第23話 禁忌の魔杖、最後の代償 ― エルダーリッチ討伐戦
城壁の外で、禁忌の魔杖が赤黒く脈動していた。
その光はまるで巨大な心臓の鼓動のように、
ドクン……ドクン……と空気を震わせている。
魔導士たちは必死に杖を押さえつけていたが、
逆流する瘴気は彼らの腕を焼き、皮膚を黒く焦がしていく。
魔導士「ぐ……あ……!? 体が……燃える……!」
太郎「おい、なんかヤバいって!! あれ絶対アカンやつやろ!!」
オカン「太郎、あれは“魔杖の代償”や。
魔力を吸われた魔導士は――」
魔導士の皮膚がみるみる干からび、
肉が崩れ、骨が露出し、
黒紫の魔力が全身を覆っていく。
オカン「――リッチになるんや」
太郎「なるんや、ちゃうわ!!」
魔導士5名は悲鳴を上げながら、
完全なリッチへと変貌した。
リッチ「■■■■……ヒョウガミの光……滅すべし……」
その声は金属を擦り合わせたような不快な響きで、
聞くだけで背筋が凍る。
晴斗「やばいぞ太郎! あれはもう人じゃない!」
リッチ達が同時に詠唱を開始する。
空気が震え、地面が波打つ。
蒼真「来るぞ! 広範囲殲滅魔法だ!!」
太郎「うわあああああああ!!」
黒い奔流が城壁へ迫る。
太郎の体が勝手に反応し、
胸の奥から魔力が爆発した。
太郎「うおおおおおおおお!!」
太郎の魔力が暴発し、
リッチの魔法と激突する。
ドォォォォォォォン!!
衝撃波が城壁を揺らし、
砂煙が舞い上がる。
相殺。
しかし太郎は反動で吹き飛ばされ、
地面に転がった。
太郎「いっっっっっっっっった!! 背中割れたかと思った!!」
オカン「太郎、魔力操作は慣れや」
太郎「慣れで済むか!!」
リッチ達は勝利を確信し、
城壁を越えて街へ侵入しようとした。
リッチ「■■■……ヒョウガミの偽りを……正す……」
しかし──
シュウウウウウウウウ……
聖域に触れた瞬間、
煙のように消滅した。
太郎「えっ!? 弱っ!? なんで!?」
オカン「太郎、アンデッドは聖域に弱いんや。
リッチでも例外やない」
太郎「もっと早く言え!!」
オカンは光の粒を吸い上げてニンマリ。
オカン「太郎、経験値うまっ」
太郎「言い方!!」
その時、魔杖が悲鳴のような音を上げた。
瘴気が一点に収束し、
ビリケーン教司祭を包み込む。
司祭「ヒョウガミなど偽り……真の神は……我に……!」
骨が軋み、肉が崩れ、
巨大な骸骨の魔物へ変貌する。
エルダーリッチ「■■■■■■……信仰は力……力は死……死こそ救済……」
太郎「なんか喋った!? 怖っ!!」
魔杖は光り輝き、
役目を終えて砕け散った。
エルダーリッチが腕を振り下ろす。
ドォォォォォォォン!!
城壁が粉砕され、
瘴気が街へ流れ込む。
聖域の光とぶつかり合い、
空中で火花を散らす。
ひより「……加護が……押されてる……!」
晴斗「太郎! もう前に出られるのはお前だけだ!」
太郎「なんでやねん!!」
騎士団は負傷者を抱え、
聖域内へ撤退した。
太郎は腕を押さえながら立ち上がる。
太郎「……くそ……立たな……」
太郎「オカン……ガチャや」
オカン「太郎!? 今ここでそれ使うん!?
あれは“ダンジョンで宝が出る前提”の投資やで!!」
太郎「知らん!! 今は勝たなあかん!!」
課金ガチャ発動。
1回目:ハズレ
2回目:ハズレ
3回目:ハズレ
4回目:ハズレ
オカン「太郎ぉぉぉ!!
なんで1回500万Gになっとんねん!!
前は10万Gやったやろ!?
資産が増えたからって勝手に増額すなぁぁぁ!!
4回で2000万Gやで!?
完全に損切りやぁぁぁ!!」
太郎「知らん!! 勝たな死ぬんや!!」
5回目――
太郎「来たぁぁぁぁぁぁ!!」
虹色の光の柱が立ち上がり、
一本の槍が太郎の手に収まる。
【光滅の聖槍(槍:SS武器)】
オカン「太郎ぉぉぉ!!
5回で2500万Gやで!?
ここダンジョンちゃうから宝箱出ぇへんのにぃぃ!!
完全に損切りやぁぁぁ!!」
太郎「泣くな!!」
太郎は槍を構え、魔力制御(上級)を全開にする。
光滅の聖槍が眩い光を纏い、瘴気を切り裂く。
太郎「うおおおおおおおお!!」
エルダーリッチ「■■■■■■……救済……我こそ……永遠……」
太郎「うるさいわ!!」
ドォォォォォォォン!!
光が爆発し、エルダーリッチの核が砕け散る。
骸骨の巨体が崩れ落ち、瘴気が晴れていく。
太郎「……終わった……?」
オカン「太郎……今回のガチャ……完全に損切りや……」
太郎「勝ったんやからええやろ!!」
オカン「心の傷は深いんや……」
太郎「知らんわ!!」
────────────────────────
【山田太郎】
職業:あきんど レベル:1(固定)
■基本ステータス
筋力:D↑ 敏捷:D+↑ 体力:D↑
魔力:C-↑↑ 精神:D+↑↑ 知力:D↑
器用:C↑ 幸運:F
■内部ステータス
内部レベル:41
内部補正:全ステ+97%
内部幸運:A
■ユニークスキル
<オカン>
└<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>
<未来予測+1> <魔改造>
<金で解決できへんことない>
└<札束でしばく> <課金ガチャ>
■スキル
<領地管理(進化)>
└<開拓> <防衛構築+1(進化)>
<魔法>
└<魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>
<武術中級>
└<回避+1> <投てき基礎>
<剣術中級>
└<高速刺突> <レイピア中級> <ハヤブサ乱舞> <二刀流基礎>
<生産技術初級>
└<鍛治初級> <調理初級>
<耐性>
└<熱耐性+3> <おかんの手>
■加護
<勇者との絆>
■装備
ミスリル繊維軽装防具+1
ミスリル製コテ+1
ミスリル製ピック+1
ゴーレムの指輪
太郎「オカン! なんで魔力こんな上がっとんねん!?
C-って俺もう魔法職ちゃうんか!」
オカン「太郎、リッチ5体とエルダーリッチ浄化したんや。
魔力だけ爆伸びするに決まっとるやろ」
太郎「決まっとるんかい!!」
オカン「しかも聖域の浄化で魔力の流れが安定した上に、
聖槍は魔力の扱いが上手いほど強うなる武器や。
相性が良すぎて勝手に“魔力制御全開”になっとるんや」
太郎「勝手に全開ってなんやねん!!
俺、あきんどやぞ!!」
オカン「太郎、あきんどは魔力で殴る時代や」
太郎「聞いたことないわ!!」
読んでくれてほんまおおきに。主人公は最弱ステータスやのに、自作AIだけは最強クラスでついてくるというバグみたいな状況で冒険しとります。
オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と作者より前に出てくる始末です。
もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。
この作品はカクヨムにも同時投稿しており、どちらでも読みやすいように調整しています。更新はできるかぎり 毎日2回(朝6時/夜20時)でがんばります。




