24.スペースコミューン
ウインナーはうまい。それは世の理である。
表面をこんがり焼いて、皮をパリパリにしたところで、シャキシャキキャベツの千切りと一緒にホットドック用のパンにはさむ。
ケチャップと、マスタードを気のすむまでかけたら、ガラガラ氷を入れたコップにコーラを好きなだけ注ぐ、リラックススイッチを入れるにはそれだけでいい。
気分は大長編SFのOPを眺める観客なわけだが、此度新章に突入するのはこの私。
旅路の主人公となった私が転送ゲートを抜けるとそこは、満天どころか全方位完全に宇宙のエリアだった。
「お、おお、おおおー。これがスペースコミューン……いいじゃないか」
宇宙を表現した広大なフィールドと、空を飛ぶような動きが爽快だ。
周囲には宇宙服のような装備を付けたNPCが飛んでいて、こちらに手を振っていた。
「なるほどなるほど……。宇宙に、どことなく未来を思わせるデザイン。これはあれだな?」
ここでSF装備を手に入れろとそう言うことなのだね?
私は中々世界感が広がりそうな予感に、トゥンクと胸がときめく音を聞いた気がした。
とりあえず武器も銃が出てくることは予想がつく。
そして他の近接武器だって、ビーム的な物やヒート的なものまでバリエーションが一気に広がるはず。
それに、Aペットにしてもロボットやアンドロイド型の外装が使えるのは、NPCを見ればすぐにわかった。
「これはキャラクリが捗りそうだなぁ」
とりあえず限定解除でメンバーが4人になったので、4人目を作るのは決定として……。
「うん。ブロッコリーとスピネルを改良しようかな? 主にファッション面を」
私が意気揚々と自分の工房へ向かっていると、そろそろ慣れて来たコミューンの管理人が姿を現した。
「ようこそスペースコミューンへ。……歓迎しますヨ?」
なぜに疑問形?
目が見えないほど前髪の長い彼女は全体的にカラーリングが緑だった。
「私はエメラルド。このスペースコミューンの管理をしています?」
「いや知らないけどね?」
常に疑問形の彼女もひとまず画像を残しておこう。
「このエリアは基本的に自由。今まで培った知識を生かして経験を積み、試験に挑んでください。それでは準備はいいですか?」
え? 改めて聞かれると怖いのだが、エメラルドはそのままスッと姿を消してしまった。
「自由なエリアか……うん。取り合えず情報収集かな?」
まだ今持っている大事な情報はエメラルドもまた美人。次会う時が楽しみだと言うことくらいしかない。
おおっと、口寂しくなって齧っていたらあっという間になくなってしまったね。
ホットドックは定番ではあるが、あんまり間が持たずに食べきってしまうのが困りどころだった。




