第105話 斑鳩の探索
斑鳩が猪型にタックルをされ連れ去られてしまった時間に少し遡る。
「斑鳩ー!」
佐藤の声が虚しく木霊する。
「斑鳩はどうした?何があったんだ」
近くにいた郷山講師が駆けつけ問いただすが
現実は無常だった。
「突然現れた猪型に斑鳩が連れ去られました。」
佐藤が項垂れる。
「はやく探しましょ!まだ近くにいるかもしれないし」
南條が悲痛な声で叫ぶ
「2人共落ち着け、幸い電波が届いているエリアだから、まずは応援を呼ぶそれから探索だ。」
郷山講師は、教習所に連絡を入れ3人で探索を始める。
「ダメだ、万が一に持たせていたGPSでの位置は反応がない」
「潰れたってことですか?」
「かもしれん、連絡を取れるエリアで反応なしだから潰れている可能性が高い
2人共、最悪の事も覚悟しておいてくれ」
「そんな………」
その後3人は、斑鳩を探すが見つからない
途中、斑鳩の荷物も見つかるがそこには斑鳩の姿はなかった。
教習所からの応援も途中で加わり斑鳩の捜索を行ったが入り口が解らないダンジョン内にいるので見付ける事は出来なかった。
その日の夜は、急遽仮設キャンプが作られ
暗くなる頃にはその日の捜索は打ち切られた
「斑鳩君大丈夫かな?まだ、見つかってないって事は何処かで無事でいるってことよね。」
「ああ、あいつは教習所で崩落に巻き込まれても元気で戻ってきたくらいだし
あれに比べたら、まだ大丈夫だろ
きっと何処かにいるはずだ、斑鳩を連れ去ったハグレは足が速かったし遠くに連れて行かれて迷ってるだけか、足でも捻って歩けないだけだよきっと」
「そうよね。明日は明るくなったら直ぐに探しましょ」
そして、斑鳩の発見に至る。
「あれって斑鳩くんじゃない?」
南條が、岩の上にいる人影を指す。
「あんな所にいやがったのか」
郷山講師がほっとしたような声で悪態をつく
「おぉ〜い」
佐藤が手を振って呼んでいる目の前で斑鳩は、吐いていた。
「気のせいかもしれないけど、以前もこんな事なかった?」
「あったな、以前は瀧山講師だったが
行方不明になる奴等は発見されたら吐かないといられないのか?」
「斑鳩!何処にいてたんだ、目の前で連れ去られて心配したぞ」
半泣きになりながら、佐藤と南條が駆け寄る。
「よく解らないんですが、さっきまでダンジョン内にいました。
それと、誰かと違ってお酒のせいじゃないので
荷物が何処かにいってダンジョン内で食料を見つけたんですが、お腹が空いててきっと食べ過ぎました……」
「酒ではないが似た感じだな
斑鳩、取り敢えず無事でよかった。
ケガはないか?」
「はい特にケガとかはないです。
あの猪型以降はダンジョン内でも特に襲われる事もなく帰還できました。」
「そうか、取り敢えず教習所の医務室で検査だ
家の方には連絡を入れておく
1泊入院だ、それとダンジョン内ということは入り口を見つけたんだな?」
「いえ、それが気が付いたらダンジョン内部にいました。
出れたのも突然出れた感じです。」
「う〜ん、まあその辺りも明日聴き取りをさせてもらう
取り敢えず、今は検査をしてそれから身体を休めろ」
それから、斑鳩達は教習所のワゴン車で教習所まで戻り
斑鳩は教習所の医務室で怪我等の検査を行い
併設されている入院施設で1泊過ごす事になった。




