表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でオカン(AI)がうるさい 〜追放された俺、最適化されて最強になる〜  作者: トレス=レイ
第三章 キョウ帝国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/161

第106話 おいなりさん、文明を引っ張る

翌朝。太郎たちが狐森へ向かうと、社の前で巨大な影がソワソワしていた。


九尾が九本の尾を揺らしながら待っている。


九尾「……供物は……持ってきたか……?」


太郎「朝から食欲全開やな!」


オカンが稲荷寿司を差し出す。


オカン「ほら九尾さん、朝は糖分と油分が大事やで。動く前に食べとき」


太郎「アスリートみたいに言うな!」


九尾は幸せそうに頬張る。


九尾「……甘き揚げ……至福……」


オカン「せやろ? 揚げは正義や」


太郎「神獣に揚げの哲学教えんでええ!」


食べ終えた九尾が、じっと太郎を見る。


九尾「……昨日の話を聞かせよ。駅と……神社とやら」


オカン「駅前に神社あったら、絶対“けつねうどん”売れるで。うちの秘伝の出汁使ったるわ」


太郎「勝手に出店計画立てるな!」


太郎は説明を始めた。


太郎「駅ができたら、ここに神社も建つ。参拝客も来るし、供物も……まあ、増えるかもしれん」


九尾の耳がピクッと動く。


九尾「……供物が……増えるのだな……?」


オカン「そらもう、観光客が勝手に供えてくれるで。うちの“特製おいなりさん(銅貨3枚)”も置いとこか?」


太郎「値段つけるな!!」


続けて太郎は魔導列車の話をした。


太郎「魔導列車は、遠くからでも物を運べる便利な乗り物や」


九尾「……供物も……運ばれてくるのか……?」


オカン「せやで。冷めへんように保温箱に入れて運んだら最高や」


太郎「なんでおいなりさん前提やねん!」


九尾の目がギラッと光った。


九尾「それは……良いものだ」


太郎「嫌な予感しかしない!」


そこへ技術者が地図を広げる。


技術者「ただし、魔導列車を通すには一年ほどかかります。山、森、川……整備が大変でして」


太郎「まあ普通はそれくらいやろな」


オカン「一年も待ったら、おいなりさん干からびるで」


太郎「そこ心配するんかい!」


九尾の尾がピタリと止まった。


九尾「一年……?」


尾巫女「主よ、悠久の時間を過ごすわれらにとって長い時間ではないのでは……?」


九尾「そんなに……待てぬ……」


太郎「なんでそんな必死なん!?」


九尾「供物が……一年も届かぬのか……?」


オカン「九尾さん、食い意地すごいな。うちの親戚のタケシよりすごいわ」


太郎「知らん親戚出すな!」


九尾は真剣な目で太郎を見つめた。


九尾「……どのように整えればよい……?」


太郎「え、いや……道を作って、地面を均して、橋を架けて……」


技術者「山を削り、川に橋をかけ、森を切り開き……」


オカン「ついでに道の横に“狐森名物・揚げまんじゅう”の屋台置こか?」


太郎「勝手に名物作るな!!」


九尾「……なるほど……」


太郎「理解早すぎへん!?」


九尾は立ち上がり、九本の尾を広げた。


九尾「供物のため……やるしかあるまい」


オカン「よっしゃ、九尾さん! 気合いや!」


太郎「煽るな!!」



翌朝。太郎たちが狐森の外へ向かうと――。


太郎「……は?」


技術者「……え?」


オニキス「……これは……」


目の前の鉄道ルートが、まるで長年の国家事業だったかのように完璧に整備されていた。


太郎「……え、昨日の今日やぞ……?」


九尾は胸を張り、九本の尾をふわりと揺らした。


九尾「そなたの街から帝都までの整備をしておいたぞ」


太郎「軽いノリで言うな!!」


