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Ideal Crossing 異世界で後輩ハーレム!?~かなんさん今何してんの?後輩と世界平和してる~  作者: 伝説の黒猫
第1章 水の都アイシクル~深まる謎~
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第15話 みんなの思い

更新遅くなってしまってすみません。


第1章も山場を迎えてきました。楽しんでいただければ幸いです。

痛みが急激に体を襲う。


「ぐっ、……はぁはぁ、ナナ、あいを探してきてくれないか?」

「あいを?…でも…」

「さすがにこの体で探し回るのはきついからさ」

「………うん」


傷が痛む。

今にも叫び出しそうだ。

ナナは渋々ではあったが従ってくれた。

早く竜の血を取りに行かないと…


そういえば、竜の死体が消えてなくならないな。

普通モンスターの死体はすぐに消滅するのに。

核を壊していないからかな。

瓶を出して、竜の血を採る。


そうだった。

瓶と水銀温度計のことだ。

小さい瓶と水銀温度計、それにお守りが入った小さなポーチが落ちていたのだ。

誰のものかはわからないがありがたく使わせてもらった。


竜の血を琴音(ことね)の傷口にかける。

すごい。

徐々に琴音の傷が癒えていく。

これならい医者って職業は廃止だな。

あぁ〜、もったいないな。

普通に考えてさ、これ惚れられる展開だよね?

傷を負いつつも大事には至らず、感謝される。

そして、好意を寄せられ、いい感じに!

そして、俺はついに、ベッドで夜の営みを美少女と!

しかも異世界銀髪美少女というおまけ付き!


はぁ。

そろそろやばい。

思考がお花畑だ。

もしくはピンク色?

愛(あい)を返すまでは生きるはずだったんだけどなぁ。


「せ、せんぱい、あいがいません。それに…そえに、ふぉうしてしょんなに…うぅ、ひっく、私との約束は…」


そうだった。ナナとも約束してた。ナナに泣きながら見送ってもらえるなんて。そうだ…な。


違う。


何も違わない。俺は死ぬ。


死ぬわけには。


抗うな。もう終わった。


終わってない。


約束がある。


所詮は死んだらおしまいだ。


俺は…


なぜ、そんなにこだわる?死んだら楽になるぞ?


約束が。違う。みんなといたいから。あいとナナとことねとピアニャとリンと学園のみんなと-俺がみんなといたいから。


だから、ここで死ぬわけにはいかない。


しかし、現実は無情だった。

この傷を回復する手段がなかった。

このまま死ぬ。

ただそれだけだった。

そこから先の記憶は俺にはない。






俺は目を開く。

すごい装飾だ。

天国にでもきたのだろうか?

なら神様脅して、さっさと戻ろう。

誰かが入ってくる。


「起きたようですね。私は騎士団所属のヴェーゼと申します。以後お見知りおきを」

「ここは…?」

「王城の貴賓室です。倒れていたあなたを我々が発見し、治療、保護致しました」

「…ことねは、ナナは、あ…無事ですか?」

「お二方とも隣の部屋にいらっしゃいます。後で会いに行かれるとよろしいでしょう。それより、王様がお呼びです。動けるようならついてきてください」

「…はい」


手足は動く。

大丈夫そうだ。

ヴェーゼさんの後についていく。

こんなに短期間で2度も王様に謁見するなんてなぁ。

でも、王様、清剛(せいご)とそっくりなんだもんな。

気をつけないと。

せっかく生きていたのに処刑とかされたら最悪だし。

んん?

そういえば、気を失う前に相当あれなことしていたような…忘れた。

忘れました。

よし。

そうこうしているうちに謁見の間にたどり着く。


「数日ぶりだな。さっそくだが、何があったか教えてもらえるか?」

「竜が人を操って手引きさせていたんだ。その竜を倒したが、深手を負って倒れたってところかな」

「うむ。だいたい同じか。それでは、次の話だ。まず、竜討伐よくやった。お前の功績を讃えて、報奨金として2000万ヴェル、竜の買い取りとして5000万ヴェルだ。普通、竜は物理攻撃がほぼ効かない上に魔法も効きづらいのであんなに綺麗に残ることはあまりないのだが」

「借りた分の1億の返済に当ててもいいか?よければ残りも払いたいんだが」

「あぁ、そうだな。よい。…利子は100万ヴェルだな」

「わかった」

「よし。それで、炎龍の行方は掴めたのか?」

「な、何?あれは、炎龍じゃなかったのか?」

「そうか。普通の竜を見たことなかったんだな。では、これをやろう。これは、七彩色の水晶と言うもので、7龍たちの前で反応しその龍の色になるという。きっと役に立つだろう。それでは、これからのお前の目的を伝える。定期的に様々な場所で被害をだす7龍を探し出して倒せ。今までできたものはないがな、ふっ」


