第88話 商会設立と王都への道
皇帝とオーダが帰った翌日。太郎はギルドの執務室で机に突っ伏していた。
太郎「……昨日の視察で寿命10年は縮んだわ……」
後ろからオカンが肩を叩く。
オカン「太郎、寿命縮んでもええけど、背ぇ丸まっとるで。猫背は運気逃げるんや」
太郎「今は運気より休息が欲しい……」
そこへ蒼真と辺境伯が入ってきた。
蒼真「太郎、昨日の“個別会談”の内容、覚えとるか?」
太郎「ああ……皇帝から“商会作って帝国に支店出せ”って言われたやつやろ。で、どうすればええん?」
辺境伯が書類を広げる。
辺境伯「商会を正式に立ち上げるには中央商業ギルドで登録が必要だ。登録料は金貨千枚。王都で申請せねばならぬ」
太郎は顔をしかめた。
太郎「中央商業ギルド……嫌な思い出しかないんやけど……」
蒼真が苦笑する。
蒼真「そらそうや。中央から派遣されたギルド長に嫌がらせされて、最終的に追放したんやからな」
オカン「せやせや。あのギルド長、うちの太郎にケチつけよって。追放されて当然や」
太郎「オカン、声デカいって……」
辺境伯が太郎の肩に手を置く。
辺境伯「安心せよ。太郎殿の功績は王都でも知られている。私が事前に話を通しておく」
太郎は少しだけ肩の力を抜いた。
ふと、太郎は思い出した。
太郎「そういや……小麦相場で破滅したサカイって、どうなったん?」
辺境伯の表情が曇る。
辺境伯「……ビリケーン教と深く繋がっていた男だ。破滅後、行方不明になっている。王都でも警戒されている」
オカン「悪いことしたら、どっかでしっぺ返し来るもんや。小豆相場の件一生忘れへんで」
太郎は胸に嫌な予感を覚えた。
蒼真が話題を変えるように言う。
蒼真「太郎、途中まで魔道列車の試運転に乗せてもらえるで。線路は王都の中間くらいまで伸びとる」
太郎「マジで!? 歩かんでええんか……助かるわ……」
オカン「列車ええなぁ。うちも乗りたいわ」
そこへ、当然のように三人が現れた。
コハクが一歩前に出る。
コハク「太郎様。うち、もちろんご一緒させてもらいますえ。婚約者がそばにおらんなんて、ありえしまへんやろ?」
太郎は盛大にむせた。
太郎「いや、婚約者ちゃうて!!!」
マッチャが静かに続く。
マッチャ「殿下(=コハク)のおそばに仕える側近として、うちも同行させてもらいますえ。太郎はんのことも、しっかり見届けんとあきまへんし」
太郎はさらに固まる。
太郎「なんで俺、見届けられなあかん流れになってんねん……?」
ユラが微笑む。
ユラ「太郎さん、商会のことやったら、うち手助けできますえ。王都の手続き、慣れてますさかい」
太郎は頭を抱えた。
太郎「いや、なんで全員来る前提で話進んでんの……?」
三人は同時に、しれっと言う。
三人「そら、太郎さんのためどす」
太郎は完全に固まった。
太郎「……なんやこれ……うち、いつから“京都の姫さん三人に囲まれる主人公”になったんや……?」
後ろからオカンがぽそっと言う。
オカン「太郎、若いってええなぁ。うちも昔はようモテたで」
太郎「オカンの昔話はええねん!!!」
魔道列車の試運転が始まり、太郎たちは乗り込む。街の住民が見送りに来ていた。
子どもたち「ヒョウガミの兄ちゃん、いってらっしゃーい!」
オカンが手を振る。
オカン「太郎、気ぃつけて行きや! 帰ってきたら晩ご飯作ったる!」
太郎は少し照れながら手を振り返す。
太郎「……なんか普通に嬉しいわ」
列車はゆっくりと動き出した。
太郎(……王都で何が待ってるんやろ……)
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オカン「太郎! 列車乗るんやろ? ほな全員分の駅弁20個買うてきたで!」
太郎「誰がそんな食うねん!!!」
晴斗「オカンさん、僕の分……あ、もう手に持たされてる」
蒼真「太郎、覚悟しとけ。列車動いた瞬間、オカンのテンション跳ね上がるで」
玲奈「……すでに跳ね上がってる気がします」
ひより「太郎さん、がんばってください……(祈)」
コハク「太郎様、うちも同行しますえ。婚約者が離れるなんて??」
太郎「婚約者ちゃうて言うてるやろ!!!」
マッチャ「殿下のおそばに仕える側近として、うちも行きますえ」
ユラ「商会の手続きは任せてください。書類は全部持ってきました」
辺境伯「……なぜ私まで駅弁を渡されているのだ?」
スイター「太郎殿、これは……“ヒョウガミ味”とは何味なのだ?」
オカン「特製や! 食べたら王都まで元気モリモリやで!」
太郎「オカン!! 全員に爆弾みたいな弁当配るな!!!」
読んでくれてほんまおおきに。オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と言ってます
もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。




