第65話 ヒルコの穢れと地獄の特訓
蒼真が影の結界を斬り裂き、晴斗が信者の腕を弾き飛ばす。
神剣は床に転がり、甲高い音を響かせた。
信者「ぐっ……! だが遅い……ヒルコはもう……!」
太郎「黙っとれ!!」
太郎の拳が信者を沈め、部屋に静寂が戻る。
石台には、黒い靄に包まれたヒルコ。
呼吸は浅く、まるで何かに締めつけられているようだった。
ひより「ヒルコさん……!」
ツクヨミがヒルコの胸元に手をかざし、霊力を流す。
ツクヨミ「……呪詛が深い。急ぎましょう」
太郎「晴斗、蒼真。すまんがスサノオのおっさん頼むわ」
蒼真「任せろ!」
太郎がヒルコを抱え、大神殿へ急ぐ。
大神殿に戻ると、アマテラスが駆け寄った。
アマテラス「ヒルコ……! 状態は……?」
ツクヨミ「呪詛が深く入り込んでいます。急ぎます」
太郎たちはヒルコを治療室へ運び込んだ。
ひよりが両手をかざし、光を放つ。
ひより「……<回復>……!」
柔らかな光がヒルコを包むが――黒い靄は揺らぎもしない。
ひより「えっ……効かない……?」
ツクヨミ
「残滓は“呪い”です。 回復魔法では払えません。」
太郎
「ほな、俺の番や!」
太郎はヒルコの手を握り、解呪の力を流し込む。
太郎「……<解呪>!!」
しかし――黒い靄はまったく薄くならない。
太郎「なんでや……!」
ツクヨミはヒルコの胸元に手をかざし、その奥を探るように目を閉じた。
ツクヨミ「……呪詛は、魂の奥深くに根を張っています。
ヒルコの神気が不安定な今、そこを足場にしている……普通の術では届きません」
アマテラスが静かに言葉を継ぐ。
アマテラス「神の呪詛は強く、先代のアマテラス様でさえ、解くことはできませんでした。」
太郎「そんな……!」
ひより「じゃあ……どうすれば……」
アマテラスはヒルコの手をそっと握りしめた。
アマテラス「それでも……救いたいのです。 ヒルコは、私たちの大切な仲間ですから」
ツクヨミ「……はい。 だからこそ、私たちも全力を尽くします」
二人はヒルコの両側に立ち、神気を重ねて光を流し込む。
しかし――
黒い靄は、まるで神々の力そのものを拒むように揺らめくだけだった。
アマテラス「……やはり……強い……」
ツクヨミ「ビリケーンの呪詛…… 神気そのものを拒絶するように作られています」
ひより「ヒルコさん……!」
太郎「どうしたらええねん……!」
その時だった。
オカンの周囲に、小さな光の粒がふわりと漂い始めた。
太郎「オカン!? なんやそれ!」
オカン「えっ、うち何もしてへんで!?」
光の粒はオカンの肩、髪、手の周りをくるくると回り、
まるで意思を持つようにヒルコの方へ移動していく。
ひより「……あれ……聖域の光じゃない……?」
ツクヨミ「違います。これは……“祝福”……?」
光がヒルコの胸元に吸い込まれた瞬間――
ヒルコの身体から黒い何かが“ズルッ”と抜け出した。
ヒルコ「っ……!」
黒い塊は床に落ち、煙のように消えていく。
ツクヨミ「……残滓が……完全に消えました」
アマテラス「こんな……奇跡が……」
太郎「オカン、なんか隠しとるんちゃうん!?」
オカン「隠してへんわ!!」
オカン「ただの大阪パワーや! “おばちゃんの加護”や!!」
太郎「そんな加護あるか!!」
ヒルコの顔色が戻り、黒い靄は完全に消えていた。
ヒルコ「……あったかい……」
アマテラスはヒルコの手を取り、涙をこぼした。
アマテラス「……ごめんなさい。 あなたを守れなかった……」
ツクヨミも静かに頭を下げる。
ツクヨミ「……申し訳ありませんでした」
ヒルコは二人の手を握り返し、涙を流した。
ヒルコ「……ありがとうございます……」
太郎たちも思わず笑顔になる。
太郎「よっしゃあああ!! 助かったで!!」
玲奈「ヒルコちゃん……よかった……!」
ひよりは涙を拭きながら笑った。
ひより「本当に……よかった……!」
シーラはヒルコの横に寄り添い、まるで守るように尻尾を揺らした。
そのとき晴斗と蒼真が疲れた顔で現れた。
晴斗「はぁ……助かったのか。よかった」
蒼真「あの酔っ払いは重すぎる。隣の部屋に置いといたぞ」
ヒルコは少し息を整え、静かに口を開いた。
ヒルコ「……黒衣の……女の人……あの人……私のお母さんなんです……」
太郎「……やっぱり、そうやったんか……」
ヒルコ「私を……助けようとして…… でも……ビリケーンの呪いに……操られて……
私を救うために……利用されて……」
蒼真「……そういうことか……」
玲奈「助けたい気持ちを……利用されたんだね……」
ひより「ヒルコさん……」
アマテラス「……あなたのお母様も、あなたも……どちらも被害者です。だからこそ、必ず守ります」
ヒルコは涙をこぼしながら、二人の手を握り返した。
ヒルコ「……ありがとうございます……」
