにその身に宿らせ取り込むという方法がある。これが"同化"と呼ばれるものだ。神格以外の憑依には大抵のものは同化が可能だが、神格の憑依には同化は不可能で転生以外に方法はない」


 ジョン神父は分厚い本を開き、ペラペラとめくりながら続ける。


「同化に関してはこれまでに私の作品を数多く見てきたのではないか? 双子の姉妹、闇の住人達、そして熾天使セラフィム……どうだね? 素晴らしいものだろう。そして私はとうとう神格の憑依「転生」を我が娘、ルシェルの肉体と魂をもって行い、神を降臨させるのだ」


 淡々と話し続けるジョン神父は後ろを振り返り祭壇の奥の壁に描かれた崇拝対象の彫刻に向け両手を広げる。

 恐らく彫刻のものがジョン神父の言う「神」であるのだろうとは想像するに容易かった。


 そして名取はジョン神父の言葉からあることに気づく。


「コンフュージョンが闇の住人になったのもお前の仕業だったのか?」


 名取の問いかけにジョン神父は「そうだ」と短く答える。


「シャーロット……いや、今はコンフュージョンだったか。彼女を闇の住人「混乱」と同化させ彼女自身を闇の住人に仕立てたのも私だ。彼女にはルシェルの転生ついては話さなかったが……ルシェル、君を外敵から守るためだと言えば彼女は易々と肉体を捧げてくれたよ。」


 ルシェルは父親の言葉に信じられないと口元を手で覆う。

 名取もコンフュージョンが利用されている事実に嫌悪感と憤りを抱かずにはいられなかった。

 名取は腰に携えた拳銃を抜きジョン神父へと構える。


「どうやらお前に改心の余地は無さそうだな。どうしてもその転生の計画を破棄しないのならばお前の身柄を拘束してルシェルを俺が保護する」


 ジョン神父は依然として冷静な態度で分厚い本をパタンと閉じる。

 そして手を上に掲げパチンッと指を鳴らした。

 その瞬間、祭壇の上のジョン神父を取り囲むようにどこからともなく白いローブを身に纏い、背には白い翼を生やした覆面達が6人程現れた。


 覆面達はそれぞれ槍や片手剣、弓など様々な武器を携え、ジョン神父を守るように名取達に立ちはだかる。


「私は荒事はあまり得意ではなくてね。代わりに天使へと転生を果たした我が信者達が君の相手をしてくれるだろう。熾天使程ではないが彼らも立派な聖なる騎士達だ。君一人で太刀打ちできる相手ではない」


(どうする? ルシェルは戦闘に参加させたくないが……そうも言ってられないか?)


 名取は苦虫を噛みつぶしたように手に持っている拳銃と懐からナイフを取り出しルシェルに渡す。両手に手渡された武器に戸惑うルシェルの両肩を掴んで名取はルシェルに言い聞かせる。


「いいかルシェル、コレをお前に渡しておく。俺があの数を相手にルシェルを護れるとは限らない。いざという時は自分で身を護るんだ」


 ルシェルは小さく頷くと名取は優しく微笑み、覆面達に向き直る。

 名取はゆっくりと深呼吸をし、目を閉じる。


(大丈夫だ……俺ならやれる……ゆっくりと……抑えながら……)


 名取は大きく目を見開く。瞳には黄色き輝きが妖しく灯り、全身から溢れ出した邪悪な力が黒煙のように立ち昇り、視認できるほど濃密な瘴気となってその身を覆った。

 指先に纏わりついた邪気は脈動するように蠢き、やがて獣の鉤爪めいた異形へと形作られていく。



 ――殲滅眼せんめつがん



 静かに呟く名取には邪気に心身を支配されない「正気」がそこにあった。


 名取はゆっくりと姿勢を落とし、地面と反発するように飛び上がる。

 飛び上がった名取を撃ち落とそうと弓を持った覆面天使が矢を放つ。

 名取は空中で体を捻らせ、アクロバティックに矢による迎撃を回避しそのまま剣を片手剣を持った覆面天使に邪気により形造られた鉤爪を振り下ろす。しかし鈍い金属音を立て、その攻撃は片手剣を持つ覆面天使の持つ盾

