第78話 守護鯉コイオロチの浄化
黒雲が裂けた瞬間、空から巨大な影が落ちてきた。
それは鯉──しかし、ただの鯉ではない。
全身は禍々しい黒。
鱗は毒のように紫がかり、目は血のように赤く光る。
尾びれが振れるたび、空気が震えた。
大司教「これぞビリケーン様の福の化身……コイオロチよ!」
太郎「どこが福やねん! 完全に災いやろ!!」
コイオロチが咆哮した。
グオオオオオオオオッ!!
その瞬間、周囲に竜巻が発生し、寺院の瓦が吹き飛び、ヒロガの住民たちが次々と風に巻き上げられていく。
住人A「うおおおおおお!!」
住人B「兄ちゃん助けてぇぇぇ!!」
太郎「飛ばされとるやん!!」
オカン「洗濯物みたいに舞うとるで! 取り込み忘れたんか!?」
太郎「人を洗濯物扱いすな!!」
蒼真がくないを投げるが、黒い鱗に弾かれた。
晴斗が剣で切りかかる
カンッ!
晴斗・蒼真「……硬すぎる」
玲奈「魔法も効かないわ。届く前に消える」
コイオロチの尾が地面を叩き、衝撃波が走る。
太郎たちは吹き飛ばされ、地面に転がった。
太郎「ぐっ……強すぎる……!」
ひより「このままじゃ……街が……!」
そのとき、
太郎の視界の端に、ひとつの光が差し込んだ。
白い光。
柔らかく、温かい光。
太郎「……なんや、あれ……?」
光の中から現れたのは──
ミヤジ島で出会った神鹿だった。
神鹿「弁当を供えてくれてありがとう」
太郎「いや、あんたが勝手に食べたんや!」
神鹿「……細かいことは気にするな」
太郎「気にするわ!」
オカン「あの鹿、絶対“食い逃げ常習犯”やで」
太郎「神様に向かって言うたらアカン!!」
神鹿は太郎の前に、紅葉の形をした饅頭をそっと置いた。
神鹿「この“紅葉饅頭”を、守護鯉に捧げるのだ。ヒロガの魂を宿す供物……あれを救えるのは、お前たちだけだ」
太郎「守護鯉……? あいつが?」
タケベエが震える声で叫ぶ。
タケベエ「兄ちゃん……あれは本来、ヒロガの川を守る“守護鯉”じゃ! ビリケーンの呪毒で、あんな姿に……! 頼む……救うてくれ……!」
太郎「……任せとけ。ヒロガ焼きの魂、見せたるわ!」
オカン「魂はソースの濃度で決まるんや! 気合い入れぇ!」
太郎「ソース基準やめろ!!」
ひよりが前に出た。
ひより「太郎くん……私が舞う。この紅葉饅頭を、コイオロチに届けるために」
太郎「ひより……頼む!」
ひよりは静かに目を閉じ、舞を始めた。
その動きに合わせて、空気が震え、紅葉の光が舞い散る。
玲奈「……きれい……」
晴斗「いや、こんな状況で言うことちゃうけど……ほんまにきれいや……」
オカン「ひよりちゃん、舞うたびに太郎の人生救っとるで。もう“守護天使”名乗ってええわ」
太郎「勝手に称号つけんな!!」
紅葉の光がコイオロチの周囲を包み、太郎が紅葉饅頭を高く掲げる。
太郎「コイオロチ! これがヒロガの魂や!!」
紅葉饅頭が光を放ち、まるで吸い寄せられるようにコイオロチの口へ飛び込んだ。
次の瞬間──
コイオロチの身体から黒い霧が噴き出した。
グオオオオオオオッ!!
黒い霧が風に溶けていき、鱗が黒から金へと変わっていく。
蒼真「……浄化されていく」
ひより「よかった……!」
最後にコイオロチは大きく跳ね上がり、金色の光となって川へ吸い込まれた。
太郎「……帰っていったんやな」
タケベエ「兄ちゃん……ありがとう……!」
オカン「太郎、あんた今日“鯉の救世主”やで。鯉界のヒーローや」
太郎「鯉界ってなんやねん!!」
その瞬間、ビリケーン寺院が崩れ始めた。
大司教「な、なぜだ……ビリケーン様……!」
住人D「おどれらの悪事もここまでじゃあ!!」
住人B「ヒロガ焼きナメたら承知せんけぇの!!」
住人A「川に沈めちゃろうかワレェ!!」
太郎「ちょ、みんな落ち着け! 怖い怖い!!」
オカン「ヒロガの人ら、怒ったら“海より深い”で。覚悟しときや大司教、このかばちたれ!」
太郎「深さで脅すな!! かばちたれ使うんかい!」
大司教たちは住民の怒号に震え上がり、そのまま気絶した。
ビリケーン教の悪事は泡のように消え、ヒロガの街には平和が戻った。
屋台にはヒロガ焼きの香りが立ち込め、住民たちの笑い声が響く。
太郎「……次はどこ行こうか」
そのとき、太郎の腰の魔道具が光った。
ユラの声「太郎はん、えらいこっちゃ! はよ戻ってきてぇ!」
太郎「ユラ!? 何があったんや!」
オカン「また面倒ごとやな。太郎、覚悟しとき。ウチの胃袋はいつでも準備万端や」
太郎「なんで胃袋が覚悟決めとんねん!!」
ヒロガの平和な空に、新たな冒険の予兆が響いた。
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【山田太郎】
職業:あきんど レベル:1(固定)
■ 基本ステータス
筋力:C+ 敏捷:A- 体力:B-
魔力:B 精神:B- 知力:C
器用:B 幸運:E+
■ 内部ステータス
内部レベル:78
内部補正:全ステ+280%
内部幸運:S
■ ユニークスキル
<オカン>
└<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>
<未来予測+1> <超魔改造>
<金で解決できへんことない>
└<札束でしばく> <課金ガチャ>
■ スキル
<領地繁栄+1>
<魔法>
└<属性魔法> <魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>
<武術中級>
└<回避+2> <串うち乱れ撃ち>
<剣術中級>
└<レイピア中級> <高速刺突・極> <二刀流基礎> <ハヤブサ嵐舞>
<耐性>
└<熱耐性+3> <氷耐性+2> <精神抵抗> <おかんの手>
<神気耐性(微)>
■ 加護
<勇者との絆>
■ 装備
神維軽装防具+2
オリハルコン製コテ+2
オリハルコン製ピック+2
オリハルコン製包丁+2
ミスリル製串+2
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太郎「……これでほんまに終わりやな」
タケベエ「兄ちゃん、ようやってくれたのぉ」
住人A「かばちたれ、またきんさいよ。ヒロガは逃がさんけぇ」
太郎「いや言い方ァ!」
住人B「かばちたれ、次来たらヒロガ焼き腹いっぱい食わせちゃるけぇ」
晴斗「脅迫と優しさが同居しとる街やな……」
住人C「かばちたれ、兄ちゃん。ヒロガはお前の第二の故郷じゃけぇ」
オカン「なんやろ……怖いのに嬉しいわ」
ひより「ふふ……みんな、ほんまに優しいね」
玲奈「優しい……のかな……?」
住人D「かばちたれ、また顔見せんかったら迎えに行くけぇ」
太郎「それはもう誘拐や!」
タケベエ「はっはっは、ヒロガ流の挨拶じゃけぇ」
読んでくれてほんまおおきに。オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と言ってます
もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。




