僕はスライム相手に無双する
ダンジョン攻略は、まずはスライム退治から。
グラッドが切り開いた通路の先は、オーソドックスな作りのダンジョンだった。
足元は石畳で敷き詰められ、四方は石の壁が続いている。
美崎が光球を前方に打ち出すと、先の方に幾つもの直角な曲がり角が闇から浮かび上がっては消えて行く。
僕はオプション画面を開いてマップを確認する。
今見えた範囲は通路が描かれていた。
オートマッピングがしっかりと機能している。
「よし。行こう」
僕たちがダンジョンを進み始めると、早速スライムが現れた。
レベル1のスライムだ。
僕はゴテコデと多すぎる装備を一旦解除して、武器をグレートソード一本にすると、両手で構えてスライムに振り下ろした。
ステイムが光の粒になって消えて、小さな魔石たけが残る。
「よしっ!」
僕は拳を振り上げた。
この調子で僕はスライムを倒し続けた。
初めは一匹ずつ現れていたスライムが、すぐに二匹同時に現れ、更に三匹同時に現れるようになった。
数が増えて行くスライムを僕は次々と倒しながら突き進む。
ついには数え切れない程のスライムの大群が押し寄せて来た。
「ここは私に任せて」
そう言って美崎が僕の前に立つ。
美崎は魔法の杖を両手で握りしめて持ち上げると真っ直ぐ足元の石畳に突き下ろした。
ガツンと言う音と共に、杖の底と床の間から、稲妻の様な青白い光が幾筋もスライムの大群に向かって走る。
「グランドエレキショット! 説明しよう。グランドエレキショットとは電流を敵の足元に走らせ、敵の動きを麻痺させる戦闘補助魔法である」
インフィニティの説明が入る。
しかも説明がバージョンアップしてる。
声が男性ナレーターそのものだ。
それらしさ更にアップ。流石我が子だ。僕と美崎は感動した。
美崎は杖をしまうと両腰から剣を抜き、痺れてうごけないスライムの大群に飛び込んだ。
素早い美崎の動きとミスリルの剣が作り出す銀色の筋がイルミネーションの如くスライムの大群を輝かせた。
スライム達が消えた後には大量の魔石の山が残される。
小さな魔石だが、これだけあれば嬉しい。
僕たちは順調にダンジョンを突き進む。
レベル2コボルド。更にコボルドの大群。
レベル3小オーク。小オークの大群。
どんどん魔石がたまって行く。
順調にダンジョンの奥へ進む僕たち。
すると今度は、服を溶かすスライムが現れた。
これを考えたのは黒出流先輩かも。
服を溶かすスライムはビュービューとピンク色の溶解液を僕たちに吹きかけてきた。
もし僕たちが聖職者のローブをまとってたら相当にやばかった。あっという間に素っ裸だ。
けど、金属製の防具を身につけている僕たちにこの攻撃は無意味だ。
難なくスライムを倒す。
倒したステイムからは服だけ溶かす魔法の薬をゲットだ。
この薬、使い道有るんだろうか?
金属を溶かすスライムが現れた。
スライムが溶解液を吹き出した。
これはやばい。武器も防具も台無しだ。
僕たちは皮の防具に着替えて棍棒や魔法の杖で迎え撃つ。
これも楽勝。金属を溶かす魔法の薬ゲット。
これは使えそうだ。
服を溶かすスライムと金属を溶かすスライムの集団がまとめて現れた。
スライム達が二種の溶解液を僕たちに浴びせてくる。
「うぁ!」
「きゃー」
鎧が溶けて服も溶けて!!
裸だ。僕たち裸になっちゃった。恥ずかしくて身動きが取れない。
身をかがめてまるまる僕たちをスライムの集団が飲み込んだ。
GAME OVER
吉田先生:「この石像ロボットは頭脳に自己学習プログラムが組み込まれています」
春海:「それって凄いんですか?」
吉田先生:「凄いですよ。人間らしさを自己学習します」
音音:「どんどん人間っぽくなるんですか!?」
吉田先生:「はい。自分がした行動を反省して、人間らしかったか点数を付けるんです。百点満点を目指してひたすら行動を改めます」
坂田:「人間らしくなるには何日かかるんですか?」
吉田先生:「あっという間です。実際の行動はせずに脳内で行動を空想しているんです。だがら超高速で行動が人間らしくなるようアップデートを繰り返しているのです」
美崎:「先生。実演して見せて下さい」
吉田先生:「良いですよ。グラッド、人間らしいことをして」
グラッド:ニカッと笑って、イイネと親指を立てる
生徒達:「これだけ……」 シラー
グラッド:「なんて事だ」
生徒達:「石像が悲嘆にくれてる?」
グラッド:「私がいれば二人の冒険者はGAMEOVERにならなかったのに。何しろ私は石だから。私がいさえすれば」
黒宮:「凄いわね。まともな事を言ってるわ。この石像」
黒出流:「いや、グラッドの助けが無くても勝てたはずだぜ。春海、美崎、お前たち何を恥ずかしがって縮こまってんだ。子供もいるんだろ。お前たちはいわゆる夫婦ってやつじゃないか。夫婦なんてもんは裸を見せ合ってなんぼのもんだ。素っ裸でも戦えよ。どうよ、俺もまともなこと言うだろう」
グラッド:ニカッと笑って、イイネと親指を立てる
春海&美崎:カァー (赤面)




