第22話:再会の涙、そして夜道のSOS
ここまで楽しんで頂きありがとうございました!
(月白とサエキが昇降口に立っている)
(サエキが辺りをキョロキョロと見回しながら)
サエキ(M): おかしいな……どこにいるんだ? まだ来てないのか?
(その時、サエキの前にナカムラが姿を現す)
ナカムラ: サエキ……くんだよね?
サエキ: え? ああ、ナカムラ。ほら……連れてきたぞ、ツキシロを。
(サエキが横に一歩ずれると、彼の後ろに隠れるように立っていた月白が姿を現す)
(二人の視線がバッチリと交錯する)
ナカムラ: ハル……。
(月白が驚きに目を見開く)
月白: アイ……? 本当にアイなの……?
(ナカムラが月白に向かって駆け寄り、勢いよく抱きしめる)
(サエキが驚きながら、そっと二人の邪魔にならないよう横に避ける)
ナカムラ: そうだよ……アイだよ……。本当にアイだよ……。
(ナカムラが月白の顔を愛おしそうに見つめ、涙ぐみながら再び抱きつく)
ナカムラ: すっごく会いたかったよ、ハル……!
月白: 私も……私も会いたかったよ、アイ……。
サエキ(M): あの子もツキシロと同じように、涙もろ……いタイプなんだな……。
(サエキが抱き合う二人の様子を伺いながら)
サエキ(M): こういう時は、男の俺は席を外してやった方がいいよな。
サエキ: ツキシロ、俺はそろそろ帰るわ。二人でゆっくり話してから帰れよ。
月白: え? あ……うん、分かった。気をつけてね、サエキ。
(サエキが軽く手を振り返しながら、その場を後にする)
ナカムラ: ハル! あのさ、ベガは元気にしてる?
月白: うん、ベガは私と一緒にすごく元気に過ごしてるよ。
ナカムラ: 元気なら本当によかったぁ〜。あ、それとさ、もしかしてサエキくんとは上手くいってる? この前のカフェで凄く仲良さそうに見えたから。実は、あの時私も同じカフェにいたんだよね。
月白: カフェ? あ……あの時のこと。うん、サエキとは仲良くしてるよ。
ナカムラ: サエキくんのどんなところが好きなの?
月白: 空気はちょっと……読めないところがあるんだけどね。でも、誰よりも心が温かい男の子なんだよ、サエキは。
ナカムラ: 温かい? ぶっちゃけ、そんな風には見えなかったけど……。
月白: アイもサエキと一緒に少し過ごしてみれば分かるよ。サエキがどれだけ温かい人なのかがね。
ナカムラ(M): あの顔……誰がどう見ても、恋に落ちて幸せいっぱいの表情じゃん。……まぁ、でも、久しぶりにハルのこんな笑顔が見られて本当によかった。
月白: それに、もっとずっと傍にいたいんだ。
ナカムラ: それ……それって、誰がどう見ても付き合って……。
(月白がナカムラの言葉を慌てて遮る)
(月白が階段の窓の外を見上げながら声を張り上げる)
月白: わ……わぁ! もうこんな時間!? 暗くなっちゃうし、早く帰ろ!
ナカムラ: あ……うん、そうだね。冬だからかな、最近本当に日が落ちるのが早いよね……。
(二人が校舎の外へと出てくる)
(ナカムラが心配そうなトーンで口を開く)
ナカムラ: ハル、本当に大丈夫? 帰る途中で完全に暗くなっちゃうよ? ハルの家の近くって街灯もほとんどないじゃん。それにハル、昔から一人で暗い場所にいるの、もの凄く怖がるでしょ? 一緒に途中まで行こうか?
月白: まだ私のこと子供だと思って勘違いしてるの? 私だってもう大きくなったんだよ! このくらい、一人で余裕で帰れるもん! じゃあ、バイバイ!
ナカムラ: あ……うん、気をつけてね……。
(月白が例の可愛い野良猫がいる路地の近くまでやってくる。辺りは街灯の光が弱く、ほとんど闇に包まれた通りへと差し掛かる)
月白(M): 怖すぎる……っ!! 暗い場所なんて大っ嫌いなのに……っ!!! 足がすくんで動けないよぉ……。何か暗闇から飛び出してきそう……。大人しくアイと一緒に帰ればよかった……。
(その時、月白のすぐ横を何かが素早く通り抜け、月白は恐怖のあまりその場にしゃがみ込む)
月白: ひゃうっ!? な……何よ……!?
(月白がパニックになりながら、大慌てでスマホのライト機能を点灯させる)
月白: あ……君、あの可愛い猫ちゃんじゃん……。もう、驚かさないでよ……。もの凄く申し訳ないけど……背に腹は代えられないよね……。
(月白が震える手で、サエキに向かってLINEのメッセージを送信し始める)
次回のエピソードも楽しみにしていて、お付き合いいただき、いつもありがとうございます!




