046『ストリートセッション』ジャンベ/アフリカンダンス/サックス/火魔法/波動拳/代々木公園『追体験』
私――たちも代々木公園付近や原宿駅近くの橋でストリートパフォーマンスをしたことがある――。
一人の時は入り口近くの道路側で、愛ポンのスマホアプリを使って軽く即興演奏し、それと共に踊る。舞踏る。
そうしていたところ通行人がアプリ名を知っていたらしく、確認されて「楽しそう」とお墨付きを頂いた。
別のフェス開催日には、秘密の薔薇園――本当は秘密じゃないけれど、心の中では秘密の薔薇のアーチをこえる。そして噴水の近く辺りで西アフリカ起源の打楽器ジャンベ、あるいはジェンベを演奏している集団に混ざって踊ったこともある。楽しいがテンポ早いし、ひたすらリズム取るのですごく疲れる。
それではここまで追体験してみよう。
ユニークスキル『追体験』なのか何の因果かは置いておき、ともかく追体験――。
私――たちは『クラン』一行は薔薇のアーチをこえて噴水近くまで歩いていた。私――はソファにおんぶしてもらっていた。ただなんとなく。ソファはやわらかくてきもちいい。時々むにゅんとお胸をさわるけれどソファは「もーう」と言いつつ特にオコらない。
(ソファって育ちはいいけれど結構力もちよね)
そう感じている矢先にポコポコとジャンベの叩く音、少し正確にはジャンベの皮膜が叩かれて筒内の空気が振動した音――が聴こえてきた。
私もソファの頭をポコポコ鳴らしはじめます――コラコラ……。
ソファにおんぶからおろされてしまいました。ぐすん……。
しばらく進むとジャンベ演奏集団がいるじゃないですか。十数人はいる様子。
すぐさま私たちは何も話さずに踊り始める。セッション開始。
私は両足を内側外側交互に開いたり閉じたり高速でしている。露出度の高い土着民族がよく踊りそうなやつ。
それにあわせてグーにした両手両腕を交互に上げたり下げたりする。ゴリラみたいに。
オジュたちも小刻みに足を動かして踊ってる。何かインディアンのようなラテン系のような。
パパパンパンパ パンパンパンパン パンパンパパン!
銘々ポーズをキメて3曲目でセッションを終わらせようとしたところ、パパラパーパーパーとサックスの音が聴こえてきた。乱入である。スト2とか龍虎の拳やらKOFキングオブファイターズばりの乱入だ――。
とはいえ私たちは闘うつもりはサラサラないし、ともいえノーガードというわけにも行かず、一発波動拳がてら誰かを送り出すことにした。
セクシーダイナマイトなオジュが行くかと思いきや、カナンとブルーと魔法少女アオ/ペキノが躍り出た!
カナンはアイドルもしてるから踊れて、アフリカンもノリがいいからイケるだろうし、ブルーはダンサーだからバリバリ踊れてアフリカンもスタイルにあっている。
でも魔法少女は踊れたっけ!?
振り付け踊ってるのは見たことあるが、即興でアフリカン。
――あ、何か魔法使ってる。火出してる――え?どーするの?どーするの?
すると火は空中で踊り始めた。ファイヤーダンスのように。
「なる、アフリカンにピッタリね」
演出家のきこみこさん《双子》がちょっと感心した。
二人は何かもう半身で抱き合ってる。顔と半身は火の方向を向いていた。
そのうちにゃんこわんこみたいにメタスキル『フュージョン』長い別名『合体Syncシナジー』を使い続けるかもしれない。はじめからそうであったかのように――。それってもしかして最高の愛の形のひとつなのかもしれない。そう感じた、今――。
でも「夏(追体験時)だから火は熱いよ!ペキノ!」
アオ/ペキノは火から温度を抜いた。器用なやつ。好きだなぁ。みんな好きだけれど。らぶ。
火は相変わらず空中をグルグルまわっている。熱くないから火を身体に纏い――まとわりつかせて、ブルーとついにオジュも踊りはじめる――。
まず三人によって最初のジャブの波動拳は成功している。サックスの音とセッションも、さらなる高まりを覚えた――。