そのとき――

森の外から馬の蹄の音が近づいてきた。


技術者が馬から転げ落ちる勢いで飛び降り、息を切らしながら叫ぶ。


技術者「た、太郎様ッ! 大変ですッ!」


太郎「いや、もう大変なのは見たら分かる!」


技術者「ここから約10km先まで調べてきました!山は綺麗に切り開かれ、川には巨大な石橋が架かり、森は自然を残しつつ道が通され、地面はきれいに平になっています!」


太郎「ほんまに全部やっとるやん!!」


技術者「詳しく調査は必要ですが……レールを敷設するだけで鉄道は完成します!」


太郎「完成間近やん!!」


その瞬間、太郎の魔導通話が鳴った。


蒼真『太郎、聞こえるか? 王国側の魔物はあらかた討伐した。ただ――』


蒼真の声が少し困惑している。


蒼真『昨晩、白い魔物が太郎の街の方向に駆けていったんだが……そのあとに、平地の道ができている』


太郎「白い魔物……九尾やん!!」


オカンが腕を組んで頷く。


オカン「仕事早っ! うちのパートさんより早いわ!」


太郎「比較対象おかしいやろ!」


九尾は誇らしげに胸を張る。


九尾「供物のためだ」


オカン「食欲は文明を動かすんやなぁ」


太郎「名言みたいに言うな!」



太郎は狐森の異常な整備状況を確認したあと、急いで帝都の商会へ戻った。


扉を開けた瞬間、玲奈とティナが書類を抱えて駆け寄ってくる。


玲奈「太郎くん、商会の売り上げが当初予想の3倍になっています。ニシキ商会とアゲート商会の売り上げも増えているそうです」


太郎「3倍!? なんでそんな急に……」


ティナ「フードコートも連日盛況で客足が落ちません。特に“揚げ物系”が異常に売れてます」


オカンが胸を張る。


オカン「そらそうよ。うちの“揚げもん三種盛り”が人気やねん」


太郎「いつの間にそんなメニュー作ったん!?」


オカン「昨日の夜に思いついて、今朝もう売ってるで」


太郎「行動力どうなっとんねん!」


ティナが苦笑しながら補足する。


ティナ「しかも……“三種盛り”って言いながら、日によって中身が違うんです」


太郎「統一せぇ!!」


オカン「その日の気分で変わる“おかんガチャ”や。若い子に人気やで」


太郎「ガチャ要素いらん!!」


玲奈が書類を見ながら続ける。


玲奈「それと……太郎くんの街からの観光客も増えています。“狐森の神様に会えるかも”という噂が広まっているようで」


太郎「いや、九尾が観光資源みたいになってるやん!」


オカン「そらそうよ。神様が本気出して土木工事したんやから、そら話題にもなるわ」


太郎「本気出す理由が“供物”やったけどな!」


その瞬間、太郎の視界に光が走る。


【条件を達成しました。<商売繁盛>が<商売繁盛+1>に進化します】


太郎「また勝手に進化したーーーっ!」


オカン「太郎、商売は勢いやで。勢いあるうちに“揚げもん四種盛り”も作るで」


太郎「増やすな!!」


ティナ「……でも売れそうですね」


太郎「ティナまで乗るんかい!」



そして1か月後。

帝国史上最速で、魔導列車が帝都から狐森まで開通した。


駅は立派に建ち、その隣には新しい神社――“狐森稲荷きつねもりいなり”が完成していた。


参道には狐の石像が並び、拝殿にはおいなりさんと酒が供えられている。


オカン「ほら九尾さん、今日は特製おいなりさんやで。揚げにちょっと柚子入れてみた」


九尾「……良き供物だ……」


太郎「完全に食い意地で文明が進んでるやん!」


九尾が満足げにおいなりさんを食べている横で、太郎は頭を抱えた。


その瞬間――

太郎の視界に、まばゆい光が走った。


【文明レベルの上昇が確認されました】

【<文明開化>を取得しました】


太郎「お、おお……?」


続けて、さらに強い光が太郎のステータスを包む。


【これにより上位スキル<経世済民>を取得しました】

