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僕は自分の世界で無双する  作者: ウエンズディー・S・水田
行って帰りし物語りセカンドシーズン

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16/31

僕は再びミニリスと旅をする

 再び西方開拓に向かう主人公は、新たな適の存在を感じているお話です。

「と言う訳なんだよ」

 ファストトラベルで街に戻った僕は、コントロールセンターで美崎達に事のいきさつを説明していた。

「申し訳ありません。僕の不注意で」

 ミニリスは平謝りだった。

「ミニリスちゃん。そんなに謝らないで。これはちょっとした事故なんだから」

「そうだよミニリス。今回は僕の判断ミスだよ。次は無理せずしっかりと道を歩いて行こう」

 僕達は皆でミニリスを慰めた。

「所で、ミニリスをファストトラベルさせられないの?」

 僕はたどり着いた台地の近くまでファストトラベルで戻れるけれど、ミニリスは出来ない。そこを何とか出来れば……。

「それが無理なのよ。たとえフィニットちゃんでも」

 無限の可能性を持つ我が子でも無理なのか。

「手書きのままの基本設計書が机に置いたままだからよ」

 美崎が状況を説明してくれた。

 このゲーム世界も元の世界も実在する。ここ数年で分かって来たことだった。

 僕がこのゲームの構想を考え始めた時、手元のノートに基本的なアイデアを書き出したのだった。僕はパソコンに打ち込むよりも手書きをしながら考える方がアイデアがわきやすかったからだ。

 後で清書をかねて、パソコンに打ち込もつもりだったけれど、やらずにほっぽらかしのままだった。

 そこに書かれていた内容の一つが『ゲームプレイヤーだけがファストトラベル可能』だった。

 このゲーム世界と元の世界とは不思議な階層レイヤーが組み合わさり絡み合っている。

 僕が元の世界に戻ってノートを都合良く書き変えるか、若しくは、そのままパソコンに内容を打ち込みさえすれば良いのだが、そんな事が出来るのならば、そもそも何の苦労もない。

「紙に書かれた内容を書き変えるなんて、どんなに凄いハッカーでも無理よね。せめてパソコンの中に電子化した文書として保存してあれば、いくらだって改ざん可能だったんだけど」

 美崎はそう言った。僕達は自分で自分達のゲーム世界をハッキングして改ざんしてるようなものなんだ。

「ごめん。僕が後回しにしたせいでこんな面倒な事に」

「ううん。あやまることないよ。こんな風になるなんて、誰も予想出来ないもの」

 結局僕は再びミニリスと旅をやり直す事にした。


「それとねハル。ゲームが大きく動き出したの」

「ゲームが動き出したってどう言う事?」

「ここからは、チャットちゃんに説明をお願いするね。フィニットちゃん。チャットちゃんに変身して」

「はーい」

 インフィニティの姿がチャットAIPの姿に変わる。

「お久しぶりですねハル様」

 僕がチャットと話しをするのはあの悶絶泣いて土下座事件以来だ。あまり良い思い出の再会では無かった。

「あ、あぁ。久しぶり。僕に何か説明をしてくれるんだって?」

「はい。その通りです」

 チャットは空間に映し出された、大きなワールドマップの前に立ち、説明を始めた。

「春海君は今までゲームのスタート地点に近いこの街から殆ど動いていませんでした。でも今回、この様に西に旅をしました」

 マップに僕達の歩みを示す光跡が現れた。

「そして西に向かう事はゲームを進める事なのです。その結果イベントフラグが立ちました」

 歩んだ先の更に北西に描かれた町が光の線で囲まれた。

「これは領主の住む町ですな」

 僕の横に立っていた総司令官インペラが威厳のある声で指摘した。

「はい。その通りです。あの悪徳領主の町です」

 チャットがうなずく。

「悪徳領主か。僕達の敵だな」

 僕はつぶやいた。ゲーム序盤に現れる敵。それが悪徳領主。そう言えば名前を付けてなかったな……。

「このフラグ。つまりですね。悪徳領主がこの街の発展に目を付けたと言う事です」

 なるほどと僕は思った。確かに街の発展は凄まじい。それが領主の目にとまる。あり得る事だ。

「彼はいずれ仲間を引き連れてこの街を訪れるでしょう。良からぬ事を企んで」

 あれっ? 僕はゲームデザイナー視点で違和感を覚えた。

「そう言えば、ストーリーとしておかしくない。人の行き来が途絶えてるんだから領主がこの街の発展を知ることはあり得ないはずだよ」

「そこなのよ。チャットちゃんが言うには、悪徳領主の元に変なマジックアイテムが供給されてるらしいの」

 そう言う美崎は内心とても楽しそうだ。イベント発動にワクワクしているに違いない。

「変なマジックアイテム!?」

「そうなのです。解析の結果ですが、例えばですね、千里を見通す水晶玉とか」

「それってボスクラスが持つアイテムだ。そんなのゲーム序盤の普通の領主が持ってるはずがない」

「なるほど。裏で何者かが糸を引いているのかも知れませんな」

 インペラが引き継いで言う。

「ねえハル。もしかしたら逸脱者って一人だけじゃないかも」

 美崎の言葉を聞いた僕は何か思い当たる気がした。マジックアイテム……。ゲーム世界の。ゲームアイテム……。

「まさか黒光り先輩」

 僕はつぶやいた。黒光り先輩こと黒出流クロイズル ヒカリ先輩はゲームアイテム担当だ。

「ハルもやっぱりそう思う? たぶんだけど、このイベントを進めると何か見えてくる気がするの。アイテム名が変だったり、イベントにエロ要素が入ってたら、きっと黒光り先輩が関係してると思うの」

 ひかり先輩はゲームにやたらとエロ要素を入れたがるだけでなく、アイテム名にもやたらと変な名前を付けたがる癖があった。

「私も解析を進めますので春海君は旅を進めて下さい。イベントも進みますので」

 チャットはそう言った。

「街に悪徳領主が来たらどうするの?」

 僕は少し気になって美崎に聞いた。

「ばんたんの準備をして丁重にお迎えするの。イベントを楽しまなくっちゃ」

 美崎は嬉しそうだ。


 こうして僕達は悪徳領主の動向を探りながら西方開拓を進める事になった。


 数日後、再び準備を整えた僕はミニリスと共に西門の前に立っていた。

「さあ、行こうかミニリス」

「はい。お供しますハル様」

 僕達は再び西に向かって歩き出した。

 異世界転生する前に春海達が住んでいた街は首都圏から川を挟んだ隣のエリア。

 近くには外資系巨大アミューズメントパーク、その名も、ホボ(トー)ランドや可愛らしいチンパンジー、その名もキック君がくらす動物園があります。

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