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異世界でオカン(AI)がうるさい 〜追放された俺、最適化されて最強になる〜  作者: トレス=レイ
第三章 キョウ帝国編

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第86話 本音と屋台の晩餐会

会談が終わった瞬間、太郎は椅子に沈み込んだ。

魂が抜けたような顔で天井を見上げる。


太郎(……俺、今日で寿命十年は縮んだわ……)


ひよりと玲奈が心配そうに覗き込み、スイターは放心状態で震えている。

辺境伯は胃を押さえながら壁にもたれていた。


そんな中、皇帝とオーダが同時に声をかけてきた。


皇帝「太郎殿。個別に話したい」

オーダ「太郎殿、我も同じく」


太郎は心の中で泣きながら立ち上がった。



──皇帝控室──


皇帝の部屋に通されると、彼は落ち着いた声で切り出した。


皇帝「太郎殿。一度、キョウ帝国へ来てもらいたい。

そなたの街の商会を正式に立ち上げ、帝都にも支店を置くべきだ」


太郎「えっ……支店……?」


皇帝「そなたの街の品は質が良い。帝国の市場にも流通させれば、互いに利益がある。

コハクとの件は……おいおい考えれば良い。急ぐ必要はない」


太郎(いや、そこは急がんでええ!!)



──オーダ控室──


次にオーダの部屋へ。

彼は公式の場と同じ威厳ある声で語り始めた。


オーダ「太郎殿。トーカイは長らく戦が続き、民は疲弊しておる。

民が幸せになるには、まず“裕福”にならねばならぬ」


太郎(……急に現実的な話きた)


オーダ「そなたの街の商業力は、我が国の助けとなる。一度ギーフへ来てほしい。

商業面で力を貸してもらいたい」


太郎「……武器じゃなくて、商業の方なんですね」


オーダ「当然だ。戦を終わらせるには、まず民の生活を豊かにせねばならぬ」



──王国控室──


最後に王国側。

辺境伯は机に突っ伏しながら言った。


辺境伯「太郎殿……どうか……どうか無事に終わらせてくれ……

胃が……胃がもう限界なのだ……」


スイターも涙目で震えている。


スイター「ぼ、ぼく……緊張で……手が震えて……」


太郎(お前らが一番メンタル弱いんちゃうか……)




別会談が終わる頃には、太郎の魂は完全に抜けていた。

だが休む暇もなく、晩餐会の準備が始まる。


蒼真「太郎、お前が主催なんやから、挨拶の準備しとけよ」


太郎「……俺が主催なん……?」


ひより「昨晩、料理の相談したじゃないですか」


太郎「あれ夢ちゃうかったんか……」


昨晩の“料理会議”が蘇る。


オカン『貴族が食べへんような料理の方がええやろ。気取った皿なんか出しても、緊張して味わわれへん』


蒼真『せやな。腹にたまるやつでいこうや』


ユラ『太郎さんの街らしい“庶民の味”って感じで』


玲奈『ラーメンも入れましょう! 絶対ウケます!』


太郎『室内でラーメン……? 湯気すごいで……?』


オカン『湯気はええねん。雰囲気や』


そして今──

大広間には屋台がずらりと並んでいた。


鉄板で湯気を上げるお好み焼き。丸い鉄板でくるくる回るたこ焼き。大鍋で味が染みたおでん。串カツ、焼きそば、唐揚げ、コロッケ。そして湯気を立てるラーメン屋台。


カシャンッ。湯切りの音が響く。


太郎(……ほんまにやるんか、これ……)


太郎は前に立ち、深呼吸して挨拶を始めた。


太郎「本日は、遠路はるばるお越しいただき……ありがとうございます。

辺境ゆえ、都のような豪華な料理は出せませんが……

うちの街の“普段の味”を楽しんでいただければ幸いです」


皇帝は静かに頷き、オーダは興味深そうに屋台を見渡し、

辺境伯は胃を押さえながらも拍手した。


屋台の料理が次々と提供される。


「お待ちどうさん! 特製しょうゆラーメン!」


皇帝は湯気の立つ丼を見つめ、静かに箸を取った。


皇帝「……うむ。悪くない」


続いてオーダが麺をすすり、目を細める。


オーダ「うどん、そばとは違う味だが……旨い」


太郎は胸を撫で下ろした。


そのタイミングで、給仕が飲み物を配り始める。

皇帝とオーダの前には、できたばかりのワインが注がれた。


皇帝はグラスを軽く揺らし、香りを確かめてから口をつける。


皇帝「……若いが……悪くない」


オーダも酒を飲み、満足げに頷く。


オーダ「うむ。これなら兵たちも喜ぶ」


そして──

スイターの前には、鮮やかな色の飲み物がそっと置かれた。


両手でコップを持ったスイターが、おそるおそる口を開く。


スイター「ぼ、ぼく……オレンジジュースで……!」


太郎は思わず笑いそうになった。


太郎(かわいいな……いや、王太子やけど)


皇帝が微笑ましそうに頷く。


皇帝「うむ。それが良い」


オーダも優しく言う。


オーダ「子どもは子どもらしく、だ」


スイターはほっとしたようにジュースを飲み、ほっぺたを赤くしながら言った。


スイター「こ、このジュース……すごくおいしいです……!」


太郎(……よかった。間違って酒渡されんで……)


外の野営地でも兵士たちが屋台料理と酒を受け取り、

「こんなうまいもん初めてだ!」と歓声が上がる。


宴は、辺境とは思えぬほどの熱気と笑いに包まれた。


太郎(……なんや、みんな楽しそうやな……俺だけ胃が死んでるけど……)


────────────────────────


太郎「ラーメン、熱いんで気ぃつけてくださいね」

皇帝「ふむ……湯気が立つ料理は珍しいな」

オーダ「麺をすする……こういう食べ方で良いのか?」

太郎「はい、そのままズズッと」

オーダ「……ズズッ。……ほう、悪くない」

スイター「ぼ、ぼくも……ず、ずず……あっ、熱っ!」

太郎「無理せんでええ、スイター。ほら、ジュース飲み」

スイター「こ、このジュース……すごくおいしいです……!」

皇帝「子どもには酒より良い。安心して飲める」

辺境伯「太郎殿……わ、わしにもそのジュースを……胃が……」

太郎「辺境伯さんは酒やめときましょ。今日はもう十分です」

オーダ「はは、王国の重鎮が一番弱いとはな」

辺境伯「笑い事ではないのだ……!」

読んでくれてほんまおおきに。オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と言ってます

もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。

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