 によって防がれる。

 すかさず横から槍による突きが名取に襲い掛かり、名取は盾を踏み台にして後退する。

 穂先が名取の体を掠め、名取の脇腹から鮮血が滴る。


「名取! 血が!」


 ルシェルはすかさず黒い翼を生やし、名取の傷口に触れる。傷口に触れた指先は温かさを帯びて触れた先から傷口が塞がっていく。


 それを見たジョン神父は「おぉ!」と大きな声を上げ、喜びを露わに手を叩く。


「素晴らしい! メアリーの力を余すことなく受け継いでいる! その醜い羽だけは気掛かりではあるがそのようなことはどうでもいい! これはルシェルがメアリーと身も心も一つである何よりの証明だ!」


 ジョン神父の賞賛とは裏腹に悲しげな表情のルシェルを見て名取はジョン神父を睨みつける。


「お前にとってルシェルは何なんだ! ルシェルは血の繋がった娘なんだぞ! それなのにお前は転生術の生贄にする事しか考えていない……これじゃただの使い捨ての道具じゃないか! お前は一体何を考えてそんなことをするんだ!!」


「君には分からないだろうね。神の存在に気づき、相まみえた私はその意向を実行するだけさ。神は言ったのだよ。『この世界に顕現するための"器"を捧げよ。さすればそれは人類にとっての救済となり平穏と幸福をもたらすだろう』と。ルシェルを神へと転生させ、人類に救済をもたらす『救世主メシア』に仕立て上げる。私はその神命を果たすだけだ」


 堂々とした口振りでジョン神父はそう語る。ジョン神父が語っている間も覆面天使達は名取へと襲い掛かり、名取は邪気を帯びた鉤爪で迎撃する。

 鈍い金属音と空気が震え、揺らぐような音が小さく響き、圧倒的な人数不利でありながらも名取は一人で奮闘していた。

 大きく鉤爪を振り払い、覆面天使を追い払っては後退し、ルシェルによる治癒を受ける。ひたすらにそれを繰り返し、なんとか邪気による精神の侵食を緩和し戦闘を継続する。

 しかし、たった一人で、更に力を抑制しながらでは戦闘力を存分に発揮することはできず、勝機が見出だせずにいた。


(クソ、埒が明かない……。だからといってこれ以上殲滅眼の出力を上げては身体のコントロールができる保証がない。勝機はおろかルシェルに危害を加える可能性だって……。あまりにもリスクが高過ぎる)


「おい、神父。お前がさっき言った『救世主メシア』ってのは人類にとってどんな影響を及ぼすんだ? 救済ってのは一体何をしてくれる?」


 名取は覆面天使と戦闘を継続しながら神父へと問いかける。ジョン神父は戦いながら質問をする余力をまだ残している名取に感心しながら名取の質問に答える。


「何をしてくれるだと? 全く、現金な者だ。神を都合の良い道具か何かと勘違いしているのではないか? 神は唯一無二にして全能の存在だ。救済は神の意向によってもたらされる。生も死もこの世界の全ての決定は神によって定められるのだ。やれ神は人が創り出した偶像だと否定し科学が支配する世界を覆しもう一度、神を信じ全ての決定を神に委ねる世界を創り上げるのだ」


「都合の良い道具と勘違いってルシェルを生贄にしようとしてるお前が言うのか……まぁつまり物事は全部神様ってやつが決めてくれる訳だな? だったら文字通りお花畑で愉快な思想だな。少なくとも俺が出会った五体様かみさまって奴はそんな良いモンではなかったぜ?」


