表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/12

第9話: 二度泣く君と、唯一の居場所

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!



(路地裏の空気が重苦しく沈み込んでいく)




不良1: ああ!? てめぇも殴られたいのかよ?




(サエキが堂々とした声で言い返す)




サエキ: 殴られたい奴なんてこの世にいねぇだろ……。だけど、誰かを守らなきゃいけない時は、多少殴られる覚悟くらいしとかなきゃな……。




(サエキが、月白の手首を掴んでいる不良2の手に、強烈な力で握り拳を込める)




(不良2が激しい痛みに慌てて叫び声を上げる)




不良2: あがっ……!? なんだよ、こいつの力……何でこんなに……。




(不良2が怯んで後ろへと飛び退く)




(後ろでしゃがみ込んでいた不良1が、怒りに任せてサエキに飛びかかる)




不良1: ここまで入ってきて、無事に帰れると思ってんじゃねぇぞ!




サエキ: 何言ってんだよ、お前は。




(サエキが突っ込んでくる不良1の顔面に拳を突き出すが、鼻先の寸前でピタッと止める)




(不良1がパニックになり、慌てて勢いを止めようとして無様に転び狂う)




不良1: 痛っ……! この野郎……何なんだよ!? 何で殴るのをやめるんだよ!




(サエキが不良たちを哀れみの目で見下ろしながら)




サエキ: 俺は静かに生きたいんだよ。下手に殴って話が大きくなったら面倒だろ……。それに、まともにやり合う相手でもねぇよ、今のそっちの様子を見てるとさ。




(手が痛くて押さえていた不良2が、なおも逆上して突撃しようとする)




(そんな不良の動きを制しながら、サエキが冷たく告げる)




サエキ: ああ、これ以上近づかねぇ方がいいぞ。




不良2: あぁん!? 戦うのが怖いってか?




サエキ: そうじゃなくて。次に来たら、今度はマジで顔面に拳を叩き込むことになるから。




不良2: え……っ?




サエキ: その覚悟があるなら、来てもいいぞ。




(不良たちが完全に気圧されて固まる)




不良1: ……そもそも、何でお前がこの女のことに首を突っ込んでくるんだよ?




(サエキが静かに数秒の沈黙を保った後、後ろにいる月白を一度振り返り、再び不良を睨み据えて言い放つ)




サエキ: 大切な人を助けにきたんだ。首を突っ込まない理由なんてねぇだろ?




(その言葉を聞いた不良たちが完全に硬直する)




(月白の顔が耳まで真っ赤に染まっていく)




サエキ: 挑んでこねぇのか? だったら……さっさとここから消え失せろ。




(不良たちが脱兎のごとく慌てて逃げ出していく)




(サエキが逃げる不良たちの背中に向かって、小馬鹿にしたようなトーンで声をかける)




サエキ: 路地裏のイキりごっこは家に帰ってゲームの中だけでやってろ。現実の他人に迷惑かけてんじゃねぇよ!




(そうして状況が終了した瞬間、極度の緊張から解放されて足の力が抜けた月白が、その場に崩れ落ちそうになる)




(そんな月白の腕を、サエキが優しく掴んで引き上げる)




(月白が顔を真っ赤にしながら呟く)




月白: あ……ありがと、サエキ……。




(サエキが月白の顔をじっと見つめながら)




サエキ: 心配させるような行動はするなって、あれほど言っただろ……。




月白: え? うん……ごめん……。どうしても避けられなくて……。




サエキ: 怪我はないか?




月白: う、うん……ないよ……。怪我はしてない。




サエキ: ならよかった……。けど、お前何でそんなに目が赤いんだよ?




(月白が今にも張り裂けそうな声で泣き出し、サエキの胸に激しく飛び込んで抱きつく)




(サエキが動豫し、頬を赤くしながら、背後にあった段ボール箱の上に安全に倒れ込む)




サエキ: おい、何するんだよ? 何で泣いてんだよ?




月白: うわぁぁぁん! 本当にありがと、サエキ! 私、すっごく怖かったんだよぉ、うわぁぁん!




(サエキがそんな月白の頭を不器用に受け止めながら)




サエキ: はいはい、怪我がないならそれでいいから。




(月白が涙で濡れた瞳でサエキを見つめ、震える声で問いかける)




月白: サ……サエキ、私たち……私たち、本当の友達……なのかな?




(サエキがその問いに少し面食らいながらも、真っ直ぐに答える)




サエキ: だったら偽物の友達なんてあんのかよ。ツキシロは俺にとって、『誰よりも一番の大切な友達』だ。




(その言葉を聞いた月白が、再びサエキの胸に顔を埋め、堰を切ったように激しく泣きじゃくる)




月白: うわぁぁぁん! サエキィィィ! ありがとぉぉ! あんたは私の最高の友達だよぉ!




(胸の中で子供のように泣き続ける月白を見て、サエキが優しく微笑みながら呟く)




サエキ: なんだよそれ……。何でお前、泣く時はいつも二回も泣くんだよ。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

次のエピソードもどうぞお楽しみに!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