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異世界でオカン(AI)がうるさい 〜追放された俺、最適化されて最強になる〜  作者: トレス=レイ
第二章 西国編

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第56話 砂海の怪物と砂漠迷宮

砂海を進むラクチンの背で揺られながら、太郎たちはトトリ王国の王都ミササを目指していた。

砂漠には街道など存在せず、ただ果てしない金色の砂が広がるだけだ。


蒼真「……前方の砂丘、動いてるな。あれ、全部サンドワームだ」


太郎「全部!? あの山みたいなんが!?」


オカン「サンドワームの皮は高く売れるで! 太郎、傷つけないようにしいや」


オカン「皮に傷つけたら値段ガタ落ちや! 太郎、あんたの成績表より落ちるで!」

太郎「俺の成績表を基準にすな!!」


砂が爆ぜ、一本目のサンドワームが飛び出した。


玲奈「ブリザード……フルパワー!」


冷気が砂漠を切り裂き、白い霧が渦を巻く。

砂粒が凍り、サンドワームの体表が一気に氷の膜に覆われた。


ワーム「ギュオォ……!」


玲奈「太郎、今よ!」


太郎はラクチンから飛び降り、ピックを構えて突進。

凍った体表の隙間を狙い、神経節へ突き刺す。


サンドワームは砂を撒き散らしながら崩れ落ちた。


しかし終わりではなかった。


砂丘が次々と爆ぜ、

二匹、三匹、五匹……

最終的に三十匹のサンドワームが一斉に姿を現した。


太郎「多すぎるやろ!!」


玲奈「ブリザード・スパイラル!!」


冷気の竜巻が砂漠を走り、複数のワームを一気に凍らせる。

氷の柱が立ち並び、砂漠が白く染まった。


晴斗「太郎、左いくぞ!」

太郎「任せろ!」

蒼真「右側は僕がやる。急所だけ狙うぞ、傷つけるなよ」


三人は凍ったワームの急所を正確に突き、

皮を傷つけないように丁寧に仕留めていく。


オカン「ええ状態や! これ全部ストレージ入れとき!」


太郎「はいはい……って、三十匹分は多すぎるわ!」


オカン「太郎、売れるもんは全部拾え! 砂粒でも売る気でいけ!」

太郎「砂は売れへん!!」


素材は次々とストレージへ吸い込まれていく。


その時だった。


地面が「ドンッ」と低く鳴り、砂丘が盛り上がった。


晴斗「……今の、地震か?」

蒼真「違う。来るぞ……“上位種”だ」


砂丘が崩れ、山のような影が姿を現した。

砂が滝のように流れ落ち、巨大な口が開く。


太郎「でっっっか!! なんやあれ!!」


玲奈「ジャイアントサンドワーム……!? あれ、普通の魔法じゃ止まらないわよ!」


オカン「太郎、あれは皮が取れへんタイプや! 逃げるで!」


太郎「そこ!? いや逃げるのは賛成やけど!!」


オカン「皮が取れへん敵に用はない! 商売の敵や!!」

太郎「商売基準で命の判断すな!!」


ラクチンが全速力で走り出す。

しかしジャイアントサンドワームは地中を泳ぐように追ってくる。


ズズズズズ……ッ!


