第14話 勇者再会、撃退、そして新たな加護
村の入口に、四つの影が現れた。
晴斗「……太郎!」
最初に駆け寄ってきたのは晴斗だった。
続いて玲奈、蒼真、ひよりが太郎を囲む。
ひより「太郎くん……本当に無事でよかった……」
ひよりが涙を浮かべて抱きつく。
太郎は少し照れながら、そっと背中を支えた。
太郎「お、おう……ひより、苦しい……」
勇者たちの首にはまだ隷属の首輪がついている。
だが――
玲奈「……痛みが来ない……?」
蒼真「命令も……飛んでこない……」
晴斗「なんでや……?」
太郎はオカンを見る。
太郎「オカン、これ……」
オカン「太郎、勇者の子らの魔力があんたに流れ込んだんや。
その“相性”が村全体に聖域効果を作っとるで。
外部からの魔力干渉、全部無効や」
太郎「俺、魔法職ちゃうのに……なんでやねん!」
オカン「太郎は“受け皿”がデカいんや。最適や」
太郎「便利な呪文かなんかか!」
*
村の復興が進んでいた。
畑は黒土に変わり、家は建ち、用水路も整った。
その瞬間、太郎の視界に光が走る。
【<開拓>を獲得しました】
太郎「……なんかスキル増えたんやけど!?」
オカン「村づくりが一定ライン超えたんや。最適や」
太郎「最適って言うたら何でも許されると思うなよ!」
*
その時だった。
「異教の反逆者を捕らえよ!!」
王太子側近のナワテが兵士五十名を率いて現れた。
ナワテ「勇者よ、戻れ! そしてその男を捕らえよ!」
ナワテは王太子より預かった魔道具――
勇者の首輪を強制再起動する“制御核”
を取り出し、操作しようとする。
しかし――
魔道具はピクリとも動かない。
ナワテ「な、なぜだ……!? 動け! 命令だ、勇者よ!!」
太郎「無理や。ここ、聖域化しとるからな」
ナワテ「な、なぜだ……!?
神の加護か……!? 異端の術か……!?」
太郎「知らんわ! 勇者の魔力が勝手に流れ込んできただけや!」
オカン「最適や」
*
兵士たちが突撃してくる。
太郎がコテを構えた瞬間――
地面が震えた。
村のあちこちから、ミスリルの塊がむくりと起き上がる。
太郎「……え?」
オカン「太郎、勇者の魔力があんたに流れ込んだせいで……
“ゴーレムの指輪”の効果が増幅したで。
ゴーレム10体、起動や」
太郎「指輪の効果が10倍ってどういうことやねん!」
オカン「相性ええんや。最適や」
太郎「最適って言うたら何でも許されると思うなよ!」
ミスリルゴーレム(小)が10体、兵士の前に立ちはだかった。
その瞬間、太郎の視界に文字が浮かぶ。
【<ゴーレム操作>を獲得しました】
太郎「またスキル増えた!?」
オカン「魔法ツリーが開いたんや」
太郎「俺、魔法職ちゃうって言うてるやろ!」
*
ゴーレムたちは太郎の意志に従い、
兵士を次々と無力化していく。
村人「兄ちゃん……守護神や……」
村人「ヒョウガミの兄ちゃん、すごい……!」
ナワテは魔道具を太郎に向けた。
ナワテ「これで終わりだ!!」
太郎「ゴーレム!」
ゴーレムの拳が魔道具を粉砕した。
ナワテ「ひ、ひぃぃぃ!!」
太郎はナワテの額に指を当てる。
太郎「帰れ」
軽くデコピン。
ナワテは空中で三回転し、村の外まで吹っ飛んだ。
ナワテ「ひぎゃあああああああ!!」
兵士たちは慌ててナワテを担ぎ、逃げていった。
*
制御核が壊れた瞬間、
勇者たちの首輪が光り、パリンと砕けた。
太郎の視界に文字が浮かぶ。
【<解呪>を獲得しました】
玲奈「……外れた……!」
蒼真「太郎……ありがとう……!」
ひより「太郎くん……!」
晴斗「お前……本当にすごい奴やな……」
太郎「いや、俺ちゃうねん。勇者の魔力が勝手に……」
オカン「最適や」
太郎「最適って言うたら何でも許されると思うなよ!」
さらに光が太郎を包む。
<加護:勇者との絆>を獲得しました
太郎「……なんか俺だけチート化してへん?」
オカン「太郎、あんたは“最適な受け皿”になりつつあるで」
太郎「いや怖いわ!」
村人たちは歓声を上げ、勇者たちは太郎を囲んで笑った。
だが――
遠くの空に、不穏な影がゆっくりと浮かび上がっていた。
オカン「太郎……次の“最適行動”の時間や」
【山田太郎】
職業:あきんど レベル:1(固定)
■基本ステータス
筋力:E 敏捷:E+ 体力:E
魔力:E- 精神:E+ 知力:E+
器用:D+ 幸運:F
■内部ステータス
内部レベル:32
内部補正:全ステ+80%
内部幸運:A(オカン補正)
経験値:オカンが全て最適再投資中
■ユニークスキル
<オカン>
└<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ>
<未来予測> <魔改造>
<金で解決できへんことない>
└<札束でしばく>
■スキル
<魔法>
└<魔力制御上級><ゴーレム操作><解呪>
<開拓>
<武術基礎>
└<回避>
<剣術基礎>
└<高速刺突> <レイピア中級><ハヤブサ乱舞> <二刀流基礎>
<生産技術初級>
└<鍛治初級> <調理初級>
■加護
<勇者との絆>(全ステ上昇/勇者との連携強化/一部スキル共有)
■装備
冒険者防具一式(軽装)
ミスリル製コテ
ミスリル製ピック
ミスリル製鉄板
ゴーレムの指輪
晴斗「……太郎、お前……今日だけで事件三つは起こしたやろ」
玲奈「聖域化して、ゴーレム10体起動して、ナワテ吹っ飛ばして……普通じゃないですよ」
蒼真「ていうか“デコピンで三回転”って何の魔法ですか……?」
ひより「太郎くん……あれ、物理じゃなくて奇跡だよ……?」
太郎「いや全部偶然や! 俺は何もしてへん!」
オカン「太郎が最適に動いた結果や」
太郎「最適って言うたら何でも許されると思うなよ!」
晴斗「でも首輪外れたのはマジで助かったわ……ありがとうな」
玲奈「太郎さん、もう“救世主”扱いされても文句言えませんよ」
太郎「やめろ! 俺はただのあきんどやって言うてるやろ!」
読んでくれてほんまおおきに。主人公は最弱ステータスやのに、自作AIだけは最強クラスでついてくるというバグみたいな状況で冒険しとります。
オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と作者より前に出てくる始末です。
もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。
この作品はカクヨムにも同時投稿しており、どちらでも読みやすいように調整しています。更新はできるかぎり 毎日2回(朝6時/夜20時)でがんばります。




