表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悠久のクロスファンタジア 〜DUAL WORLD〜  作者: はとかぜ
第2i章 魔界・王都編 -Ⅰ-
134/183

第122話 ノアール


王都・ノアール


総人口560万人、元の世界の基準で見ても、1市町村にしては多い方……というか、政令指定都市レベルの人口を抱える工業都市。


ここ、マルタン王国の首都でもあるのだが、肝心の王宮がありそうな気配が微塵もしない。革命かなんかで王政が潰されたような感じしかしない。


まあ、町並みはきれいだ。多分途中通過したのはスラムに近い場所だったんだと思う。


「宛はあるの?」


「ない。行き当たりばったりだ」


「うそー……」


こんな真夜中で空いてる宿屋なんてあるだろうか……絶対ゲームのようにはいかないだろうに。


お金はあるから、そこそこ奮発しても問題ないのは助かるし、高級な宿屋なら多分まあまあ部屋が空いている。だが、そういうとこに泊まるというのも、なんとなく気が引ける。


出来ればリーズナブルなところがいい。変に高級な場所だと、貧乏人は息が詰まってしまう!




「……というわけで……探しに行きましょうか」


私達は2人で宿屋探しの旅にでた。




◇◇◇


「ようやく2部屋空いてたよー!」


「まさか、4、5軒はもう満室だとは思わなかったけど……まあ見つかって何よりだ」


「はい、800ソイル、確かに受け取りました。では鍵を渡しますので、二階のお部屋にどうぞ」


二人合わせて800ソイル……1人400ソイルとなるが、泊まれりゃどこでも良いので、これだけリーズナブルなお宿を見つけられたのはラッキーだったかもしれない。


私達は階段を上がって、指定された2部屋にそれぞれ入っていく。着替えとかもしないといけないし、2人で同じ部屋はちょっとマズイ。私はこれでも女の子のつもりだ。




「……はあ……疲れたぁ……もう寝ちゃっていいかな……」


そうは言ってみたものの……さっき半日ぐっすりと眠りこけてしまったので、眠気というものが綺麗さっぱり消え去っている。心地良い寝起きなのは万々歳だが、今これは、生活リズムが乱れそうで嫌だ。


私は靴を脱いでベッドに転がり込み、そのまま布団を頭まで被る。


(……闘技大会……ね……私の固有魔法は防御特化、どうやって戦えばいいんだろ)


昔に固有魔法を初めて使ったときに分かったが、私の固有魔法『防御・反射』は、反射ではなく防御がメインだ。反射には指向性を持たせられない。


レーザーは乱反射するし、銃弾なら明後日の方向に飛んでいく。こないだみたいに、弾き返して見事にヒット、なんて、夢のような力ではない。


その防御だって、未だに底がわからない。防御力を上回る威力を喰らえば、容易く割れてしまう可能性もある。


「……流石にそれはできないよ……セインスにも何か考えはあるのだろうけど……きっと大して成長もしないし……」




まあ、私はどこまで行っても自尊心皆無の病み系人間、最近は改善してきたとは思うけど、自身を持って人前に立てるような奴じゃない。


さっき言ったようにゴーレムはまぐれだ。みんな私の実力だと思っているかもしれないけど、あれはゴーレムの身体がデカかっただけだと私は思ってる。


(噂に尾ひれがついて、あまりに期待されると嫌なんだけどなあ…………いや、それは自意識過剰か……みんな忘れてるかなぁ……)


枕に顔を埋めて、私はさっさと寝ようと心がける。夜寝る前の暗い部屋の雰囲気にあてられて、つい考え込んでしまう悪い癖も、寝不足の原因になるので早く辞めたい。


掛け布団から顔を出して、カーテンの隙間から外を覗き込む。




真っ暗な町並みが、眼前には拡がっていた。


◇◇◇




「……ずいぶん眠そうだね……」


「ふぁ~……ホント……日が昇る寸前に睡魔が襲ってくるのはやめてほしいよ……」


結局昨日夜ふかししすぎて、眠ったのはちょうど朝日が昇ってきたくらいだ。その数時間後ぐらいだろうか……ドアをノックする音を微かに捉えて私は飛び起きた。


結果、昨夜の懸念通り、圧倒的な寝不足のまま今日の行動を行うことになってしまった。


私の前にはまあまあな量の朝食が並んでいる。毎日遅刻だけはしないようにと朝食を手短に済ませていた私にとっては、朝っぱらの胃には重すぎるというものであった。


なんと食事付きであのお値段だったらしい。日本は物価が安いと、風の噂で聞いていたのだが……そうじゃなかったのか?これが究極の安さと言うものか?


「……とりあえず……コーヒーを……カフェインをぉぉぉ……」


そう言って、もうミルクが入っているコーヒーカップを私は取り、口につけた。


「アッツぅ!!?」


「だっ、大丈夫か!?」


はあ……先行きが不安だ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