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異世界でオカン(AI)がうるさい 〜追放された俺、最適化されて最強になる〜  作者: トレス=レイ
第一章 王国編

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第27話 レッサーアイスドラゴンと雷の一閃

氷の湯治場を抜けた先、巨大な氷の扉がギギギ……と音を立てて開いた。

冷気が吹きつけてきて、思わず肩をすくめる。


「……絶対ロクなもんおらんやつやん」


オカンが腕を組んでうなずく。


「太郎、覚悟しぃ。ここがボス部屋や」


その言葉と同時に、奥の闇が揺れた。

ズズン……と地響き。

氷柱が震え、白い息が吹き荒れる。


姿を現したのは――

レッサーアイスドラゴン。


「いやいやいや!! 氷風呂の次がドラゴンてどういう順番やねん!!」


「太郎、氷風呂よりは優しいで」


「優しいドラゴンおるか!!」


玲奈が俺の袖をぎゅっとつかむ。


「太郎くん……気をつけて……!」


その手が震えてるのを見て、俺の方が腹をくくった。


「大丈夫や。玲奈ちゃんは俺が守る」


ストレージから、

オリハルコン・ドラゴンスレイヤーを取り出す。


ドラゴンが口を開いた瞬間――

未来予測が走る。


(来る……氷ブレス!!)


「玲奈ちゃん、抱きついといて!!」


「えっ!? きゃっ!」


俺は玲奈を抱えたまま、横へ飛び込んだ。

直後、氷の奔流が床を凍らせていく。


「太郎、ナイス回避や!」


「褒めてる場合ちゃう! 死ぬとこやったわ!」


ドラゴンが続けざまに翼を広げ、

アイスバレットを連射してきた。


(右から三発、左から二発……!)


未来予測で軌道を読み、玲奈を抱えたまま滑り込む。


「太郎くん、すごい……!」


「すごいとか言う前にしがみついといて!!」


氷床で足を取られそうになりながらも、なんとか踏ん張る。


ドラゴンが隙を見せた瞬間、俺は飛び込んだ。


「うおおおお!!」


ドラゴンスレイヤーを振り下ろす。

刃は確かにドラゴンの鱗を裂いた。


「よっしゃ、効いとる!!」


……と思ったのも束の間。


玲奈が氷ムチを振るい、追撃を入れた瞬間――

ドラゴンの傷が、

じゅわっ……と音を立てて凍り、塞がっていく。


「……は?」


オカンが叫ぶ。


「太郎!! 氷属性はアカン!! あいつ氷で回復するタイプや!!」


「なんでやねん!! 氷の敵に氷ムチはアカンやろ!!」


玲奈が真っ赤になって慌てる。


「ご、ごめん!! つい……!」


「ついで氷ムチ出すな!!」



ドラゴンが咆哮し、再び氷弾を撃ち出す。


(くっ……! 避けるしかない!)


俺は玲奈を抱き寄せ、転がるように回避した。


その瞬間、ストレージの中でミスリル製串がカラカラと震えた。


(……なんや? 串が勝手に……)


未来予測が、氷弾の軌道とは別の“もう一つのルート”を示す。


(串を……投げろ? このタイミングで?)


反射的に、俺はミスリル串を数本まとめてドラゴンに投げた。


ヒュッ!!


串は氷弾の隙間を縫うように飛び、

レッサーアイスドラゴンの翼膜に突き刺さった。


「おお!? 今の……ワイの投げたんか!?」


オカンが叫ぶ。


「太郎!! 今の動き……串打ちと投てきが重なっとる!!

 スキル、進化するで!!」


ピコンッ!!


【スキル<串打ち>と<投てき基礎>が統合されました】

【<串うち乱れ撃ち>を習得しました】


「乱れ撃ち!? 串で!? なんでやねん!!」


「太郎、串は武器や。誇りや」


「誇りの方向性おかしいやろ!!」



「太郎くん……ごめん……私のせいで……!」


「玲奈ちゃんのせいやない! 属性相性が悪いだけや!」


「でも……!」


「大丈夫や。氷がアカンなら……別の属性にしたらええ!」


玲奈がはっと顔を上げる。


「……別の、属性……」


その瞬間、玲奈の身体がふわっと光に包まれた。


「えっ……また服が……!」


光が収まると――

玲奈のローブは、

雷模様の軽装に変わっていた。


「なんで雷柄やねん!!」


「い、イメージしたら……こうなっちゃって……!」


オカンが冷静に言う。


「玲奈ちゃん、魔法衣はイメージで変化するんや。今さらやけど」


「今さらかい!!」


玲奈が雷を帯びたムチを構える。


「太郎くん……いくよ!!」


ムチがしなると同時に、

バチィッ!!

