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僕は自分の世界で無双する  作者: ウエンズディー・S・水田
行って帰りし物語りセカンドシーズン

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22/31

悪徳トリオは無双する

悪役が無双するなんて……な、お話しです。

 町の城壁は従者Aの振るう矛盾の籠手で吹き飛んだ。大穴が空き、悪徳トリオがゆうゆうと町に入って来る。


「だれでぃ。町の壁に大穴あけた奴はぁ」

 ぞろぞろと集まって来たのは同じ顔したねじり鉢巻きに半被はっぴ姿の男たち。

「野郎ども。穴を塞ぎやがれい」

「へい。親方」

 威勢のいい男たちが穴に群がり左官屋さかんや姿で穴を埋めて行く。


「キィィィ~。なんなのこの男たち。めざわりよ。やっておしまい」

 足をバタバタ地団駄踏んでキンキン声のうざい領主が命令する。

「ウォリャー」

 従者Aが町人ちょうにん達に腕を一振り。

 ブオンッ!

 いっぺんに10人くらいが吹っ飛んだ。結構優秀なマジックアイテムかも。


「ホッホッホッ」

 悪徳領主がほくそ笑んでると更に町人がわらわらと集まってくる。

「どうしたどうした」

「喧嘩だ、喧嘩だ」

「なぁにぃ~。喧嘩だぁ~。上等でぃ。こちとら町っ子でぃ。火事と喧嘩は町の華でぃ~」

 そのかず数百人。みんな同じ顔、同じ姿の男たち。これはかなりむさ苦しい。悪徳トリオも相当いやそう。


「キィィィィィィ~。うざいわうざいわ! なんなのこれは。コテンパンに吹き飛ばしておやり」

「イ、イエッサ」

 従者Aが腕を激しく振り回しながら町人の固まりの中を突進する。

「ウォオォ」

 従者Aの頭の中はきっと空っぽ。

 ドーン ドーン ドーン

 町人たちの固まりが宙を飛ぶ。まるで、戦国の無双系ゲームみたい。

 そこへますます集まる町人たち。


「キィィィ。従者B、あんたさっきからぼーっと突っ立ってないで。あんたも働きなさい!」

「アイアイサー」

 従者Bはフどころから小さなシールドを出す。あらゆる攻撃を弾き返してしまうマジックアイテム。矛盾の盾だった。

「それっ、展開」

 盾が生み出す光のドームが悪徳トリオの周囲に展開。一気の展開で町人たちを吹き飛ばす。

 吹き飛ばされた町人たちはバラバラと地面に散乱して、

「いてーじゃねーかいかこんちくしょう」と口々に言う。


 そこに、高さ三メートル程もある巨大な甲冑がシャキーン、シャキーンと歩いてきた。

「町の人たち。もう良いわよ。ここは私が引き受けるわ」

 町人たちが波を引くようにサーッと去って行く。


「その声。甲冑の中は女ね。あんた誰よ」

 いかにも女好きな悪徳領主は興味をそそられたよう。

「私は魔動兵団長ウルルスのそっくりさんウルウルス」

 背中から二本の大きな剣を抜いて構える。


 従者Bがキョロキョロしてる。

「あの、領主様。壁の穴がふさがれてます」

 悪徳領主があごひげをしごきながら当たりを見回して、ニヤリとする。


「ふぅ一ん。なるほどそういう事ね。分かったわ。私を閉じこた気ね。

 この町並みもきっと作り物。ダミーの町に私をおびき寄せて罠にはめたつもりかしら。

 ホッホッホッ。浅はかね。」

 悪徳領主は頭悪そうだけど悪知恵が働くからこう言うことには敏感みたい。


「どうして私が来ることを知ったのか知らないけどまあいいわ」

 悪徳領主はにやりとする。

「ウルウルスって言ったわね。その鉄のかたまりをひんむいて中身をおがませてもらいましょう。さあ、従者A、従者B。やっておしまい!」

「ウッス」

 従者AとBがウルウルスの前に進み出た。

実は悪徳領主は黒幕の「あのお方」から、三人で密かに町の女神を拉致してこいと命じられていたんだけど、かまわずこの大騒ぎ。

頭悪すぎです。

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