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第12話:ぎこちない部屋、重なるふたつの瞳

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


(授業が終わり、休み時間に月白が席に座っているサエキのもとへと近づきながら話しかける)




月白: サエキ! 何してるの?




サエキ: ん? ああ……何もしてないけど。どうした?




月白: サエキ……もしよかったら、うちの猫、見にこない?




(サエキが動揺しながら)




サエキ: え? 猫を……見にこいって……?




月白: う、うん。昨日写真を撮ってるのを見て、猫にちょっと興味が湧いたのかなって思って……。




サエキ: いつ……?




月白: 今日の放課後……。




サエキ: なぁ……ちなみに、家に両親はいるのか?




月白: え? あ……ううん、両親は仕事に行ってるから、夜遅くに帰ってくるよ。




サエキ: そうなのか? うーん……。




(月白がサエキの様子を伺いながら)




月白: 来たくないなら、そう言ってくれても……。




サエキ: いや、行くよ。




(月白の表情が一気に明るくなる)




月白: 本当!? わかった! じゃあ後でね!




サエキ: ああ……また後で。




(その二人を遠くから見守っている友人1と友人2)




友人2: うわぁ……あんなに幸せそうな月白の姿、初めて見たかも……。




友人1: そうだね……。ついに、好きな人を見つけたのかな……。




(席に座ったサエキが、一人でソワソワしながら)




サエキ(M): 俺が女子の家に行くって……? まだ男の友達の家すら行ったことねぇのに。ひとまず……いや、分かんねぇ。なんとかなるだろ……。




(すべての授業が終わり、下駄箱で月白とサエキが合流する)




月白: ここだよ、サエキ!




サエキ: あ、ああ。




(月白とサエキが、家に向かって並んで歩いていく)




月白: 今日もあの可愛い猫ちゃん、いるかな?




(月白が、あの猫がいた路地を通り過ぎる)




(月白ががっかりしたような表情を浮かべる)




月白: ぶー……。今日はいないね……。




(サエキがそんな月白の様子を見て、思わずクスッと笑う)




月白: 何で笑うのよ、サエキ。




サエキ: いや、なんかおかしくて。ただ笑っただけだよ。




月白: 何がおかしいのよ、もう……。まぁ、猫ならベガをたくさん見ればいいから!




(月白とサエキが、月白の家に到着する)




月白: ほら、入って!




(サエキが相変わらず少し緊張しながら)




サエキ(M): マジで俺、入ってもいいのか? 女子の家に……。




(サエキが月白の家の中に足を踏み入れる)




月白: お邪魔します、でしょ? 家には誰もいないから、気楽にしてね〜。




サエキ: あ……ああ、分かった。




(玄関の前に、ベガが嬉しそうに出迎えてくれる)




(月白の目がパッと輝く)




月白: ベガ! お留守番偉かったね! 今日も会いたかったよ〜!




サエキ(M): 本当に……猫が大大大好きなんだな。




(サエキがベガを見つめながら)




サエキ: 本当に目が青いんだな……。




月白: だから言ったじゃん。だから『ベガ』なんだって。




(月白がベガを抱き抱えて立ち上がりながら言う)




月白: ほら、リビングに行こっか。座って話そうよ。




サエキ: あ……ああ、そうだな.




(二人がリビングへと移動し、床に座る)




サエキ: だけどツキシロ、ベガって名前にした他の理由ってないのか?




(月白が抱きしめているベガを見つめながら)




月白: あるよ。ベガはね、私が辛い時にいつも明るく輝いてくれた星だったの。だからベガって名付けたんだ。




サエキ: 素敵な名前だな……。やっぱり辛い時は、何かが傍にいてくれるだけで救われるもんな。……俺もこれから先、辛い時にずっと傍にいてくれる『何か』があればいいな。




(その言葉の直後、サエキと月白が同時にバッチリと目を合わせる)




(サエキと月白の顔が一瞬で真っ赤に染まり、二人は慌てて視線をそらす)




(部屋の中に、重たくて甘い沈黙が流れる)




サエキ(M): やべぇ……今のはめちゃくちゃ気まずい(恥ずかしい)……。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

次のエピソードもどうぞお楽しみに!

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