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第20話:崩れる足音、すれ違いの嘘

ここまで楽しんで頂きありがとうございました!



(そうして翌日、学校の教室)




(サエキが席で机に突っ伏している)




サエキ(M): あの時の言葉、やっぱりわざと遮ったんだよな……。俺の話を聞いても、違うとは言わなかったし……。




(サエキが大きくあくびをする)




サエキ(M): 猛烈に眠い……。トイレに行って顔でも洗ってくるか……。




(サエキが教室を出て廊下を歩いていると、背後からある女子に声をかけられる)




???: あ……あの、ちょっと……。




(サエキが振り返る)




サエキ: ん? 誰……だよ?




???: サエキ、くんだよね?




(サエキが少し身構えながら)




サエキ: え? ああ……そうだけど。お前、誰だ? 制服を見る限り同じ学年みたいだけど……。




???: あ……うん、同じ学年。一応、名前はナカムラ・アイっていうの。




サエキ: ナカムラ・アイ……。分かった。




ナカムラ: その……不躾に聞いて申し訳ないんだけど、ハルとはどういう関係なの……?




サエキ: ハル……? ああ、ツキシロのことか……。別に、ただの友達だけど。それがどうしたんだよ?




ナカムラ: そうなんだ。一応言っておくと、私はハルの友達なの。中学1年の時からの知り合い。




サエキ: そ……そうなのか? で、何で俺を呼び止めたんだよ。それに、何で俺の名前を知ってんだ?




ナカムラ: カフェでハルとサエキくんが一緒にいるところを見かけたの。そこでハルが言ってた言葉が聞こえて、それで名前を知ったの。




サエキ: 何だよ、それ。じゃあ、俺たちの後ろを尾行してきたってことか?




(ナカムラが呆れたような表情を浮かべる)




ナカムラ: 何言ってるのよ……。私が先にあのカフェにいたの。そしたらハルが最初に入ってきて、その後にサエキくんが入ってきたの。




サエキ: あ……そうだったのか。ごめん……。




ナカムラ: 別に謝る必要はないけど。……本題なんだけど、あんた、どういう目的でハルと付き合ってるの?




(サエキが戸惑いながら)




サエキ: え? 付き合ってる目的……って、どういう意味だよ。




ナカムラ: 何か良からぬ下心があって近づいてるんじゃないかって、心配でね。




(サエキの、濁りのない真っ直ぐな瞳を見たナカムラが言葉を詰まらせる)




サエキ: 何言ってんだよ。俺はただツキシロと親しくなりたくて一緒にいるだけだ。ツキシロは俺にとって、すごく気の合う大切な友達だし……。下心があって付き合ってるわけじゃねぇよ。




ナカムラ: そ……そうなの? ふぅ……。私が勝手に勘違いして、変なイチャモンつけちゃったみたいね。




サエキ: だけど、何でわざわざそんなことを聞きにきたんだよ?




ナカムラ: ハルがね、中学の時と比べて、あまりにも雰囲気が変わりすぎちゃってて。




サエキ: 中学の時のツキシロは、どんな奴だったんだ?




ナカムラ: 中学の時のハルは、もっと明るくて元気な子だったの。……でも、高校に入ってから何か嫌なことがあったみたいで、すごく暗くなっちゃったっていうか。それに、高校に入学してからは全然会えてなかったから……。




サエキ: 何で会えなかったんだよ? 親友だったんだろ?




ナカムラ: まぁ……色々と事情があってね、私の方にも……。




サエキ: 高校で、ツキシロの身に何があったんだ……?




ナカムラ: あ……それについては、まだ私からは言えないかな。……ごめん、長話させちゃったね。私、もう行くから。




(サエキが教室に戻ろうとするナカムラの後ろ姿に声をかける)




サエキ: ナカムラ。もしよかったら、放課後、下駄箱のところで待っててくれないか? 俺がツキシロを連れてくるから。




ナカムラ: え? ハルを連れてくるって……?




サエキ: ああ。お前ら、あんなに仲の良かった友達だったんだろ? なのに、こうしてお互い他人のふりをして過ごしてるの、なんか見ててモヤモヤするからさ。




(ナカムラがサエキを驚きと感謝の目で見つめる)




ナカムラ: 分かったわ、サエキくん。……それと、本当にありがとう。じゃあ、また後でね。




サエキ: ああ……。




(その時、少し離れた廊下の角から月白が歩いてくる)




(月白は、パッと顔を輝かせてサエキの方を見ようとした瞬間、サエキが誰かと話していたこと、そして教室に入っていくナカムラの後ろ髪を目撃する)




月白(M): あれ……サエキじゃん。今の女の子、誰だろ……? 確実にサエキとお喋り……してたよね?




(月白はモヤモヤした気分のまま、一度自分の席へと戻っていく)




(その後、サエキと月白が隣同士の席に着く)




月白: サエキ。……さっき、廊下で誰かとお喋りしてたでしょ。あの女の子、誰なの?




(サエキが不意を突かれて動揺する)




サエキ: え? あ……あ〜……。ただの、髪が長い俺の男友達だよ、友達!




月白: 1年生に、そんな髪の長い男子生徒なんていないけど?




(サエキが完全にパニックになり、冷や汗を流す)




サエキ: あ! そ……そうだよな! いねぇよな、そんなロン毛の男子、この学校に……。




月白: 教えてくれないんだ? あの子が誰なのか。




サエキ: ……今はまだ、言えない。後でちゃんと話すからさ。




(月白が寂しそうな表情を浮かべ、視線をうつむかせながら静かに呟く)




月白: ……そっか。分かったよ……サエキ……。

次回のエピソードも楽しみにしていて、お付き合いいただき、いつもありがとうございます!


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