ひより「ひゃっ……近い……!」

玲奈「ブリザード!!」


冷気が走るが、ワームの体表は凍らない。

氷が触れた瞬間、砂がサラサラと落ちていくだけだった。


蒼真「効いてない。魔法耐性だ!」

太郎「うわああああ!! 来るな来るな来るな!!」


その瞬間、砂の地面が突然沈んだ。


晴斗「太郎! 足元!!」

太郎「えっ──うわあああああ!!」


ラクチンごと、太郎たちは流砂に飲み込まれた。


オカン「太郎、息止めぇぇ!!」

玲奈「手、離さないで!!」

蒼真「落ちるぞ!!」


砂の渦が一気に広がり、

太郎たちは地中深くへと吸い込まれていった。


──ドサッ。


太郎「……いってぇ……ここ、どこや……?」


目を開けると、そこは巨大な地下空洞だった。

天井には光る鉱石が点在し、壁には古代のレリーフが刻まれている。


蒼真「……砂漠の迷宮だな。落とし穴タイプのダンジョンだ」

玲奈「ラクチンも無事みたい。よかった……」


オカン「太郎、ここは宝の匂いがするで」


オカン「金の匂いがプンプンするわ! 鼻が震える!」

太郎「犬みたいに言うな!」


通路を進むと、前方で「カチ、カチ」と硬い音が響いた。


晴斗「なんやこの音……?」


巨大砂漠サソリ「ギシャアアア!!」


太郎「デカッ!!」


サソリの尻尾が高速で振り下ろされる。

晴斗が盾で受け止め、火花が散った。


晴斗「毒針やばいぞ! 気ぃつけろ!」


玲奈「フロストスパイク!」


氷柱がサソリの脚を凍らせ、動きが鈍る。

太郎はその隙に懐へ飛び込み、関節の急所へピックを突き刺した。


蒼真が影から斬り込み、サソリは崩れ落ちた。


オカン「毒針はドロップ品やな。ストレージ入れとき」


オカン「毒針は高く売れるで! 太郎、刺されへんように気ぃつけや。刺されたら返品不可や」

太郎「返品ってなんやねん!!」


さらに奥へ進むと、砂の中から低い唸り声が響いた。


蒼真「……マミーだ。気をつけろ」


ボロボロの包帯を巻いたミイラが、よろよろと歩み寄ってくる。


ひより「……いきます。聖魔法!」


光が広がり、マミーは煙のように崩れ落ちた。

残ったのは、汚れた包帯だけ。


太郎「……ドロップ品、これだけか?」


オカン「汚れた包帯……? こんなんいらんわ。誰が使うねん」


オカン「太郎、これ売るん? 売るんやったら“アンティーク包帯”って名前つけよか?」

太郎「詐欺やんけ!!」


玲奈「売れないよね、これ……」

蒼真「完全にハズレだな」

ひより「……ごめんなさい……」


太郎「ひよりは悪くない! 敵が悪い!」


迷宮の最深部。

巨大な石扉が、太郎たちの前に立ちはだかった。


晴斗「絶対なんかおるやつやん……」

太郎「開けるで……」


扉が重々しく開き、砂が渦を巻く。


サンドゴーレム「……ゴゴ……」


蒼真「サンドゴーレム……!」


巨大な砂の巨人が立ち上がり、太郎たちを見下ろした。


晴斗が剣を振るうが、

砂が少し崩れるだけで、すぐに元に戻る。


晴斗「なんやこれ……!」


玲奈「じゃあ魔法で……ブリザード!」


冷気がゴーレムを包むが、砂は凍らず、サラサラと落ちていく。


玲奈「えっ……魔法も効かない……!」

蒼真「物理も魔法も通らない……厄介だな」


太郎「ほなピックで──!」


太郎は跳び上がり、胸部へ突きを放つ。


ガッ!


砂が少し崩れるが、すぐに修復される。


太郎「……あかん、全然刺さらへん!」


蒼真「太郎、待て。胸の奥……光ってる。あれがコアだ」


太郎「……ほんまや。あそこまで貫けたら倒せるんやな」


太郎はピックを構え直すが、

砂の層の奥にあるコアまでの距離を見て、眉をひそめた。


太郎「……これ、ピックの長さじゃ届かへんわ」


蒼真「だろうな。もっと長い武器じゃないと無理だ」


オカン「太郎、長い武器出しぃ! 長いの!」


オカン「長いのや! 長ければ長いほどええ! うちの買い物リストより長いやつ出しぃ!」

太郎「買い物リスト基準やめろ!」


太郎はストレージに手を突っ込み、

光を放つ一本の槍を取り出した。


──光滅の聖槍。


太郎「これなら……届く!」

蒼真「それならコアまで貫けるはずだ!」


太郎「いくでぇぇ!!」


太郎は地面を蹴り、

サンドゴーレムの胸部へ一直線に跳び込む。


太郎「貫けぇぇぇ!!」


光滅の聖槍が砂を裂き、

胸の奥のコアへ突き刺さった。


サンドゴーレム「……ガガ……ガ……」


巨体が震え、

砂が崩れ落ちていく。


やがて、巨大な砂の山だけが残った。


オカン「はずれや。砂の塊やん……」


オカン「太郎、砂の山いらん? 庭に置いたら映えるで」

太郎「映えへんわ!!」


奥には巨大な宝箱があった。


太郎「開けるで……」


蓋を開けると──


金塊

オリハルコンの塊

古代の羅針盤


蒼真「……これはすごいな」

玲奈「この羅針盤、砂嵐でも方向がわかるみたい」

ひより「すごい……!」


オカン「当たりや! これは当たりやで太郎!」


オカン「金塊! オリハルコン! 羅針盤! 全部売ったら家建つで!」

太郎「建てへんわ!!」


こうして太郎たちは、砂漠迷宮を突破し、

王都ミササへ向けて再び歩き出すのだった。


────────────────────────


【山田太郎】

職業:あきんど レベル:1(固定)


■ 基本ステータス

 筋力:C 敏捷:B 体力:C+

 魔力:B- 精神:C+ 知力:C

 器用:B 幸運:E+


■ 内部ステータス

 内部レベル:52

 内部補正:全ステ+176%

 内部幸運:S


■ ユニークスキル

<オカン>

 └<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>

  <未来予測+1> <超魔改造>

<金で解決できへんことない>

 └<札束でしばく> <課金ガチャ>


■ スキル

<領地繁栄+1>

<魔法>

 └<属性魔法> <魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>

<武術中級>

 └<回避+2> <串うち乱れ撃ち>

<剣術中級>

 └<レイピア中級> <高速刺突・極(進化)> <二刀流基礎> <ハヤブサ嵐舞>

<生産技術初級>

 └<鍛治初級> <調理初級>

<耐性>

 └<熱耐性+3> <氷耐性+2> <精神抵抗> <おかんの手>


■ 加護

 <勇者との絆>


■ 装備

 オリハルコン繊維軽装防具

 オリハルコン製コテ

 オリハルコン製ピック

 ミスリル製串

 ゴーレムの指輪


────────────────────────


太郎「はぁ……砂まみれで疲れたわ」

オカン「でも宝は当たりやったやろ? ほら、笑い」

太郎「笑えるかい! 砂漠で死にかけたんやぞ!」

玲奈「でも光滅の聖槍、めっちゃカッコよかったよ」

晴斗「確かに。あれは惚れるやつやな」

蒼真「……太郎、あれ普段から使えばいいのに」

太郎「いや重いねん! あれ振り回すのしんどいねん!」

ひより「でも……助かりました。ありがとうございます」

オカン「ほら太郎、ひよりちゃんに感謝されてるで。もっと働き」

太郎「働いとるわ!!」


読んでくれてほんまおおきに。オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と言ってます

もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。

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