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4/6 90点
気温云々を論じるとして、今日のそれは語るに値するのではないか。
完成度でいえば、今日の気候は90%を超えていたと思う。
日は程よく周囲を照らし、雨上がりの地面が熱気を散らして打ち水のようなそよ風を吹かせていた。
空気は春先と初夏の水と陽気の香りを含み、存在しない青空と風鈴の音色を脳裏に浮かばせた。
完璧に近いものだったと思う。
唯一の欠点は、その完成度が朝のうちに在ってしまった事であろうか。
日が天頂に昇るにつれそれは水気を焼き尽くし、湿度を内包した熱気を立ち込めさせた。
直射日光は同時に私の肌を焼き尽くし、まともな対策をしていなかった私の大体半分を赤く染めた。
これら若干の調整ミスにより評価は一歩届かず90点といったところだが、ここで一つ不安なのが今日以降これを上回る点が出るだろうかという事である。
同じような気温の日は今日以後もある。
しかし、今日以後とはすなわち夏により近くなる日ということである。
私が真に恐るる事実は、今日が春に最も近く、夏に最も遠い日であるという事。
今日の気候は春終わりと夏の始まりを感じさせる情景も得点に入っている。
その繊細さが、明日以降夏の暴力性に押しつぶされやしないか。
私はそれだけが不安である。




