↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<RESTART>神核生成~役立たずスキルだと思ったら、神様の少女たちが現れました~  作者: れんP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/6

第4話「エイモアと男子たち」



前方から数人の男子生徒が歩いてくるのが見えた。


「あ……」


俺は思わず足を止めた。


見覚えのある顔。昨日、俺を馬鹿にしていた男子たちだった。


「ん? あれ、神代じゃね?」


男子の一人がこちらに気づいた。


「おいおい、何でお前がこんなところにいるんだよ?」


中心にいた男子生徒がニヤニヤと笑いながら近づいてくる。


そして、俺の隣にいるエイモアへと視線を移した。


「……ん? なんだ、その子?」


男子生徒は不思議そうにエイモアを見つめた。


「お前、誰だよ?」


エイモアはそんな男子生徒を静かに見つめていた。


「私はエイモア。連様によって生み出された存在よ」


「……は?」


男子生徒たちは一瞬、ぽかんとした表情を浮かべた。


「何言ってんだ、この子?」


「神代、お前の妹か何かか?」


「それとも、どこかで拾ってきたのかよ?」


男子たちは再び笑い始めた。


俺は小さく息を吐いた。


(……また始まったか)


すると、エイモアが俺の前に一歩出た。


「あなたたち」


その声は、先ほどまでの穏やかなものとは少し違っていた。


「連様に対して、随分と失礼な態度を取るのね」


「はぁ? 何だよ、お前」


男子生徒の一人が不機嫌そうに顔をしかめた。


エイモアはそのまま、男子たちを見つめていた。


「……」


(エイモア、頼むから問題は起こさないでくれよ)


俺はそんなことを考えながら、二人の間に割って入ろうとした。


そのとき、


スゥゥゥ……。


辺りに霧が出現した。


この霧は……。


「なんだ? 霧?」


「おい、エイモア」


「大丈夫よ。すぐ終わらせるわ」


エイモアの周囲から、白い霧が広がっていく。


「な、なんだよこれ……!」


男子生徒たちは突然の霧に戸惑い、周囲を見回した。


「おい、何も見えねえぞ!」


「落ち着け! ただの霧だろ!」


男子生徒の一人がそう叫ぶ。しかし、その声には明らかな動揺が感じられた。


「エイモア、これはお前の力なのか?」


俺が尋ねると、エイモアは小さく頷いた。


「ええ。私の権能を使っているのよ」


「でも、昨日見せてくれたのは猫とか霧だっただろ?」


「ふふっ。想像したものを具現化する。それが私の権能よ。もちろん、こうした使い方もできるわ」


そう言って、エイモアは男子生徒たちへ視線を向けた。


「さて、あなたたち。少し反省してもらいましょうか」


「ふざけんな! 何をするつもりだ!」


男子生徒が声を荒らげる。


その瞬間だった。


「なっ!?」


男子生徒たちの足元から、突然、巨大な腕のようなものが現れた。


それは霧の中から伸び、男子生徒たちの身体を次々と掴んでいく。


「うわあああっ!」


「な、何だよこれ!」


「離せ! 離しやがれ!」


男子生徒たちは必死にもがくが、腕はびくともしない。


そして次の瞬間。


ドサッ! ドサッ! ドサッ!


男子生徒たちの身体が、まとめて床へと叩きつけられた。


「ぐっ……!」


「いってぇ……!」


一瞬の出来事だった。


さっきまで俺を馬鹿にしていた男子たちが、全員床に倒れている。


「……え?」


俺は目の前の光景に呆然とした。


「ふふっ。これで少しは懲りたかしら?」


エイモアは何事もなかったかのように微笑んでいる。


「お、お前……何をしやがった!」


男子生徒の一人が、床に倒れたまま声を上げた。


「何って、ただあなたたちを倒しただけよ」


「ふざけんな! こんなことしてただで済むと思うなよ!」


「そうね。あなたたちがこれ以上、連様に無礼を働くのなら、次はもっと強くお仕置きしなければならないわね」


エイモアは笑顔のまま答えた。


……いや、笑顔なのに怖い。


「エイモア!」


俺は慌てて彼女の肩に手を置いた。


「もういいだろ! これ以上はやめてくれ!」


「あら、連様。もうよろしいの?」


「ああ! 十分だ!」


「分かったわ。連様がそうおっしゃるのなら」


エイモアが手を下ろすと、周囲に広がっていた霧が少しずつ消えていった。


床には、倒れた男子生徒たちが残されている。


「……」


俺は改めて男子生徒たちを見る。


どうやら大きな怪我はしていないようだが、全員が驚いた表情を浮かべていた。


「お、お前ら……覚えてろよ!」


中心にいた男子生徒が、仲間たちに支えられながら立ち上がった。


そして、俺とエイモアを睨みつける。


「行くぞ!」


男子生徒たちはそう言って、足早にその場を去っていった。


「……はぁ」


俺は大きく息を吐いた。


「連様、大丈夫?」


エイモアが心配そうに俺を見上げる。


「ああ。俺は大丈夫だけど……」


「けれど?」


「学校でいきなり騒ぎを起こすのはまずいだろ!」


俺は思わず声を上げた。


「そうかしら?」


「そうだよ! 先生に見つかったらどうするんだ!」


「それなら問題ないわ。私が説明するもの」


「いや、そういう問題じゃなくて……」


俺は頭を抱えた。


(……やっぱり連れてくるんじゃなかったかもしれない)


そんなことを考えていると、廊下の向こうから足音が聞こえてきた。


「おい! 今の音は何だ!」


先生らしき男性が、こちらへ向かって走ってくる。


「……あ」


俺は思わず固まった。


「どうしたの、連様?」


「どうしたもこうしたもない! 絶対に今の騒ぎを聞きつけて来たんだよ!」


先生は俺たちの前で立ち止まると、俺たちを見た。


「何があったんだ?」


「あ、えっと……」


俺が説明しようとした、そのとき。


「私が愚か者を倒しました」


エイモアが堂々と答えた。


「なっ!?」


俺は思わず目を見開いた。


「どうしてそんなにあっさり言うんだよ!」


「隠す必要はないでしょう?」


エイモアは不思議そうに首を傾げた。


先生はエイモアと俺を交互に見つめる。


「……とりあえず、事情を聞かせてもらおうか」


「はい……」


俺は諦めたように頷いた。


こうして、俺たちは先生に事情を説明することになった。


男子生徒たちが普段から俺に嫌がらせをしていたこと。そして、今日も同じように絡んできたこと。さらに、エイモアが俺を守るために力を使ったこと。


先生は黙って話を聞いていた。


「そうか……また彼らか」


「知っているんですか?」


「ああ。以前から何度か注意していたんだが、なかなか改善されなくてな」


先生は申し訳なさそうに眉を下げた。


「神代、すまない。もっと早く対応できていればよかったんだが」


「いえ……もう大丈夫です」


俺はそう答えた。


すると、エイモアが俺の手をそっと握った。


「連様。これからは私がそばにいます。だから、もう一人で我慢する必要はありませんよ」


「……ああ」


俺は小さく頷いた。


まだ学校生活がどうなるのかは分からない。


けれど、少なくとも今までとは違う。


俺の隣には、エイモアがいるのだから。


そして、この日を境に、俺の学校生活は少しずつ変わり始めることになるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。