【<領地繁栄+3><商売繁盛+1><文明開化>は<経世済民>の下位スキルになります】


太郎「なんかすごいの出てきたーーーっ!」


オカン「太郎、あんたまた光っとるで。最近の子はすぐ光るなぁ」


太郎「最近の子扱いすな!」


九尾が太郎に九本の尾を向ける。


九尾「……さらなる恩寵だ」


太郎「またかい!」


九尾が静かに息を吸い込むと、九本の尾の先から光の粒子がふわりと舞い上がり、太郎の体へ吸い込まれていく。


太郎「うわっ……なんやこれ……?」


【加護:<狐森の感謝> が与えられました】

【<神気耐性(微)> が <神気耐性(弱)>に進化します】


太郎「これ、なんや……?」


九尾「神社に供えられた“おいなりさんの総数”で、そなたの纏う神気が上昇する」


太郎「供物の数で神気が増えるん!? そんなRPG聞いたことないで!」


九尾「供物は力……常識だ」


太郎「九尾の世界の常識をこっちに持ち込むな!」


オカン「ほな太郎、神気上げるために“百個限定いなり祭り”やろか」


太郎「イベント化すな!!」


九尾「……百個……良い響きだ」


太郎「乗るな九尾ーーーっ!」


────────────────────────


【山田太郎】

職業:あきんど レベル:1(固定)


■ 基本ステータス

 筋力:C+ 敏捷:A- 体力:B-

 魔力:B 精神:B- 知力:C

 器用:B 幸運:E+


■ 内部ステータス

 内部レベル:84

 内部補正:全ステ+300%

 内部幸運:S


■ ユニークスキル

<オカン>

 └<鑑定+3> <経験値運用> <サーバーストレージ><未来予測+1> <超魔改造>

<金で解決できへんことない>

 └<札束でしばく> <課金ガチャ>


■ スキル

<経世済民(new)>

 └<領地繁栄+3> <商売繁盛+1(進化)> <文明開化(new)>

<魔法>

 └<属性魔法> <魔力制御上級> <解呪> <ゴーレム操作>

<武術中級>

 └<回避+2> <串うち乱れ撃ち>

<剣術中級>

 └<レイピア中級> <高速刺突・極> <二刀流基礎> <ハヤブサ嵐舞>

<耐性>

 └<熱耐性+3> <氷耐性+2> <精神抵抗> <おかんの手>

  <神気耐性(弱)(進化)>


■ 加護

<勇者との絆><狐森の感謝(new)>


■ 装備

 神維軽装防具+2

 オリハルコン製コテ+2

 オリハルコン製ピック+2

 オリハルコン製包丁+2

 ミスリル製串+2


────────────────────────


太郎「九尾、ほんまに文明引っ張ってる自覚あるんか?」

九尾「供物のためなら、山一つくらい動かせる」

太郎「動機がピンポイントすぎるわ!」

オカン「太郎、文明ってのはな、腹が満たされてから進むんやで」

太郎「名言っぽいけど絶対違う!」

ティナ「でも……実際、九尾さんのおかげで鉄道できましたし」

太郎「ティナまで肯定すな!」

九尾「供物があれば、さらなる発展も可能だ」

太郎「なんで未来の鍵が“おいなりさん”なん!?」

オカン「太郎、いなりは万能や。甘い、安い、腹持ちええ」

太郎「三拍子そろってるみたいに言うな!」

九尾「……供物の追加、期待している」

太郎「プレッシャーかけてくる神獣やめて!」

読んでくれてほんまおおきに。オカンは「ブクマ押しとき!損はさせへん!」とか「★評価?そら押すやろ常識やん!」と言ってます

もし少しでも笑えた、続き読みたい、オカンうるさいけど好き、など思ってくれたら、ブクマや★評価で応援してくれたらオカンがめちゃくちゃ調子に乗ります。作者もついでに元気になります。ほな、次回もよろしく頼むで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