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第5話 暁の影

夜は長く続いた。レイは眠らず、窓辺に座って月が雲の間をゆっくりと動いていくのを眺めていた。風が収まり、城は墓のように静まり返っていた。時折、夜警の足音で床板が軋むか、遠くで犬が遠吠えをするだけだった。


夜明け前、彼は立ち上がり、外套を羽織って中庭へ出た。執事は既に門のところで待っており、古びた毛布に包まれて震えていた。寒さではなく、緊張からだった。


「若様、隊の準備が整いました」


「人数は」


「二十三名です。東方隊の隊長が率います」


レイは執事のタイマーを一瞥した。


残り寿命:5年


数字は微動だにしない。


「よし。門を開けよ」


中庭は松明の灯りで薄暗く照らされていた。兵士たちは擦り切れた甲冑を身にまとい、槍や剣を手に二列に整列している。目の下に隈を作った者も多く、彼らも眠れなかったのだ。自分たちが戦場へ向かうことを知っていた。


レイは部隊の前へ歩み出た。タイマーを一瞥する。


何十年も生きる者もいれば、残り僅かな者もいる。タイマーが小さすぎる者を暗黙のうちに前列から外し、第三列に配置した。誰も異議を唱えなかった。誰も理由を問おうとしなかった。


「我々が向かう先を知っているな」とレイは言った。その声は低く、感情を感じさせない。「山賊だ。三十人。首魁は元兵士で、骨を鋼よりも硬くするスキルを持っている」


「任務は賊を追い散らすだけではない。首魁は生け捕りにしろ。尋問が必要だ」


誰かが咳払いをし、誰かが足を組み替えた。しばらくの沈黙の後、レイは静かに言葉を続けた。


「我々は影だ。影の騎士の力に相応しいことを証明してみせよ」


一瞬の静寂の後、あの赤毛の若い兵士が叫んだ。


「証明してみせる!」


「証明してみせる!」他の者たちも続いた。


レイは頷いた。


「出発する」


森は湿気と沈黙に包まれていた。道は細くなり、夜明け前の闇の中かすかに見えるだけの小道となった。兵士たちは黙って進み、甲冑の擦れる音と小枝を踏み砕く音だけが聞こえる。


レイは隊の中央を進んだ。前には隊長がいるが、後方でもなかった。彼は辺りを見回し、地形を記憶し、待ち伏せに適した場所を予測し、逆に警戒すべき場所を考えていた。


冷たく湿った空気。木々の向こうから梟の鳴き声が聞こえる。風が落ち葉を巻き上げ、兵士たちの足元に舞わせた。


「若様」と伝令が駆け寄った。『風脚』のスキルを持つ若者である。以前にも伝令を務めていた。「あと三キロで村です。守備隊は持ちこたえていますが、矢弾が尽きかけています」


彼のタイマーは五十三年を示していた。レイは頷いた。


「隊長に伝えよ。早めろ。救援に向かう」


伝令は頷き、闇に消えた。枝だけが揺れた。


一時間後、隊は林の縁に到着した。村は窪地にあり、煙に包まれていた。黒く、濃い煙。焦げた臭いが立ち込める。甘ったるく、吐き気を催す臭い。焼けた肉の臭いだとレイは知っていた。


家々は黒く焦げ、多くの屋根は崩れ落ちていた。門の前には死体が転がっていた。兵士ではなく、村人のものだった。ぼろぼろのシャツを着た老人、髪を振り乱した女、その胸に抱かれた幼子。