7龍の討伐か。

まぁ、どっちにしても悪い奴は倒さなくちゃならないからな。

しかし、できるのだろうか。

竜1匹倒すのにだってあんなに苦労して、しかも、最後は水銀を使った。

もう、水銀はない。

さらに、きつい戦いになるだろう。

考えるだけ無駄だな。

俺の答えは決まっている。

愛(あい)を助ける。ただそれだけだ。そのために邪魔者は排除するだけだ。


「わかりました」

「そうだ。ついでなのだが、剣は持っているか?」

「はい。鉄の剣を」

「それなら、この竜の血を持っていくといい。これに剣をつけておけば竜の鱗も斬れる剣になる」

「ありがとうございます。では、失礼します」


俺は竜の血を受け取り、返済を済ませ、ナナたちの部屋に向かった。


「はぁ、あのな、お前ならできるだろ、かなん」


王のつぶやきを聞いたものは誰もいなかった。






部屋に入ると、ナナと琴音(ことね)がベッドに横になっていた。


「せんぱい、大丈夫ですか?」

「ああ。あいを助けに行かないといけないしな」

「…そう、ですね」


ナナの表情が暗くなる。

あれ、なんか変なこと言った?

話しながら剣を竜の血につける。


「でも、手掛かりはなくなちゃったんだよなぁ」

「どうするの?」

「うーん。ことねも操られていただけだろうし、これといって手掛かりがもうないんだよな」


寝ていたと思っていた琴音が話した。


「…ぁの、心当たりなら、ありま…すぅ」

「ことねん!?大丈夫?もう話して平均なの?」

「だ、大丈夫。ありがと、ナナ」

「ことねん、詳しく聞いてもいいか?」

「は、はい。その…操られてたの、最初はあの竜じゃないん…です。炎龍だったんです。だから、学園の前とか、襲ったりして…ごめんなさい」

「いいよ。終わったことだ。記憶とかはあるの?」

「いえ。ほとんどありません」

「そうか」

「頑張ったね、ことねん」

「…その、一緒に連れて行ってもらえればどこにいるかわかると…思います」


琴音を連れていくか。

…ナナも絶対に行くというだろう。

一人で二人守れるだろうか?

いや、きついな。

今回でさえ、危なかったのに。

相手はさらに強いはずだ。

しかし、琴音がいなければ、手掛かりがゼロになる。

琴音はまた、操られるかもしれない。

そうして、どうしようもなかったら俺が殺すのか?

琴音を殺す?

できるわけがない。

琴音を憎んでいたときならまだしも、今は琴音が悪い奴じゃないってわかっている。

殺すのはよくないっ。

じゃあ、どうすれば?


「…あの、やっぱり…信じられないでしょう…か?」

「……そんなことはない、でも…わかった。よろしく頼む」

「…はぃ。お願い…します」


信じて守るしかない。

そうだな。


「じゃあ、これからの予定―」

「春篠(はるしの)はいるか?我は騎士団三番手にして、レベル4のサーディルという。悪を処罰するために来た」


イケメンな声にさえぎられる。

というか、イケメンな騎士がいた。

男から見てもかっこいい。

もてるんだろうな。

いや、ひがんでないよ?


「ことねは悪くない。操られていたんだ」

「関係ないだろ。したことに変わりはない」

「くそっ!本人の意思じゃないんだぞ!」

「罪には罰を、だ」

「ことねは連れて行かせない」

「うーん。困ちゃうなぁ。抵抗するなら排除するよ?」

「望むところだ」

「待て」


ヴェーゼさんだ。

イケメン騎士もヴェーゼさんには敬意を払っているようだ。


「譲ることはできないか?」

「できませんね。いくらヴェーゼ様の頼みといえど」

「…そうか。では、決闘をしたらどうだろう?」

「決闘ですか?……」


イケメン騎士が悩んでいるようだ。

俺は決闘でもなんでもやる。


「俺は構いませんよ」

「…僕もそれでいいでしょう」

「そうか。それなら、訓練場に行こう」


騎士の訓練場に行き、決闘の準備をする。

使っていいのは魔法だけだそうだ。

一発魔法を打ち合い威力の強い方が勝ち。

わかりやすい。

いいゲームだ。

決闘なら普通、剣術での勝負かと思ったが。


「僕の1勝に加えられる君にハンデをあげよう。僕は水魔法を使うよ。やはり、ハンデは必要だろう?くくっ」


無言で構える。

ヴェーゼさんが手を上げる。

開始の掛け声とともに手が振り下ろされたら試合開始だ。


開始の合図が出される。


同時に魔法を精製し始める。

俺はバイオリン、向こうは、サックスだ。

相手の騎士は、哀愁漂う感じで、いい。

かっこいい。

だが、芯のある強さ。

情熱。

強そうだ。

俺が弾くのは、ヴィヴァルディ作曲の「四季」より夏。

激しい雷雨を表現している。

俺が使うのは雷魔法。

相手のハンデを十分に利用させてもらうことにした。


この曲は普通に難しい。

普通と言ってもわかりづらいし、個人の感覚によるだろうが。

速弾きが難しい。

初見では弾けないだろうと思う。

部活の合間にたまに弾いていたおかげである。


夜の帳が落ち始めていた。

そこに暗雲が立ち込める。

雷を発生させる準備が徐々に整う。

イケメン騎士もサックスを流れるようにサックスを吹いている。

その中に、熱を秘めて。

もうすぐだと感覚的に悟る。

今だ!雷を落とす。

連続して。

水魔法で防いでいるが、これは俺の勝ちだ。

水は電気を通す。


「そこまで!」


ヴェーゼさんの声がかかり、魔法を散らす。

結局勝ったのだろうか?


