誤答
血が
血が
血が
声が出ない
何も見えない
いや、違う、痛みで体が機能していないのだ。
心臓が、心臓が、心臓が、心臓が、心臓が
失ったものから、血があふれ出る。命がこぼれる。
しかし、契約者であるが故か、意識はあった。
不正解その言葉が、切り返し再生される。
くそ、ああ、自分はクソ野郎だ。
うすうす、感じていたはずだ。知っていたはずだ。わかっていたはずだ。
彼が虐殺が起こしたのではなく、軍との衝突で起こったことだと。
なぜ彼が血を、自傷的な行いによって起こる力を、望んでいたのかを。
血というだけで、人の死を流血を望んでいると思い込もうとした。
言ってたじゃないか、死にたいんだって。
生きることが、辛いんだと。
大事な人の死から来る絶望。
自分は妹。
彼は、妻と子供。
彼の感情はわかる...いや、わからないだろう。
絶望はお互いにしたが、それでもその絶望の深さは二人とも分かり合えない。
ここでどちらが不幸か、なんて決められるわけがない。
どれだけ、彼がつらかったかなんて僕にはわからない。
神は、白石に願いを叶えると言った、神人の殺害を対価に。
だから、彼は契約を結んだ。
イザベラに会いたかったから...いやきっと...
幼くして死んだ彼女に、幸せになってほしかったからだ。
僕は、それに気づいて、殺せないことに気づいた。
殺意を持てなくなったから、気づかないように噓を叫んだんだ。
「正解です」