兵士の誰かが悪態をつき、誰かが顔を背けた。


「家の中を調べろ」とレイは命じた。「もし生存者がいたら助け出せ」


兵士たちが村中に散らばった。静寂の中、足音と甲冑の擦れる音だけが聞こえる。


「誰もいません」と隊長が数分後に報告した。「森へ逃げたようです」


「どちらへ」


「東へ。古い街道の方角です」


レイは考え込んだ。古い街道は待ち伏せに適した場所だ。道は低地を通り、両側は藪に覆われた丘になっている。賊がそこに潜み、待ち伏せしている可能性が高い。


「彼らはそこにいる」とレイは言った。「我々を待っている」


「どのようにしてご存じですか、若様」と隊長が尋ねた。


「タイマーだ。賊の中の一人の寿命が、健康な者にしては短すぎる。奴は病に冒されている。病に冒された者を、そうでなければ使い道のない待ち伏せに加えるものか」


隊長には理解できなかったが、異議は唱えなかった。彼はもう知っていた。レイに問いかけるのは無駄だと。


隊は街道へと進んだ。森はさらに深く、暗くなった。枝が頭上で絡み合い、ほとんど光を遮る生きた天蓋を作り出していた。腐葉土とキノコの匂いが漂う。


レイは黙って歩き、時折兵士たちのタイマーを確認した。誰かが震えていた。神経が限界に達している証拠だ。彼を前列から外し、隊の後方へ移動させた。


「若様」と呼びかけたのは、あの赤毛の若い兵士だった。あの叫び声を最初に上げた者だ。「ご自身はお戦いになるのですか」


「必要ならば」


「それでは、どうやってその時だと分かるのですか」


レイは彼を見つめた。冷たく、静かに。


「分かる」


待ち伏せは一時間後に見つかった。約二十人の賊が丘の上に潜み、藪や倒木に身を隠していた。暗闇の中で彼らのタイマーが輝いている。数十年単位の寿命を持つ者もいれば、指で数えられるほどしか残されていない者もいる。


レイは攻撃を命じず、包囲を命じた。


「私の合図を待て」


「どのような合図ですか」と隊長が尋ねた。


「首魁が罠に気づいた時だ」


彼は外套を脱ぎ、携帯していた掛け具に被せて藪の中に立てた。自らは脇の影へと退いた。


「若様、それは…」


「奴は私を狙う。指揮官を狙うものだ。しかし、私の代わりに奴を迎え撃つのはお前たちだ」


隊長は反論しようとしたが、口を噤んだ。


すべては彼の想定通りに進んだ。


賊たちは耐えきれず、「指揮官」に向かって突進してきた。包囲網に飛び込んだ。レイが合図を送る。三度の口笛。兵士たちが包囲を狭める。


戦闘は短く、残忍だった。レイは戦いに参加せず、丘の上から伝令を通じて指示を出した。味方と敵のタイマーを監視する。


味方の一人のタイマーが急激に縮んだ。


「三番、左へ。木の陰に隠れろ!」


兵士は戸惑いながらも従った。矢が目前をかすめ、幹に突き立った。


兵士のタイマーは元の数字に戻った。


別の兵士——あの赤毛の若者——のタイマーが数年縮まった。彼は攻撃がすぐそこまで迫っているのに気づいていない。レイが叫ぶ間もなく、斧を持った賊が振りかぶった。


しかし、赤毛の若者は自ら反応した。横に跳びのき、槍で斬りつけた。賊は倒れる。


若者のタイマーは元の数字に戻り、さらに数ヶ月伸びた。


首魁は生け捕りにされた。彼は「レイ」——外套を被せた掛け具——に向かって突進し、罠にかかった。網を被せられ、地面に叩きつけられた。


「な、なに…裏切り者め!」彼は喘ぎながら言った。


「裏切りではない。計算だ」


レイは首魁のタイマーを見た。


残り寿命:2年


すぐには死なない。誰に操られているのかを話す時間はある。


「縛って城へ送れ。村を調べ上げろ。賊から残されたものは全て没収しろ。武器、糧食、銀」


「承知しました、若様」


城へ戻ったのは夕方だった。兵士たちは疲れていたが、不平は漏らさなかった。多くは他の者の返り血で甲冑を汚していた。擦り傷や打撲はあったが、戦死者はいなかった。


執事が門のところで出迎えた。


「若様、ご無事で…」


「見ての通りだ」


「損害は」


「負傷者二名、戦死者なし」


執事は古い習慣で、胸の前で十字を切った。


レイは執務室へ向かい、机に座った。蝋燭の灯りは薄暗く、地図は以前と同じ場所に置かれていた。赤い斑点を見つめる。わずかながら減っていた。


大した減りではないが、減ってはいた。


彼はペンを手に取り、報告書を書き始めた。


外では夜が更け、風が窓を叩いていた。廊下のどこかで、兵士たちが奪い合うように騒いでいた。どこかで女の泣き声が聞こえた。あの村の未亡人だろう。


レイは気にしなかった。彼は書き続けた。



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