表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は自分の世界で無双する  作者: ウエンズディー・S・水田
行って帰りし物語りセカンドシーズン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/31

逸脱者は先輩か

憤怒状態の美崎が怖い事を言います。

 従者ABは口から泡を吹いて倒れている。そんな二人の姿を目の当たりにした悪徳領主は怒りに震えていた。

「この役立たずどもめ。あっさりと負けて。ならば私が相手よ」

 悪徳領主はサーベルに手をかける。

「女神ミサ。あなたのその服、全部切り刻んで身動き出来なくしてあげるわ」

 悪徳領主はサーベルのつかを力一杯つかんで、何度も引っ張る。が、しかし。

「ぬ、抜けない。なによこれ。抜けないわ」

 悪徳領主の腕がプルプル。サーベルが腰でガチャガチャ鳴っている。

「そのサーベル。もう抜けないよ」

 わたしはニコニコ。


「あなたの仕業なの! 何をしたのっ!!」

 悪徳領主の驚きは相当なもの。かなりあせってる。

「シレンティウムの服よ。あの服、接着剤だったの。覚えてる? 刀身が濡れていたでしょ」

「キィィィィー。なによそれ。訳が分からない」

 悪徳領主はサーベルを腰から外し、床に投げ捨てた。


「ならば見せてあげる。いででよ。神殺の魔剣」

 悪徳領主の手に太い剣形の光が現れると、見る見るうちに本物の剣に変わった。王様が持っていそうな仰々しい諸刃の剣だった。

「あのお方から特別に頂いた剣よ。空間ごと神すらも切り裂く最強の魔剣。覚悟なさい」

 確かにこれは優れたアイテム。レベル60相当の攻撃力を持ち主に与える。このエリアで出現する物じゃ無い。

「正しくは、ポリゴンごと切る剣だけどね」

 わたしが説明してあげると悪徳領主は

     ・ ・ ・ ?

 な表情。


「ところで、その剣の名前なんて言うの? このあいだ解析したんだけど、名前が出てこなくて」

 これ、ほんとの話し。

「何をさっきから意味の分からないことを。良いわ、教えてあげる。この剣の名前は、魔剣バスカビル」

「ボツ」

 わたしが言うと剣がパリンと砕け散った。

「だめ! そんな名前マジで本当にあったわ。しかも名前が誤変換ぽい」

「な、何なの。いったい何の話しをしてるのよ。ボツってなんなのよ」

 悪徳領主は完全に腰が引けている。

「先輩が変なアイデアを出してわたしがボツる。先輩とわたしはそんな関係。この因果が世界に反映されてるのよ」


 悪徳領主は

     ・ ・ ・ ?


 こんなやりとりしててもこれ以上話に進展が無いわ。

 わたしはオプション画面を開くとバーバリアンをON。オプション画面を閉じるとわたしは一気にバーバリアン。憤怒の闘気が全身からメラメラと赤く揺らめき立つ。

 自分が物凄く殺気立っているのを感じる。


「何なの突然。この威圧感。この殺気。こ、これは。私、殺される。ヒッ、ヒィィィー」

 全身の毛が逆立つほどの殺気を感じ、悪徳領主が恐れおののいて後ずさる。

「メ、女神じゃないわ。ア、あんた悪魔よ」

 怖がってる、怖がってる♪


「もういいわ。さあ、教えるのよ。あなたの言う、あのお方とは誰なの! 名前は何というの」

 わたしは悪徳領主に詰め寄った。

「言えない。言えるわけ無いわ。あのお方の名前なんて」

「あら、そうなの」

 わたしは脅しにかかる。

「ならばわたしの拳をその細い体に叩き込もうかしら。あなたの内臓ぐちゃぐちゃね。でも安心して。死ぬ前に不死の呪文をかけてあげる。痛みや苦しみはそのままにね。あなたはそれでもわたしの質問を拒むのかしら。そしたら更に力を込めてもう一度叩き込むわ。そしたらあなたの体は風船みたいに弾け飛ぶの。首だけが床に転がるわ。わたしはあなたの頭を拾い上げてもう一度名前を尋ねるの。あなたはさすがに名前を言う気になるかもね。でも手遅れ。だってあなた首から下がないんですもの。気道も無ければ肺もない。そんなあなたは声を出せないわ。腹をたてた私はあなたの頭を両側からひねり潰すの。こんな具合に」

