第110話 中型ダンジョン前にて
予定通り、県境にある中型ダンジョン前にある施設に来ていた。
最近は当たり前の用に貰っていた残念なスキルが今回、中型ダンジョンに行くのに貰えていない事を頭が過った。
(残念な感じのスキルとか微妙なスキルばっかりだったけどいざ貰えないとなると不安だな………
たまに地味だけど有用なスキルも貰えてるし)
有るのが当たり前で、無かったら何か寂しいという不安に苛まれながら辻本さんと、瀧山講師を探していた。
売店前辺りに行くと瀧山講師がいて斑鳩を呼んで手を振っていた。
「斑鳩君、こっちこっち」
探してた人が居たのは良かったけど、何かが違う…
「おはよう御座います。」
「おぅおはよ〜」
なんとなくオッサンの様に思えてきた。
今日は、いつもと違いビールではなく日本酒のパックを持っていた。
「今日は、朝から酒ですか…
飲んでて大丈夫です?」
「大丈夫、大丈夫!
流石に久々の中型ダンジョンだから
スキル発動させる為に飲んどかないと怖くてね。
ここの職員達には言ってるから問題なし!」
瀧山講師はスキル飲酒で血中アルコール濃度を上げると身体能力が向上する。
状態異常体勢(小)を得てからは、酔いにくい体質になっているので、一時期絶望していたが今は、その体質にも慣れてきている様だった。
「なんか不安だ………」
「おいっ!心の声が漏れてるぞ!」
「えっ?何も言ってませんよ?」
「はぁ、まあいい
それと、今日も辻本さんは無理そうだ
ここのダンジョンがきな臭くなってきて
辞めていく従業員が増えてきているらしい
今日は、ほらここの売店のカウンターにいるだろ」
「えっ?本当だ…
不安だ………」
「さっきから、失礼だな」
「ゴメンナサイ、実は何時もなら何かスキルの一つでも貰ってそうなタイミングなのに
何も貰えてないんですよ
それなのに、中型ダンジョンとか不安でしかないです…」
「そうなのか?というか、そんなにスキル貰っているのか?
そう言えば、゛口笛゛に゛嗅覚操作゛だっけ?
レアなのに、なんか微妙なの持っていたけどそれ以外も色々あるのか?」
「ソンナニハナイデスヨ」
「………まあいい
辻本さんに装備は選んでおいてもらったから受け取りと支払いの手続きでもいこうか」
「解りました。」
「ごめんね〜、何人か辞めたり
怖いからという理由で配置転換したりする人が多くて暫くは休みにくい感じなの
3日後には休み貰えそうだから、その時は一緒にいくわ」
「いえいえ無理しないで下さい。
疲れて無かったらお願いします。」
「ありがとう。
それで、槍は選んでおいたわ
実践で慣れるまでは、きっと折れたりするだろうからお手軽価格な物にしといたわ
それと、必要そうな物一式も揃えて置いたから。
明細はこんな感じで、少し割り引いて100万丁度になるから」
「うっ、なかなかしますね。」
槍が5万、15万、70万その他諸々が10万と書いてあった。
「こっちの安い方から使って行ってね。いきなり高いのを折るとショックが大きいと思うから」
「なかなか高いんですね。」
「ワタシが今日持ってきてるのは、200万のと300万だぞ」
瀧山講師が自慢してきた。
「そんなにするんですか?」
「そうね、今この店で1番高いのは300万だったかな?
いつか行った大型店なら1000万以上するのとかもあったわよ」
「そんなにも……」
「どんなに高くても命には代えられないからな
丈夫で使いやすく、攻撃力があるのが1番いい!」
瀧山講師が説明してくれた。
「瀧山講師はベテランっぽいのに、1000万クラスは持ってないんですか?」
「そこはまああれだ、燃料代に消えて行くから買えん!」
「アルコール代か…
良いスキルでも金が掛かるのは嫌ですね」
「なかなかいい事言うじゃないか
郷山講師なんて、スキルで必要だから飲んでるって言っても単なるアル中の妄言だろ?とかいってくるぞ」
「ハハハ、なんか言いそう。」
「ふう、それじゃ着替えたら行くか!」
2人は更衣室で着替えてから斑鳩にとっては初めての中型ダンジョンに入ることになった。




