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47.符って言うか術って面倒くさいな

 最近は個人の修行として、まず混元功、注文があれば【錬丹術】、沙さんの店と好師匠の所で【厨術】、黄師姉の家と好師匠の家の花を育てて【農術】、余った時間で【符術】ってな割合で何だかんだ真面目に取り組んでいる。


何なら、寝てるとき以外は修行してるんじゃね?って位、頑張っていると思う。


そんな中、難物なのが【符術】だ。いや本当は術全般なんだろうが、特に意味が分からなくて苦戦している。


って言うのも、術者の解釈次第で結果が変わるって言うそれなのよ。


例えば木符なんだけども、植物を急速に育てる事が出来るのね。試しに隠れ家の花に使ったら、屋根の高さまで育ってくれちゃってさ。


それも茎が伸びるとかじゃないのよ。花全体が巨大化して、庭の一角を埋めちまった。


システムにこれどうなるのさ?って聞いてみたら、


〔大体三つだな。霊力が切れてこの大きさを維持できなくなって枯れるか、庭の他の花から霊力を奪って無理やり維持するか、地下深くまで根を張って何となくこのままか〕


つまり、一時的に自分の符の霊力を受けて、デカくなった挙句、時間で戻るものじゃないらしい。


ちなみに、今回は3っつ目のパターンだったらしく、庭の霊力がさらに増しました。


つまり、木符は現実にある植物に影響を与える効果だと思うじゃん?


何かイマジナリーな木も作り出せるんよ。ただこっちは完全に霊力で出来た木なので、時間経過で勝手に消えちゃう。


それ、これは一体何の木なのかな?って思ったんだけど、どうやら何となく自分の思い描く木であって、何の種類でもないらしい。


これが、木に詳しい人だと、好きな木を作り出せるそうなんだが、ここら辺がイメージ次第ってやつ。


うん、察しのいい人はこんな事を思うんじゃないかと、現実にある物体に影響を与えれば、それが現実として固定化するなら、錬金術みたいに、鉄から金を作り出せるんじゃないみたいな。


やってみましたが、失敗です。


って言うのも、原子が違うのに、それを変化させるなんてのは自分のイメージじゃ追い付かないからっぽい。


なので、鉄から炭素を抜いて鋼になるみたいなフワッとしたイメージはなんかフワッと成功させてしまった。


じゃあイマジナリー金と言えば、金色でやたら重くて柔らかい金属だが、本当に金なのか分からない。


そう、フワッとしたイメージはフワッとしたものが出来上がる。これが術の厄介な所だ。


でも不思議なんだよ。【錬丹術】になるといきなりレシピ通りに作らないと思った結果にならないっぽい。


どうやら材料からどの薬効を取り出して混ぜるかみたいなイメージをしてるらしいんだけども、その辺って自分の頭にぶち込まれた記憶から自然と引き出してるから、なんか、チート御免て気になるわ。


【厨術】は前の世界で食べた物のイメージをそのまま近い食材を使って再現してるだけだし、【農術】にいたっては、何となく綺麗に育てよと思った結果5色の花が咲いたらしい。


都合がいい事この上ない。でも誰もが自在に扱える訳じゃない。


ちなみに、この【符術】なんだけど本当に自分が使えるのは超基礎中の基礎っぽい。


って言うのも外苑のちょっとお高そうなお店に符箓が置いてあるという話を王お姉さんから聞いて、ちょっと行ってみた。


何なら王お姉さんが前に上げた服のお礼だからとか言って、連れて行ってくれた。


この人も見た目こそ地味だが、内門弟子でそれなりの収入のある身だし、外苑のお店にも顔がきく。


そこで色々見せてもらった符箓のまぁ複雑な事。


自分の符録ってあれよ?神代文字か甲骨文字みたいなのをどかっと真ん中に書くだけなんだから。


護符は流石に少し複雑なんだけども、それでも比べ物にならないんだよな。


しかもお値段もすっごい高い。オラびっくりしただ!


もうね、お上りさんよろしく口をあんぐり開けて、顎まで外れるかと思ったが、それもその筈、本来の符箓って言うのは祭壇とか供物を用意して、それこそ本当に術を封じ込める様な儀式らしいよ。


一枚描くのに丸一日かかるのが当たり前とか、そりゃあ高くもなりますよ。


ものは試しと自分の書いた符箓を自分で作った事は伏せて、お見せした所、それでも金の葉で取引されるレベルらしい。


金の葉一枚で100枚の黄札を買って、銀の葉を溶かした赤いインキで、ちょろっと数枚描くだけで結構なお金が手に入る。


が、今はダメだ。出所がバレルのが困る。


そこで、高いのは承知で一枚買ってみることにした。


「あまり高くないので、今後の修行の参考になるやつを一枚下さい」


と、素直に言ったところ人当たりのいい店員さんで、何枚か候補を見せてくれた。


うーん、全然分からん。


〔単純に一番価値があるのは右だが攻撃符なんてまだお前が扱うには危なすぎるし、無難に左から二番目にしておけ、その符は価値とは別にいいものだ〕


そうなの?


〔ああ、使わずとも持ってるだけで気運が集まってくるかなり筋のいい福符だ。どこぞの清廉な方士が描いたものだろう〕


修士じゃないの?


〔ああ、俗世で道教を修めてから登ってきた類だろう〕


……それ以外に仙人になろうって事あるの?


〔いや、お前もお前の周りもあくまで道教的修行で修為を上げてはいるが、本当に道を理解しているか?〕


あっ、いやよく考えたら全然分からないままだったわ。という訳でシステムの言うままお買い上げ、何か店員さんがニヤッと笑って、こっちの顔をよく見てくるんだけど、何かついてますか?

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