↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/36

初めての円卓会議---- 後編

ブクマして頂き有難うございます!

「あれがジーナ?」


「侍女長の話だと目の下にホクロがあると言ってたよな?」


「髪色は茶色で合ってるけど顔が見えないわ---- こっち見ないかしら?」


 侍女達が集まってお喋りしている場所を柱の影から覗く。後ろに立つハロルドも気になるのか私の肩に手を置いて覗いているようだ。


 先程の反省を生かし突撃はしないでみたものの、顔が中々見えずまどろっこしい。


 ------ 何かいい案はないかしら。あ! 良いこと思いついた。


「ねえハロルド、話しかけてくれない?」


「なっ。何で俺が?」


「私が行ったら皆頭を下げるし---- ハロルドなら用事があるように見せかけて間違えても大丈夫でしょ?」


「大丈夫って----」


「お願い! 一生に一度とは言わないけど当分大人しくするから!」


「さっき約束は破る為にあるって言ってなかったか?」


「もうよく覚えてたわね。スターリンの真似なんてしなきゃ良かったわ。あんな事言わないから、ね?」


「十日間。大人しくすると約束するか?」


「するわ! 十日間部屋から出ないわよ」


「ハア。絶対だからな。破ったらエレナが花瓶を割った事を陛下に言う」


「えっ。嘘でしょ?」


「嘘じゃない。約束したからな」


 ハロルドがスタスタと侍女の元へ向かっていく背中を見て失敗したと思った。


 ---- まずいわ。母様にバレたら叱られるに決まっている。十日間---- 約束したのは良いけど守れるか正直不安だ。


 部屋にいると気が滅入るのよねえ。後で庭までなら良いかハロルドに交渉しないと----


 ハロルドが声をかけ侍女達が振り向いたのに気づき、目を凝らしてホクロがないか探したが何処にも見当たらない。ジーナがここにいないと確信し、ハロルドが戻って来るまで静かに待つ事にした。


 侍女長の話では、ジーナは父様と愛し合っているのではなくお金を貰って身体だけの関係を続けているのだとか。真相は分からないがそれもどうかと思う。


 父様がお金を払ってまで抱きたい身体って---- 凄く巨乳とかなのかしら?