 わたしは悪徳領主の顔の前に両手を突き出すと、目の前でゆっくりとひねり込むように、両方の手の平を合わせるように閉じていった。

 そんなわたしのジェスチャーを見て、悪徳領主の頭には、自分の頭がひねり潰されている光景が映し出されているだろう。

 血の気が失せた顔から更に血の気が引けて、くちびるまで真っ青になってゆく。


「ヒッ、ヒィィィーお、お助けを。言います。言います。言いますから許して」

 悪徳領主は涙を流しながら懇願する。

 もう良いでしょう。わたしはオプション画面を開いてバーバリアンをOFFにした。

 だってこれ以上憤怒状態を続けていたら、いま言ったこと本当にやりかねないもの。

 ついでに加速と身体強化も解除して、わたしは普通の修道女に戻りオプション画面を閉じた。


「言います。言います。あのお方の名はボルデモ」

 ポコッ。

 わたしは悪徳領主の胸元を手のひらで軽く叩いた。

 だって今、悪徳領主、変なことを言おうとしたもの。

「グハッ。胸が、内臓が。グハァァァー」

 悪徳領主は大げさに苦しむ。何だろこの人。軽くポンって触れたていどで。何ともないのに。

「ふざけないで。あのお方の名は何というの」

「だ、だから、ボ○デモ〇ト」

 あっ、言っちゃった。マジに実在するファンタジー小説の登場人物を、創作物のこのゲームの中に出しちゃった。

「だめじっやない」

 わたしは悪徳領主の肩をペシッと叩く。

「グァァァァァァー」

 悪徳領主は床に倒れて転げ回る。

「ああぁ、目の前に床が。転がってる。首よ、首が。私の首が。床を転げてる。グッウァァァァ」

 悪徳領主は床を更に激しく転げ回る。まるで、自分の首が床に転がってしまったかのような騒ぎよう。

 この人、恐怖でおかしくなっちやったのかしら。

 ただ床を転げ回ってるだけじゃない。


 わたしは腕組みをして悪徳領主を見下ろす。

「ヒィィィー。言えない。言えない。言っちっやだめなのよ」

 言えないって。もしかして本当にそう言うことだったの。なんだか納得しちゃった。

「あ、頭を、頭を潰される。あぁぁ」

 そう言うと悪徳領主は懐から隠し持ってたアイテム、隠し玉を取り出して床に置く。八センチほどの金色の玉。逸脱者をここに来させる事が出来る転送アイテム。なんだか色が気に入らない。

「お、お助け下さいわがマスターよ。この場においでください。この世のことわりを逸脱したそのお力でお救いくださいませ」

 そこまで言うと悪徳領主はポコッと口から泡を吹いて気を失ってしまった。


 隠し玉が輝いて消えると、かわってそこに魔法陣が現れた。

 なんだか上手く行ったみたい。これで逸脱者をここに呼び寄せられる。

 わたしは魔法陣から少し離れて様子を見る。

 本当に先輩が現れるのかしら。


 魔法陣がひときわ輝くと、そこに大きな生き物が現れた。

 先輩じゃない。

 背の高さは二メートル程。がっちりした身体。服装は銀色のつなぎ……。

 そして、、、その顔は異形の物だった。

 イカとタコを合わせたような頭。目は死んだイカやタコのそれ。顔の下には十五、六本あるであろう吸盤の付いた触手がうごめいていた。

 こんなキャラ、SFファンタジーで見かけたことはあるけれど、わたし達のゲームには無い。

 きもい、きもすぎる。


「我々は集合無意識。インスマスのクルウルウ。この世界はお前が望まぬ描写・表現が存在する世界に改変した。さあ、この世界を拒絶せよ。拒絶して世界を消滅させよ。世界を消滅させて我々をこの世界から解放せよ」

 この変な生き物は直接わたしの頭に話しかけてきた。

 きもい、きもい。きもすぎるんだけど。

「キャー」

 わたしはあまりのきもさに悲鳴をあげた。


 そのとたん、空中に、憤怒状態のバーバリアン春海君が現れた。

「僕の妻に何をする。身体強化×10の三乗掛け。更に上乗せ効果で加速×10の三乗掛け。攻撃力ならばレベル1億超え相当。原子核ごと消し飛べ。このイカタコやろう。食らえっ! 対消滅パーンチ!!」


 あっ、今はまだだめなの。まだなにも分かってない。消し飛ばしちゃだめ。

「やめてー」

 わたしは叫んだ。

クリスティーナ・エンジェル・吉田先生の捻れた時空講座 雑談編


吉田先生:「このお話、インスマス星人はゲームの中にエロ要素を入れて、美崎さんにボツにさせることでゲーム世界を破壊しようとしていましたね。

 この稚拙な考えは、黒出流君の影響を色濃く受けていた結果でした」

黒出流:ガーン

吉田先生:「この章のお話もいよいよ大詰めです。次の章のテーマはズバリ音楽ですよ。皆さんどんなストーリーを期待してますか?」

美崎:「ハイ、先生。わたしと春海君が子供にキャラ変して、インフィニットちゃんと三兄姉になって、一緒に音楽学校で学園生活です」

吉田先生:「良いわね。実は学園に悪が潜んでいてそれを暴くなんて展開もありそうね」

春海:「それならば三兄姉は、実は学園に潜入して調査していたとか。どうですか」

吉田先生:「それ、良いわね。あと、かりそめの家族として両親役もほしいわね」

美崎:「ならやっぱり黒宮先輩と光先輩かな」

黒宮:「私、光と夫婦役なんてお断りよ」

黒出流:ガーン

春海:「だとすると、音音と龍王?」

吉田先生:「いずれにしても、まだストーリーに登場していないから無理ね」

黒出流:「潜入捜査ならばこんなのどうかな。僕がグラビスやレビスみたいな女の子達を連れて、サーカス団の団長として音楽の町に潜入するのは。表向きはサーカス団。その実態は巨悪を暴く使命をおびたエージェント」

吉田先生:「兵団長達があなたについて行く事は無さそうね」

黒出流:ガーン

音音:「わたし、音楽の町でアイドル活動したい。兵団長のみんなとユニットを形成するの。グラビスはハードロック担当。エレキギターをかき鳴らしながら、頭を激しく振るの」

吉田先生:「グラビスは狼だから映えるわね。でも、兵団長達がアイドルになるかしら」

美崎:「先生はどんなストーリーを期待してますか?」

吉田先生:「私は音楽の町で年末恒例の大合唱をするの。皆で融和の喜びを歌いあげるの。その歌声に感動した悪は心が浄化されて皆と仲良くなるの」

春海:「ゲームの中で暮れのあの合唱が流れるのって。しかも歌声が悪の心を溶かしました的な展開って。みんな引きそうな予感しか」

黒宮:「一番無さそうなストーリーね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