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26.ちょっと目を離した隙

 マシュマロは中々面白い食べ物だ。


 最近のお気に入りはトーストにチョコレートとマシュマロを乗せてレンジでチンして食べる事。


 だがこいつが中々めんどくさい。


 あまりにもすぐ焦げるから、目を放すとあっという間に丸焦げである。


「トーストを先に焼いて……ちょっと待つ」




 さてゲームをしよう。4体のAペットが揃ったことで残るはあと一枠ということになる。


 オンラインで対戦すると、5体のパーティから3体選んで戦うらしい。


 ただまぁオンラインは初心者お断りなのをすでに知っている私には関係のない話である。


 装備を整えて、私がWステーションなるところへ向かうと、イベントはわかりやすいほどわかりやすく巨大バグが大暴れしていて現在進行中だった。


 プピピピピピと鳴くUFO型バグはこちらが射程圏内に入ると俊敏な動きで残像を生み出しながら襲い掛かって来た。


「マシュマロを置いて……ちょっと待つ」


 ロボットアームをにょきにょき伸ばすバグは移動アイテム入手のための障害に過ぎないが、このバグってやつは新しい奴が出て来ても戦い方が分からなくて結構大変だった。


「ではクレソン君……やっておしまいなさい」


 最大火力で一気に決める!


 ミス


 ミョミョミョミョミョン


 大ダメージ。


「良し頃合いだ……お茶でも入れてこようかな」


 席を立つ前にそぅれもう一撃。


 ミス


 ガチャコン。


 釣り上げられて叩きつけられる。


 大ダメージ。


 ポチポチズズズ。


 謎のUFOビームでズドン!


 オーバーキル。クレソンは倒れた。


「おお、あまりにも甘い。こうでなくてはね。え? ……次のAペットを選んでください? え? どういうこと? 何が起こったのか見てなかった」


 勝ち戦だと思って適当にボタンを押したら、エースが死んだ。


 え? 意味わかんない。


 しかも相手のHPが減ってない。


 意味わかんない。


 青くなった私は、混乱しながらも新たなAペットを選ぶ。


「なんだかよくわからんがいけ! ブロッコリー!」


 そうあれだ。叩き潰せば……叩き潰してしまえば問題ない。


 攻撃力が我がパーティで2番目に高いブロッコリーならば、あんな空飛ぶフリスビー、一撃で燃えないゴミ行きである。


 斧を振りかぶって、一撃。


 撃墜。


 粉砕。


 そんな未来を私は見た……気がしたのだが気のせいだった。


「あれ?! ミス!? なんで?」


 意味が分からない。


 私は大焦りで画面を見るとやはり見落としていた一文を発見して愕然とした。


 相手が空中にいて攻撃が当たらない。長距離を狙える武器で攻撃してみよう。


「射程とかあったっけ!? 聞いてないよこのバトルだけの特別ルール!?」


 どうもそうらしい。ふざけんなチキショウめ!


 でももはや手遅れである。


 ブロッコリーはUFO下の地面を存分に耕して、致命傷を喰らって、控えに返っていった。


「……」


 なんてこった。あっという間に後2体とは。


 いやしかし、手塩にかけたAペットはまだあと2体いる!


 そう言えば作ったばかりのキャロットの試しはまだしていなかったか。


 ここは様子見もかねて、キャロット君に頑張ってもらおう。


 最悪自爆である。


 私はキャロットを選択しようとしたその寸前でピタリとその手を止めた。


「……」


 頭を悩ませて生み出したばかりのキャロット君はそれはもう可愛らしい。


 確実に脳内に補正が入っているかわいらしさについ手が滑った。


「……すまん! スピニッチ! お前は何も悪くない!」


 何に対して謝罪なのか、スピニッチは腕のバスターを構えて降臨した。


 しかし、こいつが吉と出た。


 回って来た私のターン。


 腕を突き出し、撃ちだされたのは、服と同じ輝きの光弾だった。


 スピニッチのショット。


 あんまり強い攻撃ではないはずだが、腕から飛び出した光弾はUFOバグに命中して、確かにHPバーに隙間を刻んだ。


「あ! 当たるじゃん!」


 出遅れたが、しかしダメージが与えられるならこっちのものだ。


 このまま一気に倒してしまおうと、ショットを連続選択。


 だが……残念ながら、レベルが余りにも低すぎた。


 謎の光線がスピニッチを襲うと、光のエフェクトを残してスピニッチが爆散した。


「あああぁ! スピニーッチ!」


 自爆する間もなく撃破である。そして最期の一体は……もちろん太刀打ちできる訳もなかった。




 血糖値は上がったが攻略より先に準備の方に振り分けなければならないらしい。


「うううう……めんどくさいよう。めんどくさいようぅ。キャラメイクからやり直しだよぅ」


 うっかり油断してセーブしていなかったからこの始末だ。


 最近はほとんど絶滅に近い失敗だが、こうしていつだって起こる事故だと言うことを忘れていた。


 悔しいので、同じコンセプトでもう一回やり直したから、クオリティが上がったのが唯一の救いである。


 しかしまさか負けてしまうとは……おのれ、中ボス風情がやってくれる。


 あの露骨なギミックをここで入れてくると言うことは、今回は武器について学べと言うのはよくわかった。


 浮いてる相手に遠距離攻撃しか通じないのは意外と言えば意外だが納得はいった。


 下手をすればツミかねないし、何か対抗手段が他にもありそうだが……今は手っ取り早く、当たる武器に換装してみた。


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