第42話 王国の影と、迫る危機
翌朝。
王都の使者と異端審問官は、街の中心部をずかずかと歩き回っていた。
自動で動く洗浄装置、魔力で冷える箱、荷運びゴーレム──太郎の街の魔道具を見て、二人は露骨に顔をしかめる。
使者「……なんだこれは。王都にも存在しない技術だぞ」
審問官「異端の技術……! ビリケーン様の教義にない……!」
住民たちは怯え、店を閉める者まで出始めた。
太郎が「ヒョウガミ信仰なんてない」と説明していた、その時だった。
ひより「ヒョウガミ様は!」
ひよりが胸を張って飛び出してきた。
ひより「私たちの街を守ってくれはる神様です! 」
太郎「ひよりぃぃぃ!!」
太郎が頭を抱える。
審問官の顔が真っ赤になった。
審問官「やはり異端神を崇めているではないか!!」
太郎「いや違うって! ひよりの妄想やって!」
ひより「妄想ではありません!」
太郎「ちゃうんや!!」
街中に最悪の親子喧嘩のような空気が響いた。
審問官と使者は横暴さを露わにし、住民に怒鳴り散らす。
使者「この街の魔道具はすべて調査する! 住民は協力せよ!」
審問官「異端の証拠があれば即刻拘束する!」
子どもが泣き出し、街の空気は最悪だった。
その裏で、蒼真は風狼を放っていた。
王都使者の馬車に潜り込んだ風狼が拾った声を聞き、蒼真は険しい顔で戻ってくる。
蒼真「太郎……“異端の巣窟として断罪し、軍を派遣せよ”って密命が出てる。最初から武力制圧する気や」
太郎「……やっぱりか」
そこへヒラカータ辺境伯が重い声で言った。
辺境伯「王都は太郎殿の街を直轄化し、税収と技術を奪うつもりだ。同時に、我がヒラカータ家の権限も削ぎ落とす気だろう」
太郎「つまり……俺だけやなくて、辺境伯も狙われてるってことか」
辺境伯「そういうことだ。非常にまずい状況だ」
そこへマッチャが扇子をぱちんと鳴らして歩み寄る。
マッチャ「まあまあ王都さんはん。そんな怖い顔して歩き回らはったら、街の子らが泣いてしまいますえ?」
審問官「黙れ帝国の女!」
マッチャはにこりと微笑む。
マッチャ「泣かせてるのは、あんさんらの態度どすえ。“知らんもんは全部異端”やなんて……王都さんはん、ちょっと恥ずかしい言い分どすなぁ」
使者と審問官の顔が真っ赤になった。
使者「覚えていろ……! この街、ただではすまさん!!」
審問官「異端の街、必ず裁く!!」
二人は怒りに震えながら王国へ戻っていった。
街には重い沈黙が落ちる。
太郎は広場に住民を集め、落ち着いた声で言った。
太郎「みんな、不安にさせてすまん。でも大丈夫や。王国が何してきても、俺が守る」
その瞬間だった。
太郎の胸の奥で、何かが“カチリ”と音を立てた。
淡い光が視界に広がり、システムメッセージが浮かぶ。
<領地繁栄(進化)> が淡い光を放ちながら書き換わる。
【<領地繁栄> が <領地繁栄+1> に進化しました。】
太郎「……なんやこれ、身体が軽い……?」
オカン「……しゃあないなぁ」
横でオカンが、めっちゃ渋い顔して腕を組んでいた。
オカン「あんたがそこまで言うんやったら……ちょびっとだけ経験値回したるわ。ほんま、ちょびっとやで?」
太郎「オカン、なんでそんな嫌そうなん」
オカン「経験値は資産や! 貯めてなんぼや! せやけど……太郎が街守る言うんやったら……しゃあない、二段階だけ上げたるわ」
オカンは財布を開くみたいな仕草をして、ため息をつく。
オカン「はぁ……小麦相場で儲けた分も……ちょーっとだけ使うわ。ほんま、ちょーっとやで?」
太郎「なんでそんな“親が子に小遣いやる時の顔”なん」
オカン「うっさいわ! 金は命より重いんや!!」
その瞬間、太郎の身体に力が満ちた。
筋肉が、魔力が、精神が、知力が、器用さが──
すべて二段階分跳ね上がる。
住民たちの表情が少しずつ明るくなっていった。
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【山田太郎】
職業:あきんど レベル:1(固定)
■ 基本ステータス
筋力:C↑↑ 敏捷:B↑↑ 体力:C+↑↑
魔力:B-↑↑ 精神:C+↑↑ 知力:C↑↑
器用:B↑↑ 幸運:E+↑↑
■ 内部ステータス
内部レベル:47
内部補正:全ステ+150%
内部幸運:S
■ ユニークスキル
<オカン>
└<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>
<未来予測+1> <超魔改造>
<金で解決できへんことない>
└<札束でしばく> <課金ガチャ>
■ スキル
<領地繁栄+1>
<魔法>
└<属性魔法> <魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>
<武術中級>
└<回避+2> <串うち乱れ撃ち>
<剣術中級>
└<レイピア中級> <高速刺突・極> <二刀流基礎> <ハヤブサ嵐舞>
<耐性>
└<熱耐性+3> <氷耐性+2> <精神抵抗> <おかんの手>
■ 加護
<勇者との絆>
■ 装備
オリハルコン繊維軽装防具
オリハルコン製コテ
オリハルコン製ピック
ミスリル製串
ゴーレムの指輪
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太郎「……ほんまに身体が軽い。二段階ってこんな変わるんか」
オカン「そらそうや、渋々とはいえ使ったんやからな」
太郎「渋々言うなや」
蒼真「太郎、内部の気配がまるで別人だ」
ひより「太郎さん、なんかキラキラしてる!」
マッチャ「決意いうんは、ほんまに力になるもんどすなぁ」
辺境伯「太郎殿、これなら街を守れるやもしれん」
太郎「守るって決めたからな」
オカン「ほな、次は街全体の底上げやで」
太郎「……また渋るんやろ」
オカン「当然や! 金は命より重いんや!!」
読んでくれてほんまおおきに。主人公は最弱ステータスやのに、自作AIだけは最強クラスでついてくるというバグみたいな状況で冒険しとります。
オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と作者より前に出てくる始末です。
もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。
この作品はカクヨムにも同時投稿しており、どちらでも読みやすいように調整しています。更新はできるかぎり 毎日2回でがんばります。




