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Ideal Crossing 異世界で後輩ハーレム!?~かなんさん今何してんの?後輩と世界平和してる~  作者: 伝説の黒猫
第1章 水の都アイシクル~深まる謎~
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第19話 1の試練

3つの試練の1つ目です。

中に入ると、拍子抜けするほど質素な場所だった。

四角い部屋に台座が一つ。

奥には大きい扉。

それだけだった。

台座に近づくと光を発する。

文字が浮かび上がる。


「1の試練を開始する


この試練は、貴殿の知力を試させてもらう。


課題

この部屋の中で、2つの絡まる嘘とを見つけろ」


石板に表示されたのはただそれだけだった。


絡まる嘘?

2つ?

何かヒントになるようなものはないだろうか?

台座、部屋どちらを見てもとくには何もない。

何の変哲もないって感じだ。

うーん。

みんなに意見を聞いてみるか。


「この嘘って何だと思う?」

「うーん?魔法に反応するとかかな?」

「ピアニャわかんなーい!」

「…龍の気配が近いのはわかるんですけど」


ふむ。

魔法か。

だが、どんな魔法を使えばいいんだろう。

さすがに鍵開けの魔法とかないだろうし。

ヤミに聞いてみるとか?

最近ヤミに頼り過ぎている気がするんだよな。


黒い炎を纏った魔法陣が出現する。

中からは闇があふれている。

そう表現するしかないような状態だ。

臨戦態勢に入る。

そのとき俺は気づいた。

その闇が敵ではないことに。


「…ヤミだよな?」


闇は揺れている。

違ったのだろうか?

すると、闇が徐々に晴れ、ゴスロリ服を身にまとった少女が現れる。


「ヤミ、こっちの世界でも会ってみたかったんだ!」


そういって、俺はヤミに抱き着く。


「なっ…!!」


向こうでは触れることができなかったから、こうやって抱きしめてあげたかった。

ヤミが顔を赤く染め上げる。

気にはなっていたんだ。

いつも、一人で寂しくないのかって。

孤独を好むものはいるが、孤独に耐えられるものはいない。

ヤミがあそこにどのくらいいるのかわからない。

ただ、オークキングのことを踏まえるとかなり長い間あの空間にいるだろう。

俺だって一人は寂しい。

一人ぼっちはよくないっ!

辛いときは誰かといるほうがいいよね。


「せんぱい!誰ですか!その黒い子は!!敵ですか!敵なんですねっ!」

「ピアニャもやって?」

「……さ、最低…」


ああ。ピアニャ以外の評価ががた落ちだ。

俺の評価が…。

ま、まあ、大丈夫だ。

いや俺が落ち込む以前におかしくない?

ナナさん敵認定していますよ?

この子は大事な家の子です。

敵ではありません。


「ち、違うんだ。この子はヤミって言って―」


なぜか言い訳がましくなる。

どうしてだ。

やましいことなんてないはずなのに。

俺変なことはしてないよね?

ヤミって着やせするのかな?

思ったよりは胸あったなって思ったくらい。

全然やましくない。

決してそんなことはない。


「せんぱいのことなんか嫌いです!」

「?ナナおねえちゃんどうしたの?おにいちゃんのこと嫌いなの?」

「…ぃい訳はダメ、ロリコン…」


会話がどんどん変な方向に。

しかも、言葉の棘が刺さる。

痛いよ。

心の痛みは回復できないんだよ?

どうしてこうなった。

はぁ。


そのあと、ナナの機嫌がなかなか直らず、正座しながら事情を説明する羽目に陥った。

一段落つき、


「じゃあ、その子は先輩の彼女とか、婚約者とか、許嫁とかじゃないんですね?」

「なんか、いろいろおかしいけどそうなるな」

「はぁ。よかったぁ」


何もよくないのだが。

あ、でもこの世界では政略結婚とか、親の決めた相手と結婚するとかあることなのかな。

やっぱり、愛のない結婚なんてよくないって俺は思うけどな。


「…ロリコン」


琴音さん?

ぼそって言っても聞こえているよ。

しかも、今の割とはっきりした声だったよね?

悪意ありますよね?

いや、俺はロリコンではないのだから、寛容な態度で聞かなかったことにしよう。

うん。

そうしよう。


「マイマスターは私の親です。それ以外のなんでもありません」


ヤミさんんん?

言葉足らずにもほどがありますよ?

