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異世界でオカン(AI)がうるさい 〜追放された俺、最適化されて最強になる〜  作者: トレス=レイ
第三章 キョウ帝国編

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第87話 ダメダメ見ちゃダメ 非常識な街の視察

翌朝。

太郎はまだ胃の痛みを引きずりながら、皇帝・オーダ・スイターを街の入口で迎えた。


視察が始まると、道の両脇にはすでに大勢の住民が集まっていた。

子どもたちが手を振りながら叫ぶ。


子どもたち「ヒョウガミの兄ちゃん、がんばれー!」


太郎は思わず笑って手を振り返す。


太郎「お、おう……みんな元気やな……」


その横でオカンも手を振っていた。


オカン「ほら太郎、背ぇ伸ばし! 猫背やと神様に見えへんで!」


太郎「神様ちゃうわ!!」


皇帝はその様子を見て、静かに言った。


皇帝「……太郎殿。街の者に、よく慕われているのだな」


オーダも感心したように頷く。


オーダ「活気がある。民の顔が明るい街は、そう多くない」


スイターは子どもたちに囲まれ、照れながら手を振っていた。


商店街に入ると、皇帝とオーダは足を止めた。


見たこともない商品が並んでいる。

ガラス瓶のジュース、乾燥パスタ、缶詰、石鹸、紙製品、そして謎の調味料。


皇帝「……これは……帝国にもない品だな」

オーダ「保存食か? いや、用途が分からぬ物も多いな」


オカンは胸を張る。


オカン「全部うちの街の名物や! 買うてってや!」


太郎「オカン、商売すな」


太郎は苦笑いする。


太郎「ええと……説明すると長なるんで……また後日で……」


職人街に入ると、魔道具工房が目に入った。

若い職人たちが魔石を加工し、光るランプや冷却箱を作っている。


皇帝「魔道具……しかも量産体制か。驚いたな」

オーダ「技術の進歩が早すぎる。職人の教育はどうしている?」


太郎「え、えーと……学校で学んで……現場で実践……」


皇帝は目を見開く。


皇帝「平民が学校に行っているのか! 見習う必要ありそうだな」


オカンが横から口を挟む。


オカン「うちの子らは賢いで。太郎以外は」


太郎「なんで俺だけ除外やねん!」


さらに進むと、学校、演劇場、図書館、銀行、

そして──巨大な建物が目に入った。


オーダ「……ヒョウガミギルド?」


太郎「冒険者ギルドと商業ギルドを合体させたやつです。不正が多かったので立ち上げました」


皇帝は興味深そうに建物を見上げる。


皇帝「……太郎殿。そなたは既存の権力に臆さず物事を進めておるのだな?」


太郎「い、いや、そんな大層な……」


オカンが太郎の背中を叩く。


オカン「もっと胸張り! うちの息子はやる時はやる子や!」


太郎「やめてくれ恥ずかしい!!」


そして──

視界に入ってしまった。


ヒョウガミ神殿。


太郎は青ざめる。


太郎(やばい……ひよりが……!)


