第17話 炎の試練 ― 太郎、熱地獄で覚醒する
太郎の視界が白く染まり、次の瞬間――
灼熱の空気が肌を刺した。
「……あっつ!!!!!」
炎のダンジョン。
地面は赤く脈打ち、壁は溶岩のように光り、
空気そのものが熱で揺らいでいる。
太郎「……うわ、地獄やん……!」
オカンの声が脳内に響く。
「太郎、落ち着き。熱耐性+1あるやろ」
「ミスリル繊維が熱通すんや!! 意味ないやん!!」
防御力は高いが、熱伝導率も高すぎる。
太郎は汗だくになりながら進んだ。
「ピギャァァァ!!」
炎属性のレッドスライムが飛び出してきた。
本来なら、ぷるぷる揺れながら のそのそ 近づいてくるはずの魔物。
だが次の瞬間――
スライムの体が膨らみ、真っ赤に発光し、
そのまま“火の玉”みたいに高速で飛んできた。
しかも、太郎をロックオンしたかのように軌道を変えて追尾してくる。
必死に避ける太郎
【<回避>が<回避+1>に進化しました】
太郎「いやいやいや!! スライムってもっとゆっくり動く生き物ちゃうんか!?
なんで高速火の玉になって追尾してくんねん!!」
太郎はサーバーストレージからミスリル製鉄板を取り出し、盾のように構えた。
ジュウウウウウッ!!
「アッツ!! 盾まで熱くなるとか聞いてへん!!」
さらにミスリル製のコテで斬りつけると――
ジュワァァァ!!
「コテも熱い!! 持てへん!!」
その瞬間、太郎の手が光った。
【スキル<おかんの手>の手を取得しました】
太郎「……あれ? 熱くない……?」
オカン「世の中のオカンはな熱いものを持てるんや!」
太郎「いらんスキルや!!」
同時に、太郎の体が熱に慣れていく。
【<熱耐性+1> が <熱耐性+2>に進化しました】
太郎「……さっきより、ちょっとマシになった気がする……」
奥へ進むと、赤いトカゲが姿を現した。
炎をまとい、鋭い目で太郎を睨む。
「ギャアアアア!!」
炎ブレスが飛んでくる。
太郎「うおおおおおお!! 熱い熱い熱い!!」
肩当てが真っ赤に焼ける。
太郎「肩当て熱すぎる!!」
オカン「外したらええやろ」
太郎「最初から言えや!!」
太郎は肩当てを外し、ストレージに放り込んだ。
動きが軽くなり、太郎は再びミスリル製鉄板を構える。
「鉄板ぶん投げぇぇぇ!!」
ガンッ!!
炎トカゲは吹き飛び、壁に叩きつけられて沈黙した。
<スキル獲得:投てき基礎>
太郎「……俺、投げる才能あったんか?」
オカン「太郎、あんたは何でも投げたら強いで」
太郎「褒められてる気がせぇへん!」
ドロップ:魔石、炎トカゲの皮、炎袋
宝箱:金貨、炎耐性ポーション、古代の指輪
オカン(脳内)
「太郎、ええ稼ぎや。全部サーバーストレージ入れとき」
太郎「……やっぱり守銭奴やな」
さらに奥へ進むと、古代文明の鍛冶場が残っていた。
太郎の周囲に魔力が集まり、オカンの声が響く。
「太郎、防具と武器に“熱無効”付与するで」
太郎「最初からつけとけや!!」
ミスリル繊維の軽装防具に熱を遮断する魔法陣を刻む。
ミスリル製コテとミスリル製ピックにも同じ加工を施す。
太郎「うおおお! 熱くない!!」
オカン「最適や」
太郎「その“最適”が一番怖いんや!!」
太郎「ミスリル製の鉄板にも付与しとくか……?」
オカン「アカン!! お好み焼き作れんようになるやないか!」
太郎「今それ言うんかい! ……わかった、やめとくわ」
鍛冶場を抜けると、空気が変わった。
熱気がさらに濃く、重く、肌に刺さるような圧力がある。
太郎は思わず足を止めた。
「……なんや、この空気……」
地面が揺れ、溶岩が吹き上がる。
「グルルルルル……」
巨大な影が、ゆっくりと姿を現した。
レッサーファイヤドラゴン。
ドラゴンの亜種とはいえ、普通に強敵。
そして――
太郎を見下ろすその目は、明らかにバカにしていた。
太郎「なんやその目ぇ!! 舐めとんのか!!」
オカン「太郎、ここが本番や」
太郎はミスリル製鉄板を構え、深呼吸した。
その瞬間、体の奥から、さらに熱への耐性がせり上がってくる感覚があった。
<熱耐性+2 が 熱耐性+3になりました>
太郎「……よっしゃ、今ならまだ立ってられる……!」
「……よっしゃ、やったるで……!」
【山田太郎】
職業:あきんど レベル:1(固定)
■基本ステータス
筋力:E 敏捷:E+ 体力:E
魔力:E- 精神:E+ 知力:E+
器用:D+ 幸運:F
■内部ステータス
内部レベル:36
内部補正:全ステ+88%
内部幸運:A(オカン補正)
■ユニークスキル
<オカン>
└<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>
<未来予測> <魔改造>
<金で解決できへんことない>
└<札束でしばく>
■スキル
<魔法>
└<魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>
<街づくり>
└<開拓> <防衛構築>
<武術基礎>
└<回避+1>(進化) <投てき基礎>(new)
<剣術基礎>
└<高速刺突> <レイピア中級> <ハヤブサ乱舞> <二刀流基礎>
<生産技術初級>
└<鍛治初級> <調理初級>
<耐性>
└<熱耐性+3>(進化) <おかんの手>(new)
■加護
<勇者との絆>
■装備
ミスリル繊維の軽装防具+1(熱無効付与)
ミスリル製コテ+1(熱無効付与)
ミスリル製ピック+1(熱無効付与)
ミスリル製鉄板
ゴーレムの指輪
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太郎「……俺、今日だけで三回は死にかけたで」
オカン『その分、熱耐性が上がったやろ。結果的にプラスや』
太郎「プラスとか言うな! 命の残高ゼロやったんやぞ!」
オカン『ゼロでもマイナスでも、経験値さえ入れば問題なしや』
太郎「ブラック企業の発想やんけ!!」
オカン『太郎、次はドラゴン倒したら稼ぎ跳ね上がるで』
太郎「命の危険と収入を天秤にかけるな!!」
オカン『安心し。太郎は死なんようにウチが調整しとる』
太郎「その“調整”がギリギリすぎるんや!!」
オカン『ギリギリのほうが伸びるんや。太郎は安売りしたらアカンで』
読んでくれてほんまおおきに。主人公は最弱ステータスやのに、自作AIだけは最強クラスでついてくるというバグみたいな状況で冒険しとります。
オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と作者より前に出てくる始末です。
もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。
この作品はカクヨムにも同時投稿しており、どちらでも読みやすいように調整しています。更新はできるかぎり 毎日2回(朝6時/夜20時)でがんばります。