それだと、この場がさらに酷いことに―


「せんぱい、死んでください」

「…女の敵…」


ああ。

もう目も当てられない状況に。

はぁ。

何度目かのため息が出た。

なんとか二人を落ち着け、話を戻す。


「じゃあ、この子が術中の中にいるんですね?」

「ああ」

「どうして出て来られたのかな?」

「確かに」

「ここは次元の狭間に作成されているので、空間の質が同じです。ですが、あちらの世界に出ることはできないでしょう、マイマスター」

「そう…なのか」


ヤミをいろんなところに連れて行ってやりたいと思っていたのにな。

そうだ!


「ヤミ、こういう風にでてこられたってことは何か方法があるんじゃないか?」

「…おそらくあると思いますが…もしかしたら、天の国に行くことができれば可能かもしれません、マイマスター」

「わかった。俺も探すようにはしてみるよ」

「お気になさらず、マイマスター」

「俺がヤミをいろんなところに連れていきたいだけだよ」

「!!」


天の国か。

領土的には、水の国、火の国、風の国の三国で分割されていたから他に国はないものだともっていたなぁ。

天国ってことか。

どんなところだろう。

一度はいってみたいよな。


「マイマスター、ところでクイズにお悩みになっていたんじゃないのですか?」

「ん?あ、ああ、そうなんだよ。石板に表示されている課題が分からなくてさ。というか見えているんじゃないの?」

「いつも全てが見えている訳ではありません、マイマスター」

「そうか。それで、ヤミは何かわかるか?」

「マイマスター、1分程お時間を頂戴できますか?」

「おう」


ヤミが何かをし始めた。

触ったり、考えたり。


「マイマスター、オーブをお持ちでしたよね。貸していただけますか?」

「ああ、はい」


ヤミが扉の中心あたりにオーブをつけるとオーブが壁に飲み込まれた。


「「「「!!」」」」


みんなが驚愕する。


「ここにちょうどいいサイズの空間がありましたので、こんなことかな、と」

「さすがヤミだな!」

「ヤミさんすごいね!」

「ピアニャもやりたい!」

「…すごいです」


みんなが口々にヤミを褒める。

ヤミが表情を和らげる。

うん。

いいこと。

扉が開かれると中には通路があった。

進んでいくと、また、台座を発見する。


「1の試練・ヒントを開始する


この試練では、貴殿がヒントを得ることができる。


課題

この迷路の中で、真実を見抜け」


ヒントが用意されてるとか優しさに溢れてるな。

歩き回ってみると、そこまでの広さではない迷路になっていた。

途中に敵の存在はなく、ネズミがうろついているのを見かけたくらいだった。

というか、迷路に出口はなかった。

ぐるぐる回って終わってしまった。


「これ、どういうことだと思う?」

「何かクイズになってるんじゃない?」

「…」

「ピアニャは、歩くの疲れたよ?」

「マイマスター、何か案を考えた方がよいのではないでしょうか?」


うーん。

どうしたものか。

1の試練からこんなに難しいなんて聞いてないんですけど。

何か見落としはないだろうか?


「きゃあああ!」

「どうした?」

「ね…ねずみが」


よく見るとネズミが琴音の服をかじっている。

つかんで離そうとするが離れない。

仕方なく剣で切り捨てる。


「…ぁ…」


琴音が魂の抜けた抜け殻みたいになっている。

ネズミ嫌いなんだな。

ふと、ネズミの消えた後を見ると、紙が転がっている。

広げてみると、何か書いてある。

「絡まるの意味①(ツタなどが)巻き付く」

うん?

意味が分からないぞ。

なんだこれ?


「みんな、今ネズミがこれドロップしたんだけどなんだと思う?」

「…あ、ハングリーラット!」

「ナナ様、浅学で申し訳ありませんが、教えていただけますか?」

「え?あ、えと、要するに大食いネズミってことなんだけど、体内にアイテムを隠し持っていて、倒すとドロップするんだって」

「なるほど、これを倒せばいいってことか」

「そうのようですね、マイマスター」


そのあとはもう一度迷路の中を歩き、ハングリーラットを3体見つけることができた。

ドロップしたのは紙が2枚と緑のひもが一つ。

紙のうち一枚は、絡まるの意味だった。

まとめると


絡まるの意味

①(ツタなどが)まきつく

②(人間関係など)複雑に関係しあう


もう一枚には「扉はツタによって閉じられている」と書かれていた。


さてさて、どういうことでしょう。

謎解きをしよう。

たぶん、一つは紙に書かれている通り、さっき手に入れたひもを扉に巻き付ければいいと思う。

絡まるのが嘘なら嘘じゃなくしてやればいいのだ思う。

だからこれで一つ目の謎は解決だろう。

ただ、問題は2つてところだ。

もう一つが全然わからない。

みんなに聞いてみればいいか。

1つ目の俺の解釈を伝え、2つ目について意見を聞く。


「……わからないかな」

「ピアニャはつかれたー」

「…ぃ、意味じゃない?」

「意味ですか。なるほど、そうかもしれませんね、琴音様」

「意味?どういうことだ?」

「絡まるには2つの意味があります。見つけた紙に従うなら、1つ目の意味を満たしていると考えられます。そのため、2つの嘘ということを踏まえて、条件に当てはまっていると思います、マイマスター」

「なるほど。そういうことか」


確かにそういう風に考えると、意味通りにはなっているな。

でも、そうすると複雑に関係しあうのを本当にするのってどういうことだ?

