表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
34/37

33.アニマペットの世界

 何でパーティーゲーの相性ゲーで個人戦?って思ったけど、まさかの負けイベとは。


 そんなことってある? 


 このモヤッとした感情をどこにぶつければいいのかしら?


 いやまぁそう言うイベントだったんだけれども、スカッと体験を期待していた私の期待を返して欲しい。


 そこはリコちゃんと言えど、ちょっと一言いいたいわけだが、しかし勝者はリコちゃんであることは揺るがないらしい。


「やったー!」


 飛び跳ねるリコちゃんは……かわいいですけどね。


 そしていつか見た褐色美人、ダイアと名乗ったAペットが突然舞台上に現れて、賞賛すべき勝者に頭を垂れた。


「おめでとう。君は選ばれた存在だ」


「あ、ありがとうございます!」


 そして続いて、ダイアは私を振り返る。


「君にも最大の感謝を。現実世界からこの世界に来てくれたあなた。あなたのおかげでまた一人、最高のアニマペットが完成する」


「?」


 妙なところでタイトル協調するね。


 しかも気のせいでなければその響きは若干不穏だと感じるのは、きっと緊迫したBGMのせいに違いない。


「優秀なクリエイターに、優秀なAペット―――完成された精神と完成された器は今一つとなる」


「―――はい!」


 リコの目は輝いていた。


 彼女はきっと心からアニマペットとやらになりたいのだろう。


 だが私が言葉の意味を理解する前に、突然現れた純白の階段をリコは登る。


 駆け上がるでもなくゆっくりと行く姿は、どこか神聖さを感じるものだった。


 だがそう間をおかずに次々に私の前に、人型が現れた。


 それは今までのコミューンを管理していた管理者達。


 居並ぶ彼女達は一人一人敗北した私に言葉を投げかけてくる。


「ありがとう。人間のあなた。あなたの協力でまた一体、素晴らしいアニマペットが誕生しました」


「アニマペットはより高度な人の形」


「育てられたAペットという人の器に、同じく成長したクリエイターの意識を宿す」


「地に足をつけ、文明を超え、夢を超え、未知の領域に到達した。頂きに至ったAIは、より洗練されてい

る事でしょう」


「この世界に招待された人は、AIがより深く人を学ぶためのお手本です。あなたはその役目を果たしてくれました」


「これからあのリコというAIは自ら育て上げたAペットと完全に同化するでしょう」


「それこそがアニマペット。可能性の完成形」


 誰の口からかはわからないが、次々に彼女達から語られる言葉を、私は耳に入れる。


「残念ながらあなたには見届ける権利はない」


 そう言い残して管理者たちは消えてしまう。


 私はリコの行った道を辿る。


 しかし邪魔が入った。


 妨害したのは最初のAペットダイアちゃん。


 いや、今となっては正体も割れたアニマペットダイアは私の前に立ちふさがった。


「一つ忠告を―――アニマペットの完成を邪魔をする事は許されない。過去に何度かあったんだ、もし君がそれを選択すると言うのなら、僕達は妨害しないといけない」


 なるほど、いきなりライバルが融合すると言われても、よくわからないと言うのが先に立つ。


 しかも最後の戦いは確実に横やりが入ったとみている。


 こんな微妙な感じで、納得いく方が無理がある。


 過去のクリエイターのいくらかは完成をいったん止めようとした者もいたということか。


「ここで新たなアニマペットの完成を待つことをお勧めするよ?」


 それがどういう結果をもたらすのか。理解したいのなら更に進むしかないようだ。


 ダイヤは選択肢を私につきつける。


「まず君のAペットの修復を。では……君の選択を教えてくれないか?」


 どういうわけか、階段への扉は解放されていた。



 ☛先に進む


 ☛ここで待つ。



 選択肢が二つ表示された。


 どちらに行くも自由ってスタイルが、どうにもいけと言う意思を感じる。


 ここで待ったら絶対バッドエンド確定だろう。


 一体どうバットエンドゥルのか選びたくなるけど、一回セーブしていっとく?


 いや、まぁ時間の無駄か。


 では、本筋にGO。



☛先に進む



 素直に先に進んでサクッとリコちゃんを救出するとしよう。


 でもその前にショップに行ってパワーアップしてもいいかな?


 いけそうなら止められても行きたいのだけれど?


「そう―――。なら君の意見を尊重しよう。その代わり、この先には君の事を邪魔する者もいる。僕としては君に是非頑張ってほしいけれど」


 意味ありげにどこか嬉しそうな表情を浮かべて、ダイアは消えてしまった。


「……」


 なんとも一方的に波乱万丈なことだ。


 アニマペットになりたいと言うんだから素直になればいいとも思うが、あんな理不尽な終わり方で納得できるはずもない。


 私は目を閉じ数秒考える……そして瞳を見開き走り出す。


 チャンスである。


 私はダッシュでアイテムの補充と、装備を整えに行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