 名取はジョン神父の語る神の救済に嘲笑を浮かべながら続ける。


「それに思うが神様ってのはそんな一人で何でもしてくれるわけでもないんじゃないか? まぁその筋の世界にもそれぞれ信仰する神様ってのがいるんだろ? 仏様だのイエス様だの実際にいるのかは知らんが恩恵の内容もそれぞれ違うはずだ。つまり神様の世界にもそれぞれ"出来ること"って決まってんじゃないのか?」


 名取は妖しくニヤリと笑う。すると名取は懐に隠していたもう一丁の拳銃を素早く抜き発砲する。

 火薬の弾ける音と共に放たれた弾丸は覆面天使1体の頭部を貫き、覆面天使はその場に倒れ込む。

 床に伏した覆面天使の背から生やした翼は燃え尽きるように黒く朽ちていき、頭部から流れ出す血液は床に血溜まりを作り上げる。


 銃口から出る硝煙が刹那の静寂を生み、それを破るように名取が口を開く。


「俺だって魔術や怪物をこれまでに見てきた。この世界に神が存在すると言えば疑いはしない。実際に神様に会ったことがあるからな。でもな、それでもこれだけは言える。神は"唯一無二"ではない。お前に言う唯一無二で全能の神は小学生でも思いつく実にご都合主義で幼稚な考えだと思うぞ?」


 嘲笑と嫌悪の混じった可哀想な人間だというような最大限の哀れみの視線をジョン神父に向ける名取。

 それは当然、ジョン神父の逆鱗に触れる。

 ジョン神父は僅かに声を震わせ静かに怒りを顕にする。


「ご都合主義で幼稚か……私の崇拝せし神への冒涜……決して許されざる行為というのは自覚しているな? 私の前で堂々とそのような愚行、万死に値するぞ。その命をもって罪を償うがいい」


 ジョン神父は分厚い本を投げ捨て、黒い仮面を顔に付ける。その仮面は三つ目のデザインで彫刻として刻まれている崇拝対象の頭部に酷似していた。


 ジョン神父はそのままうまく聞き取れない程の小さな声で何かを唱えると、その瞬間、天井が激しく崩れる。

 天井には大きな穴が空き、そこから瓦礫とともに何か巨大な黒い影が大きな羽音を立ててジョン神父の立っている祭壇に向けて降下する。

 常識外れの巨躯を支える漆黒の翼が瓦礫を吹き飛ばしながら広がる。

 月明かりと照明がその体を照らし、現れたのは、鳥とも馬ともつかぬ異形の頭部。

 不気味に湾曲した嘴が月光を受けて鈍く輝き、黄金の瞳が獲物を見定めるように眼下を睥睨へいげいした。


 甲高い耳障りな咆哮が空間を震わせる。

 象と同程度の大きさを持つ巨大な神話生物、「シャンタク鳥」がその姿を現した。


「我が崇拝せし神から授かりし神の使いがお前の身を滅ぼそう。私を侮辱したことを死を持って後悔するがいい。無貌にして千のかおを持つ神、『ナイアルラトホテップ』様の名の下に愚者を断罪しよう」


「な、何……あれ……嫌あぁぁ!!」


 神話生物を目の当たりにしてルシェルは大声を上げて発狂する。

 名取は急いでルシェルの視界から神話生物を外すように抱きしめた。


「大丈夫だ! 俺がついてる! 必ず俺が守ってやるから落ち着け! 深呼吸をしろ!!」


 ルシェルは完全にパニック状態に陥り、名取を押し退けようと暴れる。

 冷静さを欠いたルシェルは体をよじり、押し、拳を叩きつける。

 その勢いに名取は思わず手を離してしまう。

 ルシェルは目の前の現実から逃避しようと目を瞑り耳を塞いでうずくまり悲鳴を上げ続ける。


 黒い仮面を身に付けたジョン神父の背後に立つ巨大な神話生物がさらなる敵として登場し、覆面天使とシャンタク鳥を目の当たりにして発狂してしまったルシェルを守る為にとうとう名取に残された選択肢は一つに絞られた。


「もう……これしかない……」


 名取は意を決したように目を閉じ、殲滅眼の時のように深呼吸をする。

 そして再び目を開けた時、名取の瞳はギョロギョロと動き出し、殲滅眼の黄色い瞳の隣に紫色の瞳が現れ、2つの瞳が複眼となって名取の目に発現する。



 ――先見眼せんけんがん!!