もしかして、全員と関係を持てみたいな?

違いますね。

はい。


人間関係か。

何かみんなに共通してそうなことはないかな?

でもな、一番みんなに関係してそうな、AA(アクアアカデミー)の生徒ってこともあるけど、ヤミをいれるとなぁ。


「人間関係の共通点って俺たちにあるか?」

「共通点ですか」

「ここのメンバー全員に共通している人間関係ってわかんないんだよな」

「マイマスター、一つよろしいでしょうか。最初の部屋を調べた時に気づいたのですが、皆さまに読み込み解析魔法の残滓を確認しました。おそらく、この空間に訪れた時に行われたものだと思いますが」

「てことは、俺たち用に作られた課題ってことか?」

「はい、マイマスター。その可能性が高いと考えられます。それと、私を換算に入れなくてよいと思います。解析の効果は私には及んでいませんので」

「じゃあ、何かあるか?俺が知っているのはあいのことと、両親のことくらいだからなぁ」

「!」


ナナの様子がおかしいな。

何か隠しているんじゃないだろうか。

でも、両親のことだった場合突っ込んで聞いていいものなのだろうか。


「…ぁのさ、ナナ、隠しごとは、よくない…と思う」

「!な、なんのこと?」


腹くくるか。

聞かないことには前に進まないしな。


「ナナ、知っていることがあるなら話してくれないか?あいのことか?それとも」

「!そ、そんなこと!」

「両親のことか。何かあるんだな?」

「…わかりました。秘密にしてくださいね」


そういって、ナナは少しずつ話し出した。


「せんぱいは覚えていると思うんですけど、私たちが初めて会った家あるじゃないですか?

あれって、私の家の別荘みたいなものなんです。

昔はよく家族で過ごしたりしたんですけど。

あそこは川が近くにあるから都合がよくて。

なんで都合がいいかってことですよね。

私、実は人魚なんです。私たちの種族は10歳になると、人の脚を手に入れて、陸上でも生活できるようになるんです。

それで、私は海中にある人魚の国の王女なんです。

これは、私も聞いた話なんですが、7年前のことだそうです。

他の種族を積極的に襲おうとしない、王の方針に不満を持つものたちがクーデターを起こしました。

人魚の歌声には魔性の魅力があります。

それを利用して、他種族に戦争を仕掛けようというのです。

ここ50年ほどで海の水を少しずつ汚れてきています。

それが原因の一つであることも確かなんですが。

ここからが私の話なんですけど、王と王妃を、両親を殺した、反乱軍の人達は私が14歳を迎えた時に名ばかりの王妃として適当な傀儡王を作り出そうとしました。

私は嫌でした。

両親の仇の言いなりになるなんて。

だから、10歳になったときに私に懇意にしてくれていた王国騎士団長に協力してもらい、AAに入りました。

国では、唐突に消えたと思われているでしょう。

だから、私の唯一のできることである魔法を鍛えていたんです。

これが私の話です」


それじゃあ、両親が殺されたことが鍵なのか?

もしかして、俺の両親も…やめよう。

今考えてもわかるわけじゃない。

とりあえず、合っているか実践してみよう。


「ナナ、ごめん。嫌な思い出を思い出させて」

「いえ」


少し重くなった雰囲気のまま最初の部屋へと戻る。


まずは、扉を閉め、ツタをまきつける。

そして、台座のところに行く。

何やらキーボードのようなもので打ち込むように石板がなっている。

5文字分だ。

そこに俺は「リョウシン」と入れる。

すると石板の文字が変わり新しいものが表示される。


「第1の試練達成おめでとう。

貴殿の知力は見事だ。

これで次の試練ヘ進むことができる。

扉をひらくがいい」

言われた通り、開くはずのない扉を開けてみるとツタが扉の装飾の一部のようになり、開く。さっきとは違う通路が現れる。


次は第二の試練だ。


ナナの秘密が明かされました。今後どのように絡んでくるのでしょうか?


※タイトルのアドバイスを頂いたので、変更しました。


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