第30話 パッチワーク
10日更新とか言っておきながら投稿できずすみませんでした。
楽しみにしてくださってくれている方には本当に本当に申し訳ないです。
少し早い気もしますが、メリークリスマスイブです。
作者は一人で寂しく小説を投稿しています。
素敵な相手とすごしたいなぁ。
俺が最初に向かったのは、カインズさんが家で仕事をよくしている部屋。
そこには誰の姿もなく、いつも通りの綺麗に整った部屋だけがそこにあった。
順番に全ての部屋を見て回ったが、どこも同じような状況だった。
一度深呼吸して落ち着き、考えを巡らす。
様々な可能性を考慮して、一つの結論に至る。
難しいようで簡単な。
謎解きではなく、ゴロ遊びのような。
わかってしまえば不自然で歪でおかしい。
ゴーズの息子がある意味一番単純だと言えるような。
そこにナナが帰ってくる。
「ただいま〜」
「おかえり。ナナ」
俺はナナに現状と推測を話す。
ナナはすぐに理解できたようだった。
ナナと二人で、現状としてどうするかを決める。
二人とも同じ結論が出、カインズさんを捜索することとする。
家では見つけられず、カインズさんの捜索に協力してもらおうとしてマギア・アカデミーにいた時にその怪物に邂逅した。
その側に男が一人いた。
男と言っても、屈強な大男がいたわけではない。
ふとすれば、女の子と見間違うかもしれないような男の娘。
美少女に近い美少年。
少年だとわかるのは髪が短いことと体つき。
少年から凄まじい圧を感じる。
威圧されている。
直感的に少年へ問う。
「お前は誰だ? この怪物はなんなんだ?」
「君か。えーと、かなんとか言ったっけ。姉さんを負かした。それとアクア・アカデミーの水姫様じゃないですか、ふっ」
「それで私のこと呼ばないで。嫌いなの」
「おっと、それは悪かった。ふふっ」
ナナが珍しく怒りをあらわにしている。
それを見た少年が微笑を浮かべている。
「どうしたんだ、ナナ? 水姫って綺麗な水の魔法を使うナナにはぴったりじゃないか?」
「綺麗って、またそんなこと言って……水姫には、水をつかさどるという鬼、つまり水鬼とかけられてるの」
「なるほど、ナナが鬼みたいに強くて怖いってことか」
「強くて怖いって何よ!!」
「痴話喧嘩はその辺にしてもらっていいかい? カインズを探しに来たんだろう?」
痴話喧嘩じゃない、と揃って言いそうになったのを二人とも何とか飲み込み、続きを聞く。
「この怪物を見て気づくことはないかい?」
怪物はパッチワークだった。
分かるのはそれくらいだった。
「パッチワークなことくらいしかーー
「そう!こいつが元カインズだ!!」
その言葉に衝撃が走る。
カインズさんのことを想起する。
優しく父親のように接してくれた。
優秀な人だった。
奥さんと娘さんを本当に大切にしていて。
ナナが問う。
「カインズさんの魔力とは違うようだけど?」
「よく気づいたね。魔力の質が分かるのか。こいつは身近な人々を喰らい自分の糧としたのさ。こいつにはぴったりじゃないか?」
嗤う。
心底嬉しそうに笑う。
そして、さらに言葉を重ねる。
「奥さんの魔力。娘。執事やメイドの肉体。それらを喰らってこの怪物は今の姿になった!! ははっ! 人間なんて所詮一皮剥けばこんなもんさ、くくくっ」
あまりのことに一瞬息をすることすら忘れた。
むせたことにより、持ち直し、気になっていたことを聞く。
「お前はフィーアなのか?」
「違うわよ」
声のした方を見ると、フィーアがいた。
「フィーア? もしかして、双子か?」
「そう。そいつは私の双子の弟。レグスよ」
レグスは姉であるはずのフィーアを睨みつけていた。
親の仇をを見るがごとく。
静かに佇む怪物を見ると、その中に感じられる怪物の悲哀、寂寥そして、罪の意識。
この狂詩曲の山場がやってきていた。
終幕に向けて加速していくリズム。
打楽器の入る間隔が短くなる。
楽器たちが出す音も激しく、終わりが近いことを感じさせる。
投稿がかなりきついので年内で一度、終わると思います。
四月ごろに書く余裕ができたらまた、続けたいと思います。
本当は二章はもっとマギアでの学園生活を描くつもりだったのですが時間が……