「引き分けとします。そうですね、次に同じことをしたら双方に被害が及ぶというところでどうでしょうか?」

「そうですね。もう少しで雷に撃たれるところでした。彼を侮っていたようです」

「わかってもらえて何よりです」


そのまま解散になった。

すっきりしない終わり方だが、琴音が罪に問われないというのなら良しとしておこう。

二人とも寮に戻らせるそうだ。

俺も寮へと向かう。

部屋で、ピアニャがリンを看病していた。

ピアニャの頭を撫でてやる。


「ピアニャ、リン、俺らは、炎龍を討伐してくる。また、待っててくれ」

「わかりました、ご主人様」

「うー。ピアニャも行く!」

「遊びじゃないんだ。オークキングよりも強い。だから、ピアニャを守りきれないかもしれない。俺は誰も失いたくないんだ」

「ピアニャだって!ピアニャだって戦えるもん」

「…だめだ。今回は本当にだめだ」


唐突に世界が暗転する。


「申し訳ありません、マイマスター」

「ヤミの方から呼び出せるのか?」

「いえ、基本的にはできません。無意識に彼女たちの力が働いたのと私が無理して働きかけたからできたのです、マイマスター」

「そうか。で、何の用事なんだ?」

「単刀直入に申し上げます。マイマスター、あなたは傲慢です。一人でなんでもできると思い上がらないことです。龍はマスターが思っているよりも桁違いに強いです」

「でも!」

「マスターが大事な人たちを守りたいのはわかります。ですが、多くを求めすぎています。残念ながら、今のマスターには圧倒的に力が足りていません。マスターは確かにLv.2にしてはとても強い部類に入ると思います。でも、勝てない相手はまだたくさんいます。騎士との決闘でわからなかったのですか?」

「わかってるさ。そんなことぐらい。俺はこの世界だったから、まだ、誰も殺していない。だが、本当ならことねは死んでた。もしかしたらあいも。これ以上みんなが傷つくのを見ていられないんだ」

「詭弁はよしてください。マスターの本心は違うでしょう?」


俺の本心?俺は愛(あい)を返す。みんなに笑っていてもらいたい。そのはずだ。


なぁ、かなん。本当にそうか?


声が聞こえた。優しい声だった。俺を心配してくれている声。


お前のさ、今求めているものって違うだろ?


求めているもの?


決闘の時も今も。


なんだよ!


罰が欲しいだけだろ?


罰?


琴音にしたことを悔やんでるだけだろ。自分のしたことを誰も咎めない。罪に対して、自分に罰を与える、さ。


そんなんじゃない。


確かにさっき言ってたことも理由ではあるだろう。なら、どうして泣きそうなんだ?


……認め…よう。俺は自分のやったことが許せなかった。すぐに琴音を疑い容疑が晴れたら、手のひら返し。挙げ句の果てには琴音を殺しかけた。地球(アース)でなら、日本でなら刑法に裁かれた。だが、ここは、異世界だ。裁かれるべきものでも裁かれない場合がある。みんなが許してくれても自分が許せなかった。だから、一人で助けださないといけないって。


かなん、みんなを頼れよ。みんなだっておまえが死んだら悲しむんだぜ?


そうかもな。そうだといいな。


そうだって。


ありがとう、アーリー。


親友の返答はもう聞こえなかった。






意識がヤミとの会話に戻る。


「そうだな。みんなに助けてもらうよ」


ヤミが驚いた顔をする。

ちゃんと表情変えられるじゃん。


「急ですね。でも、迷いのない顔です。マイマスター」

「気づけたのは全部ヤミとアーリーのお陰だよ」

「当たり前です、マイマスター」

「ヤミ、かわいいよ」

「なっ…!」

「頰を赤く染めてるヤミもかわいいよ」

「なっ!なっ!!何を言ってるんですか!もういいです。とっとと消えて下さい!」

「また来る」


そう言うと世界が暗転する。




ヤミはもういないその人に向かって話しかける。

マスターには興味が湧きました。

もう少し一緒にいてみたいのでどうか守ってあげてください。

その呟きを聞いていたかのように流れ星が流れた。


当初、ヤミというキャラはいなかったんですが、いつの間にか重要なポジに。。。

あれ、おかしいな?ここのところ出番多いような(ヒロインの愛が出てきてない)

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