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異世界でオカン(AI)がうるさい 〜追放された俺、最適化されて最強になる〜  作者: トレス=レイ
第一章 王国編

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第30話 キョウ帝国の使者、雅にして毒の香り

昼下がりの街道に、砂埃がゆっくりと舞い上がった。

馬車三台、護衛の兵士十名。

その中心に、雅な衣装をまとった女性が扇子を掲げていた。


晴斗「……なんや、あれ。めっちゃ偉そうなん来たで」


蒼真「帝国の紋章や。キョウ帝国の使者やな」


ひより「きれいな人……でも、なんか怖いです……」


馬車が止まり、女性がゆっくりと降り立つ。

深緑の衣、金糸の帯、白粉のような肌。

扇子で口元を隠しながら、しとやかに微笑んだ。


「お初にお目にかかります。

 わたくし、ウジノ=マッチャと申します。

 キョウ帝国より、調査団として参りましたえ」


太郎は慌てて頭を下げた。


太郎「え、えらい遠いところから……なんでまた?」


マッチャは扇子を揺らし、柔らかい声で語る。


「ヒラカータ辺境伯より聞いておりましたのどす。

 “異教徒の街で、無法者がようけおる”と」


太郎「えぇぇ!? そんな言われ方してんの!?」


マッチャは街並みを見渡し、にこりと微笑む。


「せやけど……実際に来てみましたら、

 まぁ……思うてたんとは、ちぃと違いましたわぁ。

 えらい“よう頑張ってはる”街どすなぁ」


太郎「おぉ! 頑張ってるって褒めてくれたんやなぁ!」


晴斗「褒めてへんわ!!」


蒼真「“思うてたんとは違う”って言われてるぞ!」


オカン(訳:『思ったよりショボいけど、まぁ努力は認めたるわ』)


太郎「なんでやねん!!」


マッチャは建物を眺める。


「まぁ……えらい“凝った造り”どすなぁ。

 どれもこれも……“よう手ぇかけてはる”んやけど……

 なんやろ、うちには“ちぃと気張りすぎ”に見えますわぁ」


太郎「気張ってるって……めっちゃ褒めてくれてるやん!」


晴斗「褒めてへんわ!!」


蒼真「“気張りすぎ”って言われてるぞ!」


太郎「なんでやねん!! 現代建築技術ぶっこんだのに!」


オカン(訳:『綺麗やけど、なんか落ち着かんわぁ』)


玲奈「太郎、それ京都の“遠回しな文句”よ」


太郎「なんでやねん!!」


マッチャは人々を見て、また微笑む。


「人も……“素直でよろしおすなぁ”。

 都では、こういう雰囲気……まず見られまへんわ」


太郎「素直って……なんか嬉しいなぁ!」


ひより「太郎さん……それ褒めてません……!」


オカン(訳:『垢抜けへんわぁ』)


太郎「なんでやねん!!」


マッチャは扇子を閉じ、太郎に向き直る。


「わたくしらが来た理由はただ一つ。

 この街と商取引ができるかどうか、

 それを確かめに来たんどす」


太郎「商取引……?」


オカン「太郎、倉庫見せたらええ。

    あそこ、今すごいことになっとるで」


太郎「え、倉庫? なんかあったっけ……?」


太郎はマッチャ一行を連れて、ギルド裏の倉庫へ向かった。

扉を開けた瞬間、マッチャの扇子がピタリと止まる。


「……まぁ……これはまた……」


倉庫いっぱいに、宝石の山のような素材が積み上がっていた。


翡翠のように光る チャワンセキ。

白く輝く ユキガラス。

甘い香りの コウロウキ。

澄んだ音を響かせる カグラメタル。

絹のように光沢を放つ ミヤビシルク。


玲奈「……ちょっと待って。これ全部……ダンジョン素材よね?」


晴斗「なんでこんな量あんねん!」


蒼真「太郎、お前……知らんかったんか?」


ひより「こ、こんなに……!? わたしも初めて見ました……!」


太郎「知らん! 全然知らん!!」


ミスリルゴーレム(小)

「ピッ……採取……完了……搬出……完了……」


太郎「お前かぁぁぁ!!」


オカン「せや。ダンジョンの中は危険やから、

    自動採取ライン作っといたんや」


太郎「勝手に工場つくんな!!」


マッチャは素材の山を見つめ、

ゆっくりと扇子を閉じた。


(……帝国でも滅多に手に入らん高級素材……

 これは……攻め滅ぼすべきか、手をたずさえるべきか……

 悩ましいところどすなぁ……)


表情は変えず、ただ静かに微笑む。


「……ふふ。

 えらい……おもしろい街どすなぁ」


太郎「褒められてるんか……?」


晴斗「今回は褒めてるほうや」


蒼真「たぶんな」


ひより「よ、よかったです……?」


マッチャは太郎たちの様子をしばらく見つめ、

静かに扇子を閉じた。


「……今日は、これで失礼いたしますえ。

 本国へ持ち帰って、よう相談させてもらいますわ。

 また改めて……正式な使節団として参ります」


太郎「え、帰るんか?」


マッチャ「ええ。

 この街……“放っといたら大きゅうなる”匂いがしますさかい。

 うちも、慎重に動かなあきまへんのや」


蒼真「……なんか、めっちゃ含みある言い方やな」


晴斗「絶対また来るやつやん」


玲奈「太郎くん、外交……忙しくなるよ?」


ひより「が、頑張ってください……太郎さん……!」


オカン「太郎、次はちゃんとお茶菓子用意しとき。

    キョウ帝国の人、甘いもん好きやで」


太郎「なんでそんな知っとんねん!!」



太郎がギルドに戻り、ステータスを開いた瞬間、

頭の中に文字が浮かんだ。


『オカンのスキル<魔改造>が進化しました。

 <超魔改造>が発現しました』


太郎「……“超魔改造”……って、なんやこれ……?」


────────────────────────


【山田太郎】

職業:あきんど レベル:1(固定)


■基本ステータス

筋力:D 敏捷:C 体力:D+

魔力:C- 精神:D+ 知力:D

器用:C 幸運:F


■内部ステータス

内部レベル:45

内部補正:全ステ+108%

内部幸運:A


■ユニークスキル

<オカン>

 └<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>

  <未来予測+1> <超魔改造(進化)>

<金で解決できへんことない>

 └<札束でしばく> <課金ガチャ>


■スキル

<領地管理>

 └<開拓> <防衛構築+1>

<魔法>

 └<魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>

<武術中級>

 └<回避+1> <串うち乱れ撃ち>

<剣術中級>

 └<高速刺突> <レイピア中級> <ハヤブサ乱舞> <二刀流基礎>

<生産技術初級>

 └<鍛治初級> <調理初級>

<耐性>

 └<熱耐性+3> <氷耐性+2> <おかんの手>


■加護

<勇者との絆>


■装備

ミスリル繊維軽装防具+1

ミスリル製コテ+1

ミスリル製ピック+1

ミスリル製串

ゴーレムの指輪



晴斗「超魔改造!? 太郎、お前……ダンジョンで何したんや!」


蒼真「周りの国に知られたら、絶対ややこしいことになるぞ……!」


玲奈「太郎、あなた……“超”ってつくほどのことしたの?」


ひより「ちょ、超……!? 太郎さん……?」


太郎「なにもしてへん! ただ入って倒して帰っただけや!」


オカン「炎と氷のダンジョン、危なかったから

    “ちょびっと”直しといたんや」


太郎「ちょびっとちゃうやろ!!」


晴斗「ダンジョンを“直す”って発想がまずおかしい!」


蒼真「ほんまに周辺国にバレたら、街ごと狙われるぞ……!」


玲奈「もうバレかけてたけどね」


ひより「太郎さん……ほんとに……すごい……」


太郎「褒められてる気せぇへん!!」

読んでくれてほんまおおきに。主人公は最弱ステータスやのに、自作AIオカンだけは最強クラスでついてくるというバグみたいな状況で冒険しとります。

オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と作者より前に出てくる始末です。

もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。


この作品はカクヨムにも同時投稿しており、どちらでも読みやすいように調整しています。更新はできるかぎり 毎日2回でがんばります。

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