4/4 寝れん
明日は朝が早い。
それは分かっている。分かっているが私の部屋はまだ明るい。
電気がついている。
YouTubeもついている。
people playgroundの動画の中で、人形が投げられ、壊れ、また配置されている。
歯は磨いた。
明日の準備も終わっている。
ソシャゲのデイリーも、律儀に回収した。
今日という一日が要求してきた用事は、すべてきちんと片付けたはずだ。
それなのに、寝る準備だけが終わらない。
布団はある。
横になればいいだけだ。
たったそれだけの工程が、どういうわけか、最後の最後で私を拒む。
どうにもならない、という言葉が一番近い。
特別な不安があるわけでもないし、考え事があるわけでもない。ただ、時間だけがある。
時間は止まらない。
ゆっくりと、しかし確実に進んでいく。
さっきまで22を表示していたデジタル時計は、もう23になっている。なんともどうにも取り返しのつかない感じがする。
明日起きるべき時間は6時頃。
今から寝ればまだ6時間は眠れる。
最低限の睡眠時間だ。
人間としてのラインはかろうじて守れる。
いや、問題はそこじゃない。
睡眠時間の長さじゃない。
起きる時間だ。
今日は1日ほとんど動かなかった。
起きれるだろうか、睡眠時間は博打に近い。
寝坊すると、全部がずれる。
朝の空気も、頭の回転も、なぜか自分への信頼も。
電気はついたまま。
動画は続いている。
時間という見えない壁が背中からじわじわと迫ってくる。
逃げ場は前にしかないのに、前へ行く方法が寝るだけなのが理不尽だと思う。
寝なければならない。
分かっている。
本当に、よく分かっている。
YouTubeでは相変わらず人形が落ち、壊れている。
私は壊れていない。ただ、眠れないだけだ。
時刻は23:22。
寝なければならない。
分かっている。
寝なければ。