案の定、ひよりは胸に手を当て、突然語り出した。


ひより「ヒョウガミ様は──慈悲深く、清らかで、

この街を導き、恵みをもたらし──」


太郎は慌てて止めようとする。


太郎「ひ、ひより!? やめとけって!」


しかし、ひよりは完全にスイッチが入っていた。


ひより「その御心は海より深く、山より高く──」


オカンが小声で言う。


オカン「ひよりちゃん、熱入っとるなぁ……」


皇帝がゆっくりと辺境伯へ視線を向ける。


皇帝「……王国はビリケーン教が国教と聞いているのだが。

構わないのか、辺境伯殿?」


辺境伯は汗をだらだら流しながら口ごもる。


辺境伯「そ、それは……その……あの……」


その時、スイターが一歩前に出て、はっきりと言った。


スイター「ビリケーン教が悪いことをしたので……ぼ、ぼく……他の宗教も認めることにしました……!」


皇帝は少し驚いたように目を細める。


皇帝「王太子自らの判断か。勇気ある決断だ」


オーダも頷く。


オーダ「宗教は民の心を支えるもの。選択肢が増えるのは悪くない」


皇帝はふと、太郎の“肩のあたり”に視線を向けた。


そこには──

ヒョウ柄の服を着たオカンが、腕を組んで立っていた。


皇帝「……太郎殿のそばにいる、その者が……ヒョウガミなのか?」


太郎は全力で否定した。


太郎「ちがいます!! 絶対ちがいます!!!」


オカンは鼻で笑った。


オカン「誰が神様やねん。うちはただのオカンや。せいぜい“ヒョウガミのオカン”や」


太郎「それも違う!!!」


ひよりは真っ赤になって叫ぶ。


ひより「ヒョウガミ様はそんな軽い存在じゃありません!!!」


オーダが吹き出しそうになりながら言う。


オーダ「はは……そなたら、見ていて飽きぬな」


太郎は頭を抱えた。


太郎(……頼むから宗教問題で国際問題起こさんといて……)


倉庫街に入ると、皇帝とオーダは目を見開いた。

そこには、山のように積まれた穀物袋が並んでいた。


皇帝「……太郎殿。街の外の畑だけでは、この量は作れまい」

オーダ「どこで生産している?」


太郎は冷や汗を流す。


太郎「え、えーと……その……」


オカンが小声で言う。


オカン「太郎、嘘つくなら筋通しときや」


太郎「嘘つく前提で話すな!!」


(言えるか! ダンジョン産やなんて!)


その時──


倉庫の奥から学生たちが現れた。

軽トラ型ゴーレムが大量の小麦袋を運んでいる。


学生A「ふぅー! 今日のダンジョン収穫、これで最後や!」

学生B「小麦重いー! あ、太郎様。今日の収穫終わりました!」


太郎は顔面蒼白。


太郎「お、おまえらぁぁぁぁぁ!!!」


皇帝とオーダが同時に振り向く。


皇帝「……ダンジョン?」

オーダ「収穫……?」


太郎は土下座しそうな勢いで叫ぶ。


太郎「す、すんません! ダンジョンだけは! ダンジョンだけは勘弁してください!!!」


オカンが肩を叩く。


オカン「ほら太郎、土下座するなら背筋伸ばし!」


太郎「黙っといて!!!」


皇帝はため息をつき、オーダは苦笑した。


皇帝「……よかろう。深入りはせぬ」

オーダ「命の危険があるのだろう。無理に見せろとは言わぬ」


太郎は地面に崩れ落ちた。


太郎(助かった……! ほんまに助かった……!)


視察を終え、皇帝とオーダは馬車へ戻る。


皇帝「太郎殿。未熟な点は多いが……この街には未来がある」

オーダ「うむ。国を変える力を持っている」

スイター「ぼ、ぼく……また来たいです……!」


オカンが胸を張る。


オカン「また来いや! 次はお好み焼きもっと焼いとくで!」


太郎は深く頭を下げた。


太郎「ありがとうございます……ほんまに……」


馬車が去っていくのを見送りながら、太郎はその場にへたり込んだ。


太郎(……帰った……! ほんまに帰った……!)


オカンが背中を叩く。


オカン「ほら太郎、帰って胃薬飲み!」


太郎「……飲むわ……」


胃の痛みが、ようやく少しだけ和らいだ。


────────────────────────


オカン「ほら太郎、背ぇ伸ばし! 皇帝さん来てんねんで、猫背は国家反逆罪や!」

太郎「そんな罪ないわ!!」

皇帝「……反逆罪なのか?」

太郎「違います!! オカンが勝手に言うてるだけです!!!」

オカン「うちの街の名物は“元気”と“勢い”や! ほら皇帝さんも飲んどき!」

皇帝「……これは酒ではないのか?」

オカン「朝から酒はアカン! 代わりに特製ヒョウガミジュースや!」

太郎「そんな宗教色強い飲み物出すな!!!」

ひより「ヒョウガミ様の名を軽々しく使わないでください!!」

オカン「軽々しくないで? うち、重いし」

オーダ「ははっ……この者、強い」

スイター「お、オカンさん……ぼ、ぼく好き……」

太郎「スイター! 変な影響受けんといて!!!」

読んでくれてほんまおおきに。オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と言ってます

もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。

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