僕はスライム相手に無双した
スライム相手に無双する話の続きです。
ゲームオーバーになった僕たちはダンジョンのスタート地点に戻された。
あの闘技場だ。
グラッドが僕たちを見下ろしている。
「冒険者たちよ。ゲームオーバーになるとは情けない。しかも素っ裸とは」
グラッドが呆れたように声をかけてきた。
「うあっ」
「きゃっ」
僕たちは体を丸く縮こめた。
お互いに背中を向けてオプション画面を開く。
ゲームオーバーになっても、獲得したアイテムや経験値は失わない。
しかし、失ったアイテムは失ったままだ。
幸い、バックアップのアイテムは大量に持っている。
僕たちは再び武具を装備した。
このダンジョン内はファストトラベル禁止の仕様だ。
「またここからスタートか」
僕はため息をついた。
「大丈夫よハル。それだけ経験値とアイテムが手に入るから」
美崎はいつでも前向きだった。
再びダンジョンを突き進む僕たち。
ついに金属を溶かすスライムと服を溶かすスライムの集団を前にした。
「今度は脱がされないわ」
美崎はそう言うと杖を頭上に掲げた。
「ポリマーコート」
呪文が発動される。
「説明しよう。ポリマーコートとは、高分子樹脂皮膜が武器と防具を包み込み金属や繊維を溶解液から保護する魔法で有る」
だそうだ。
防御魔法ポリマーコートのおかげで僕たちは変態的なスライムの集団を難なく成敗出来た。
更にダンジョンの奥へ。
ついにキングスライムが現れた。
玉座の上に巨大なスライムが頭に王冠を乗せて座っている。
キングスライムは弾むように飛び上がると僕たちを押しつぶそうと、頭上から落ちてきた。
素早く飛び退く僕たち。
床に落ちて飛び散るキングスライム。
キングスライムは光となって消えて、後には大きな魔石が残された。
初見殺しの技だったようだが僕たちが上手く回避したので楽勝だった。
玉座の間を過ぎるとその先には、スライムのくせに光魔法を操るスライムエンペラー。
闇魔法を操るスライムロード。
二体同時に登場。
美崎の対魔魔法発動。
マジック無効化シールドで包まれた僕はスライム達の魔法が効かず二体まとめて始末した。
楽勝楽勝。僕はニカッと笑って親指を立てる。
グラッドの真似だ。
美崎は僕に薄ら笑い。
そしてついに僕たちは一階のボス部屋にやってきた。
何でも溶かすスライムの登場。
「うぁっ」
「きゃっ」
僕たちは跡形もなく消えてしまった。
GAMEOVER
ゲームオーバーになった僕たちはダンジョンのスタート地点に戻された。
グラッドが僕たちを見下ろしている。
「冒険者たちよ。ゲームオーバーになるとは情けない。しかも素っ裸とは」
「うあっ」
「きゃっ」
僕たちは体を丸く縮こめた。
お互いに背中を向けてオプション画面を開く。
ゲームオーバーの再スタートで体は戻ったけど装備は消えたままだ。
「何でも溶かす溶解液か……」
「厄介ね。でもねっ♪」
そう言うと美崎はニコッと微笑んだ。
「いよいよ新機能の出番よ」
美崎が声を弾ませた。
「そうか! いよいよリスポーンコントロールの出番か!」
「そうよ。リスポーンコントロールよ」
僕たちはニヤリとした。
「説明しよう。リスポーンコントロールとは敵味方区別なく好きなタイミングで好きな場所にリスポーンさせる反則技である」
この機能が反則かどうかはともかく、ゲームオーバーからの再スタートではなく、僕たちがリスポーンするのだ。
リスポーンならば武器や防御もそのままに復活する。
しかも僕たちのリスポーンは経験値や獲得アイテムがリセットされない。
ゲームオーバーからの再スタートよりも少しだけ良いのかなと納得するのはまだ早い。
好きなタイミングで好きな場所にリスポーン出来るのが強力なのだ。
僕たちはリスポーンのタイミングをゼロ時間。
リスポーン座標を相対距離ゼロメートルに設定した。
「よしっ、行こう」
僕たちはボス部屋目指して突進した。
音音:「先生、先生。何でも溶かす溶解液って強力なんですか?」
吉田先生:「はい。強力ですよ。存在するだけで空気も溶かしてしまうし、魔力すらも溶かしてしまうんですよ。すべてを飲み込むブラックホールと双璧です」
黒出流:「服だけ溶かす溶解液が可愛らしく思えるな」
坂田:「僕は何と言うモンスターを作ってしまったのだろうか」
黒宮:「これじゃ攻略不可能ね」
美崎:「そうでもないのよ」
春海:「僕たちには反則リスポーンがあるからね」
音音:「あっ、先輩。反則って言っちゃった。って……」
音音:「……あれっ、わたしも攻略出来る気がする。『スライムよ自分で自分を溶かしなさい』って歌で」
吉田先生:「そうですね。音音さんも攻略出来ますね」
生徒達:「反則だ。あのラスボス、反則だ。反則技のラスボスだ」
音音:「反則技のラスボスってもしかしてわたし」
グラッド:ニカッと笑って親指を立てる
音音:「わたしなの」 ガーン