「エレナいなかったぞ」


「ハロルドお帰りなさい。見てたわ」


「約束は守ってもらうからな」


 ------ 分かってるわよ! 最近のハロルドはネチネチ煩いわね。


 一先ず城内を見て回る事にした私達は庭へと向かう。色とりどりの花を見ながら歩いていくと、庭師長が愉快顔で近づいてきた。


「殿下にハロルド君。さっきまで噂のジーナが来ていましたよ? 何でもお気に入りの花を夜に飾りたいからと言ってましたなあ」


「夜に飾る? どこに飾るのかしら?」


「エレナ、関係ないかもしれないぞ?」


「そ、そうね。庭師長また何か分かったら教えて頂戴」


 城に戻ったと聞き城内を見て回ったがジーナらしき人を見つける事が出来ない。疲れてしまい広場のベンチへ腰を下ろすと副隊長はニヤニヤとした様子で近づいてきた。


「いい情報を手に入れましたよー殿下」


「---- 勿体ぶらないで早く教えて頂戴」


「ハハッ。それは失礼致しました。今夜ジーナと陛下がお会いになるようですよ? 先程ジーナと同室だという侍女に教えて貰いました」


「今夜?!!」


 リアル過ぎて言葉が出ない。でも---- 今夜会うのなら父様を見張っていれば良いだけかも----


 それなら探さなくてもいいし、調査もしやすいわね。


 よし! ここは母様の為にひと肌脱ぎますか。


「有難う。副隊長、今夜は空いてる?」



 ------------------------


「殿下、それはお誘いで---- イタッ」


 副隊長の言葉に腹が立ち思いっきり脛を蹴ってやった。


 俺もだけどエレナはまだ八歳だぞ? 冗談を言うにしても歳を考えろよ。


 副隊長の痛む姿を見ても胸はスカッとせず苛々して睨みつける。


「冗談が過ぎましたね。イテテ---- 今夜ならまだ予定は空いてますよ」


「じゃあ父様を見張るの手伝ってくれない? 副隊長なら怪しまれないでしょ?」


「それはそうですが----」


 チラリと俺の顔を見てくる副隊長に首を振る。そんな事エレナにさせたら後が怖すぎる----


「エレナ、それはやめた方が----」


「ハロルド、約束は明日からちゃんと守るから。それに見張っていればどう言う事なのかハッキリと分かるわ!」


「そうだとしても、エレナは絶対部屋に入る気だろ?」


「うっ------」


「騒ぎになったらどうする? そもそもアマリーリア陛下はジーナの事知らないんだろ?」


「---- だけどこのままだと落ち着かないわ」


「では私が見張ってどういう関係か探るのはどうですか?」


「副隊長---- 任せるなんて何だか申し訳ないわ」


「エレナ、ここは副隊長にお願いしよう。副隊長なら何の問題もない」


「でも----」


「殿下。気になさらなくて大丈夫ですよ? 終わり次第、仲のいい侍女の元へ行きますから」


 副隊長の言葉にエレナと俺は言葉を失った。副隊長は侍女達から避けられている筈なのに、まだ仲良くしている侍女がいるとは----


 ってエレナの前でそれを言うか? 普通言わないだろ。


「じ、じゃあお願いしようかしら? 副隊長お願いね?」


「お任せ下さい。ではまた明日にでも報告しに行きますね」


 髪を掻き分けながら颯爽と去っていく副隊長から目を離せずにいると、エレナから溜息が聞こえてきた。


 まあこれで一先ず安心だな。でもエレナの事だから何かしでかすかもしれない---- そう考えた俺は城に泊まる決意をして家に伝言を伝えるべく従者の元へと戻った。


 ******


 夜になりエレナの部屋から近い場所で待機していたら、案の定扉が静かに開きエレナが顔を出した。


 待っていて正解だったな。本当困ったもんだ。


 そろりと歩く寝巻き姿のエレナを追いかけるよう、俺もそろりと歩き出す。どうやら向かっているのは陛下の執務室。執務室の前で副隊長が護衛の騎士とヒソヒソ話している姿がぼんやりと見えてきた。


 エレナが暗闇に隠れたのを見てそっと近づく。エレナに声をかけようとした時、反対側の廊下から花を持った侍女が姿を現した。


 侍女は花を大事そうに胸元で抱え、口元にはホクロが見える。そして何よりスタイルが抜群で胸は大きく腰がキュッとくびれていた。子供の俺が見ても色気があると分かる。



 あれがジーナか?


 エレナも興味深々のようで先程よりも身体が前のめりになった姿勢で見ていた。執務室に入ったのを確認してから、小さい護衛でエレナに話しかける。


「副隊長に任せるんじゃないのか?」


「は、ハロルド?! 何でここに?」


「エレナの事だから動くと思って」


「--- まあいいわ。ハロルドがいれば怖くないし早速行くわよ?」


 ドキドキしながらそろりそろりと歩く。副隊長が騎士を払ってくれたおかげで何事もなく扉へ近づく事が出来た。


 エレナと副隊長が同じ姿勢で扉に耳をつけたので呆れてしまったが、自分も気になってしまいそっと耳を扉につける。


「今日も宜しく頼む」


「ええ、お任せ下さい。準備致します」


 バサっと音が聞こえたが話す声も小さくなったのか聞き取れなくなった為、耳を強く扉へ押しつけた。


「そこだ---」


「ふふ、陛下はここが気持ち良いのですね?」


 怪しげな会話が聞こえ恥ずかしくなってくる。そっとエレナと副隊長の様子を見てみれば真剣な顔で耳を押し付けていた。


 ハア--- エレナは何も思わないのか? 副隊長ならまだしもエレナが聞く内容じゃないだろうに---


 聞くのが辛くなって扉に耳をつけずよしかかった瞬間、ギィっと音を立てて扉が開いてしまいついバランスを崩してしまう。


 やばい---


 思った時には既に遅く、エレナと共に執務室へと雪崩れ込んでしまった。


「エレナ? ハロルドも一体どうした?」


 まずい! エレナに二人の淫らな姿を見せては行けないと体を起こしたがエレナを目を見開いて陛下の方を見つめている。


「そ、そんな----」


 エレナの反応に違和感を感じて視線を動かせば、ソファに寝そべる陛下とその上に跨るジーナの姿が見えた。しかし着衣の乱れは一切なく陛下の体には布がかけられている。


 どういう事だ? 何故布が?


「エレナ、何か急ぎの用事か?」


「父様こそ---- 何を?」


「今ジーナに腰をほぐして貰っているとこだ。こんな姿では何だな、ジーナ少し退いて貰えるか?」


「えっ、父様、私は大丈夫ですわ! 少しお話したくてハロルドについてきて貰っただけですの! 明日また父様の所へきますわね、それではお休みなさい!」


 直ぐさまエレナに手を引かれそのまま退室し扉を勢いよく閉める。


「まさかマッサージとは---- ベタ過ぎて笑えないわ」


「マッサージ? ベタ?」


「いえ何でもないの。ハロルド付き合わせてごめんなさい。部屋に戻りましょう? そういえば副隊長って何処にいったのかしら?」


 確かに! キョロキョロとエレナと共に副隊長の姿を探してみれば少し離れた柱からこちらを伺っている。


 ---- 流石というべきか---- あの時倒れずに逃げたんだな。


「殿下大丈夫でしたか?」


「副隊長そこにいたのね! 心配したじゃない! しかも私の勘違いだったわ、皆にも謝らないと」


「勘違いでしたか、それなら安心致しました」


「有難う! また皆を集めるからその時は宜しくね」


 エレナの部屋に行き二人でソファへとだらしなく座る。今日はもう歩きたくないな---- 何だか疲れたし眠くなってきた。


 エレナも同じ状態なのかユラユラと船を漕ぎ出す。このままソファで寝ては風邪を引くだろう。


 残る力を振り絞ってエレナを抱き上げるとそのままベットへと連れて行った。エレナの寝息が聞こえ俺ももう限界だ。


 元いたソファに倒れ込み意識が段々と遠ざかる。


 今日は一日疲れたな。それにしても腰をほぐして貰っているとか、夜にやるなよな----


 陛下とジーナの驚く顔が頭に浮かびつつ、俺は夢の中へと吸い込まれていった。




次回の番外編はハンナの話の予定です。


6月21日に更新します。


いつも読んで頂き感謝、夏が近づいてきますので体調には気をつけて過ごしていきましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。