アマテラス「皆さん、本当にありがとうございます。ヒルコを救ってくれたこと。神剣を取り戻してくれたこと
これで無事に神集の儀を行うことができます」
アマテラス「皆さんには何か御礼をしなければなりませんね」
スサノオ「……ふあぁ……終わったんか……?」
太郎「起きてたんかい!!」
スサノオ「礼なら決まっとるやろ。 ――こいつらを強くするしかないな」
太郎「はぁ!? なんでそうなんねん!」
オカン「稽古つけてもらい! こいつはレベル100や。
身に着けとるもんも神器級やし!」
太郎「なんやて、レベル100!? 強すぎるやんか!」
スサノオ「よし、外出ろ。死なん程度に鍛えたる」
太郎「死なん程度ってなんやねん!!」
外に出たらスサノオがにやりと笑う。
スサノオ「修行と言っても簡単なことだ。俺の神気を纏った攻撃をただ受けるだけ。
心配するな。骨が砕けても死なん。ちゃんと手加減はしてやる……しらんけど」
太郎「今、しらんけど言うたな!!」
それからは地獄絵図だった。
太郎「無理無理無理無理!!」
晴斗「勇者でも無理や!!」
蒼真「忍者でも無理や!!」
玲奈「魔力使い切ってるのに無理!!」
ひより「ひよりも無理!!」
オカン「がんばりや!! 痛みは成長の証や!!」
太郎「オカンだけ応援すな!!」
──そして数時間後。
全員、全身の骨を砕かれ、地面に倒れ込んでいた。
スサノオ「アマテラス様、治療頼むわ」
アマテラスが手をかざすと、神気が光となって全員を包む。
砕けた骨が音もなく元に戻っていく。
太郎「……死ぬかと思った……」
晴斗「いや死んでた……」
蒼真「魂抜けとった……」
玲奈「顔だけはやめてって言ったのに……」
ひより「ひどすぎる……」
スサノオ「まあまあやな。ステータス見てみ」
太郎たちがステータスを確認すると――
全員の能力値が上昇していた。
太郎「……上がっとる!!」
晴斗「めっちゃ上がってる!!」
蒼真「なんやこれ!!」
玲奈「嘘でしょ……!?」
ひより「すごい……!」
スサノオ「砕いた骨に神気を流し込み、“神骨化”させた。これで少しだけ神気を纏える。神の攻撃も多少は防げるはずだ」
太郎「そうなんや、ありがとな」
スサノオ「ただな、定着するにはあと3回、同じことせんとダメだけどな。さぁ、続きやるぞ」
全員「地獄やんけぇぇぇぇ!!」
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【山田太郎】
職業:あきんど レベル:1(固定)
■ 基本ステータス
筋力:C+↑ 敏捷:A-↑ 体力:B-↑
魔力:B↑ 精神:B-↑ 知力:C
器用:B 幸運:E+
■ 内部ステータス
内部レベル:68
内部補正:全ステ+235%
内部幸運:S
■ ユニークスキル
<オカン>
└<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>
<未来予測+1> <超魔改造>
<金で解決できへんことない>
└<札束でしばく> <課金ガチャ>
■ スキル
<領地繁栄+1>
<魔法>
└<属性魔法> <魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>
<武術中級>
└<回避+2> <串うち乱れ撃ち>
<剣術中級>
└<レイピア中級> <高速刺突・極> <二刀流基礎> <ハヤブサ嵐舞>
<生産技術初級>
└<鍛治初級> <調理初級>
<耐性>
└<熱耐性+3> <氷耐性+2> <精神抵抗> <おかんの手>
<神気耐性(微)>(new)
■ 加護
<勇者との絆>
■ 装備
オリハルコン繊維軽装防具
オリハルコン製コテ
オリハルコン製ピック
ミスリル製串
ゴーレムの指輪
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太郎「……スサノオのおっさん、あれ絶対手加減してへんやろ……」
晴斗「手加減(骨砕き)ってなんやねん……」
蒼真「俺、途中で未来の自分と会話した気がするわ……」
玲奈「私は走馬灯が三回流れた……」
ひより「ひより……もう立てない……」
オカン「みんな根性ないなぁ。大阪のバーゲンのほうが激しいで」
太郎「どんな修羅場やねん!」
スサノオ「ふむ。まだ余裕があるようだな」
全員「ないわ!!!」
スサノオ「なら次は“神気の滝行”や。心配するな、死なん……しらんけど」
太郎「また言うたな!!」
玲奈「もう帰りたい……」
蒼真「帰る体力も残ってへん……」
読んでくれてほんまおおきに。オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と言ってます
もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。