 邪眼の2個同時解放。名取自身も理性を制御できる保証の無い領域へと入り込む。

 しかしルシェルを守るため、目の前の敵を撃退するために名取には選択肢などなかった。


 仮に理性を手放すことになろうとも、名取は命を賭して一人の少女を救うために強大な敵に立ち向かうのだった。





ミニコーナー企画!


「密着! 1日ルーティン! 平日編」


これは登場人物の1人の1日の流れに密着してどの様な1日を送っているのか丸裸にしてしまう。


気になるあの人の意外な一面も知れるかも……?


さて、今回1日密着するのは……


名取久代 登場シナリオ File3 「失楽園の少女」


今回は名取のシナリオ前の特異現象捜査部として初仕事を請け負う前の警察官としての1日に密着する。



AM6:30〜 起床


養成所卒業後一人暮らしをしている和泉心陽とは違い、すぐに一人暮らしを始めることなく、警察の職員寮で生活しており、まさしく一般的な警察官の一日の流れとなる。起床後は食堂で朝食を済ませ他の寮暮らしの警察官と同じように朝の支度を済ませ出勤の準備をしている。


AM8:00〜 出勤


和泉心陽や他の捜査員同様、普段は表の顔である警察官として仕事に従事している。特に多く語るようなことは無いが、配属先が東京の警視庁に巡査として従事している名取は、田舎育ちな上、ニア本部長に拾われた後も施設で育った名取は土地勘があまり無く、都会の街並みと空気感に若干苦労している。


PM12:00〜 昼食・昼勤務


配属から然程日が経っていない名取は、初め近くのコンビニや飲食店を利用しようとしていたのだが、あまりの混雑に大変な思いをしたらしく、大人しく署内の食堂を利用している。しかし本人曰く「またリベンジする」そうだ。


PM17:00〜 退勤


勤務が終わると名取は真っ直ぐに寮に戻り、寮の食堂で夕食と入浴を済ませる。

偶に都会慣れの一環で外食をすることもあるようだが、そのほとんどがチェーン店で済ませることが多く、まだまだ都会に慣れるというには暫くかかりそうだ。


PM19:00〜 自由時間


主に都会での生活に慣れる為、夜は散歩に行くことが多い。特に目的もなく東京の街を歩き続け、徐々に散歩の範囲を広げようと考えているそうだ。

だが未だに電車に乗ることができず、そこまで遠出は出来ていない。

最近では皇居周りを散歩コースとして気に入っており、偶にビル街を通って、東京駅まで歩き満足して帰っている。

徐々に散歩範囲を広げようと考えていると前述したが、まだ遠出の予定はなく、本人曰く「帰れなくなったら怖い」のだという。


22:00〜 日記&就寝


寮から戻ると、名取は都会暮らしでの日々を日記に記すことにしている。その日仕事で起きたことや新しく得た知識などを記し、命を賭して自身を生かした村の人々への手向けとして、自身が生きた証を遺すことにしているのだ。

その後、名取は眠りにつく。

しかし名取は五体様の邪眼の影響か頻繁に五体様が夢に出てくるそうだ。

何度も悪夢に魘され目が覚めることもしばしばあるようで眠れない日も時折あるそうだ。



だが、それでも日々は続いていく。唯一の生き残りとして新しい生活を始めた名取は、村の人々の希望も背負い、今を強く生きていく。

新しい朝日が昇る時、名取の幸福希望に溢れた人生を求める一日がまた始まるのだ。

祝福か、呪いか。五体様から与えられし邪眼を宿し、それと付き合っていく名取の人生の終着点とは……その結末は神のみぞ知るのである……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