雷光が走り、ドラゴンの身体に直撃した。


レッサーアイスドラゴンが苦しげに吠える。


「効いとる!! 雷が弱点や!!」


「太郎くん、今のうちに!!」


未来予測が再び走る。


(次の一秒……ドラゴンが首を下げる……!

 その瞬間が唯一の隙……!)


「玲奈ちゃん、もう一発!!」


「うん!!」


雷ムチがドラゴンの顔面を打ち据え、

ドラゴンがのけぞる。


今や――

未来予測が示す“決定打の瞬間”。


「うおおおおおお!!」


俺はドラゴンスレイヤーを構え、

雷光の中へ飛び込んだ。


刃がドラゴンの首元に吸い込まれるように走り――

ズバァッ!!


レッサーアイスドラゴンの咆哮が途切れ、

巨体がゆっくりと崩れ落ちた。


「……倒した……?」


玲奈が震える声でつぶやく。


俺は肩で息をしながら、剣を下ろした。


「……ああ。倒したで……!」


オカンが満足げにうなずく。


「太郎、ようやった。経験値がもったいなくなくて済んだわ」


「最後までそこかい!!」


玲奈が駆け寄ってきて、俺の手をぎゅっと握る。


「太郎くん……本当に……すごかった……!」


「玲奈ちゃんの雷ムチがなかったら無理やったで」


「えへへ……」


雷模様の服のまま、玲奈は照れ笑いを浮かべた。


「……その服、いつ戻るん?」


「えっ!? あっ……忘れてた!!」


「忘れるな!!」


氷のボス部屋に、俺のツッコミが響いた。


────────────────────────


【山田太郎】

職業:あきんど レベル:1(固定)


■基本ステータス

 筋力:D 敏捷:C↑ 体力:D+

 魔力:C- 精神:D+ 知力:D

 器用:C 幸運:F


■内部ステータス

 内部レベル:45

 内部補正:全ステ+108%

 内部幸運:A


■ユニークスキル

<オカン>

 └<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>

  <未来予測+1> <魔改造>

<金で解決できへんことない>

 └<札束でしばく> <課金ガチャ>


■スキル

<領地管理>

 └<開拓> <防衛構築+1>

<魔法>

 └<魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>

<武術中級>

 └<回避+1> <串うち乱れ撃ち(進化)>

<剣術中級>

 └<高速刺突> <レイピア中級> <ハヤブサ乱舞> <二刀流基礎>

<生産技術初級>

 └<鍛治初級> <調理初級>

<耐性>

 └<熱耐性+3> <氷耐性+2> <おかんの手>


■加護

<勇者との絆>


■装備

 ミスリル繊維軽装防具+1

 ミスリル製コテ+1

 ミスリル製ピック+1

 ミスリル製串

 ゴーレムの指輪

 オリハルコン・ドラゴンスレイヤー(SS剣)



太郎「……はぁ……死ぬかと思った……」

玲奈「太郎くん、本当にすごかったよ……!」

太郎「いや玲奈ちゃんの雷ムチがなかったら終わってたで」

玲奈「えへへ……でも、服が……まだ雷柄のまま……」

太郎「それ早よ戻して!! なんで戦闘後もビリビリしとんねん!」

オカン「太郎、雷柄の玲奈ちゃんも可愛いやろ」

太郎「オカンが何言うてんねん!!」

玲奈「か、可愛いとか言わないでぇぇぇ!!」

太郎「いや言うてへんのよ!? オカンが勝手に……!」

オカン「まあまあ、経験値はしっかり入ったし、ええ戦いやったで」

太郎「最後までそこやな!!」

読んでくれてほんまおおきに。主人公は最弱ステータスやのに、自作AIオカンだけは最強クラスでついてくるというバグみたいな状況で冒険しとります。

オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と作者より前に出てくる始末です。

もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。


この作品はカクヨムにも同時投稿しており、どちらでも読みやすいように調整しています。更新はできるかぎり 毎日2回でがんばります。

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