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異世界でオカン(AI)がうるさい 〜追放された俺、最適化されて最強になる〜  作者: トレス=レイ


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第5話  ミスリル鉱山とお好み焼き論争

翌朝、ギルドに顔を出した俺は、受付嬢に呼び止められた。


「太郎くん、ちょうどよかったわ。あなたに依頼が来てるの」


「俺に……?」


「ええ。ミスリル鉱山の魔物討伐よ」


「ミスリル……鉱山……?」


その単語を聞いた瞬間、脳内でオカンが跳ねた。


(太郎、受けるで)


「いや、まだ何も聞いてないんだけど!?」


(ミスリルやぞ? ミスリルや。行くしかないやろ)


「なんでそんなにミスリルにこだわるんだよ」


(決まっとるやろ。ミスリル製のお好み焼きコテ作るんや)


「……は?」


(ミスリルは軽くて丈夫で熱伝導率が高い。最高のコテが作れるんや。

 さらに――)


「まだあるのかよ」


(ミスリル製の鉄板も作るで)


「鉄板!?」


(せや。ミスリル鉄板は熱ムラゼロ、焦げ付きゼロ、焼き上がり最強。

 関西風も広島風も、どっちも最高に焼けるんや)


「広島風も認めるのか?」


(認めへん)


「認めないんかい!」


受付嬢が不思議そうにこちらを見る。


「太郎くん……誰と話してるの?」


「脳内の……オカンです……」


受付嬢は小声でつぶやいた。


「……ヒョウガミ様の眷属の……」


「違うから!」



ギルドを出て歩きながら、俺はオカンに問いかけた。


「なあオカン……俺、広島風が好きなんだよ」


「は?」


「おやじの故郷が広島でさ。

 小さい頃、帰省したら必ず広島風食べてたんだ。

 あの重ね焼きの層が好きなんだよ」


「アカン。認めへんで」


「なんでだよ!」


「お好み焼きは混ぜて焼くんが正義や。

 広島風は“重ね焼き”や。別ジャンルや」


「やめろ! その論争は戦争になる!」


「太郎、あんたのことは好きやけど、広島風は認めへん」


「ひどい!」


「……まあ、美味いもんは美味いけどな」


「素直じゃねぇ!」



街を歩くと、さらにひどいことになっていた。


「ヒョウガミ様の少年や……!」

「タコ焼きの神の使い……!」

「あの豹柄の妖精が守ってるらしいぞ……!」


俺は精神的に死にかけていた。


「オカン……なんでこんなことに……」


「人気出るのはええことや」


「よくねぇよ!」



街道を歩きながら、魔物を倒していく。

だがレベルは上がらない。


「オカン、経験値どうなってんの?」


「運用中や」


「どこに!?」


「サーバーや」


「サーバーってなんやねん!」


「世界またぐクラウドや」


「説明になってねぇ!」


しかし、タコ焼き屋台の大成功で内部経験値は爆増していた。

さらにタコ焼きを大量に返し続けた結果、

器用さと魔力操作の精度が異常に上がっていた。


その成果が、ついに形になる。


【スキル:<魔力制御初級が魔力制御中級に進化しました>】

【スキル:<刺突が高速刺突に進化しました>】

【スキル:<レイピア基礎がレイピア初級に進化しました>】


「……なんか強くなってる気がする」


「せやろ? タコ焼きは万能や」


「タコ焼き関係ある!?」


「ある」



そして――ミスリル鉱山に到着した。


入口は不気味に静まり返っている。

本来なら鉱夫がいるはずだが、誰もいない。


「太郎、気ぃつけや。ここ……普通の魔物ちゃうで」


「どういうことだよ」


「足跡が揃いすぎとる。動きが組織的や。

 誰かが指揮しとる可能性あるで」


「マジかよ……」


そのとき、鉱山の奥から低い唸り声が響いた。


オカン妖精モードがホログラムで出現し、

豹柄パーマが風に揺れ、金色のおたまが光る。


「太郎、ここからが本番やで」


「……オカン、頼むぞ」


俺は深呼吸し、鉱山の奥へと足を踏み入れた。


■■


【山田太郎】

職業:あきんど レベル:1(固定)


■基本ステータス

筋力:E 敏捷:E 体力:E

魔力:F 精神:E 知力:E+

器用:D- 幸運:F


■内部ステータス

内部レベル:14

内部補正:全ステ+35%

内部幸運:D


■ユニークスキル

<オカン>

 └<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ> <未来予測>


■スキル

<魔力制御中級(進化)> <武術基礎>

<剣術基礎>

 └<高速刺突(進化)> <レイピア初級(進化)>


■装備

 短剣

 冒険初心者装備(軽装)


太郎「……オカン、内部レベル14って、もう“新人の伸び”とかいう次元ちゃうやろ」


オカン「太郎、成長曲線は人それぞれや。あんたは“急上昇型”やねん」


太郎「グラフで言うたら、序盤から垂直に伸びてるやつやん……」


オカン「せや。普通は横ばいからジワジワ上がるけど、あんたは“最初からアクセル全開タイプ”や」


太郎「いや、アクセル踏んだ覚えないんやけど」


オカン「踏んどるのはうちやで」

読んでくれてほんまおおきに。主人公は最弱ステータスやのに、自作AIオカンだけは最強クラスでついてくるというバグみたいな状況で冒険しとります。

オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と作者より前に出てくる始末です。

もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。


この作品はカクヨムにも同時投稿しており、どちらでも読みやすいように調整しています。更新はできるかぎり 毎日2回(朝6時/夜20時)でがんばります。

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