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【完結】こちら異世界転生管理局  作者: ただみかえで
第7章 7つのスキル
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第55話 弥勒のスキル

「ところでさ」

 話が一区切りしたところで、ミニろく様が話題を変える。

「その『ミニろく様』ってのはなんなんだい?」

「それは『ちっちゃい弥勒さまだから略して』って地球で会った時に……あ」

 そうか。

 リンクが切れている、ってことは、こういう事情説明からまた全部やり直しになるのか。

 うーん、意外とめんどくさいぞ、この仕組み。

「ふむふむ、なるほど。

 ボクとは別の『子機』とそんな話をしてたんだね」

「はい。

 えーっと、状況を0から話した方がいい感じですよね?」

「そうだねぇ……いや、それはどうやら大丈夫なようだよ」

「え?」

 ミニろく様の視線を追うと、その先には天界からの監視ツールである腕輪が。

 あれ? なんかうっすら光ってる?

「地球(あっち)のボクからの贈り物だね」

 ふよふよと移動して腕輪に触れると、そこに光が集まる。

 そのまま光量を増したかと思えば、ミニろく様に吸い込まれるようにスッと消えた。

「……なるほど」

 いったい何が『なるほど』なのかはわからないけれど、目を閉じたままうんうんと頷いている。

「あのー、どういうことか説明して欲しいんですけど」

「ああ、ごめんよ。

 地球のボクが、螢子ちゃんと会った時の記憶を腕輪にくっつけておいてくれてたんだよ。

 んっとそうだね……ネットワーク経由では危険なので、フロッピーで受け渡しする、みたいな?」

「……なんでフロッピーなんですか?

 イマドキ使いませんよ? というか、私実物見たことないです」

「そうなの!?

 ボクの知識も古くなっちゃったなぁ……」

 ただでさえ技術の進歩がすごいうえ、地球と転生局(及び天界)で時間の進み方が10倍違ったらしょうがないとは思う。

 見ないといけない世界は地球だけじゃないしね。

「ていうか、むしろよくフロッピーなんて知ってましたね」

「ああ、螢子ちゃんに紫翡翠の眼(ラベンダーアイ)が落ちるちょっと前に、しばらく地球に潜伏してたんだよ」

 そういえば、定期的に抜け出してた、なんて話をしてたなぁ。

 7つのスキルを探して、だったっけか。

 結局、どれも見つけられなかったみたいだけど。


「あ、そうだ、スキル!

 結局私、地球でミニろくさまと会ったけどスキルは見つけられなかったんですよね」

 紫翡翠の眼(ラベンダーアイ)以外のスキルが6つで、天界に与えられた部屋にあった扉が6つ。

 だから、1つ扉をクリアしたら1つスキルがゲットできるかな、なんて安易に考えていたんだけど。

 地球で会ったミニろく様からは特にスキルらしいスキルをもらうこともなく、逆に新たな捜し物(王の証)を追加されただけだった。

「ん? 何を言ってるんだい?

 ちゃんと手に入ってるじゃないか?」

 けれど、そんな私に対してキョトンとした表情でミニろく様が言う。「というか、すごく使いこなしてるじゃないか」

「え??」

「……もしかして、どの『ボク』もスキルについて説明してない?」

「……聞いてないですね」

「そっかー……」


◇


「そもそも。

 弥勒の7つのスキル、というのは何かって話なんだけどね」


 白と黒(モノトーン)の殺風景な部屋の中。

 どこからともなく現れたホワイトボードを前にミニろく様が解説を始める。

 黒のマーカーを手に、ぷにぷにした姿でふよふよと浮かびながら書いている姿はなんともシュールで可愛らしい。

 着ている服が白いので、これで羽でも生えていたら絵画に出てくる天使のようだ。

 対象的に、私の側は黒い。

 腰を掛けるテーブルも、ノートを広げる机も真っ黒。

 唯一メモを取るのに広げているノートは白いけれど、書くためのペンはもちろん黒のボールペンだ。 

 目の前のカップも黒く、中にはコーヒーらしきものが淹れられている。

 無味無臭だけど……。

 ミルクを入れたらまさかのグレーになったのを見ると、コーヒー『らしきもの』と呼ぶのも悩ましい所だ。

 しかし……本当に白と黒しかないんだなぁ。

 私の着ている服の色味だけが妙に浮いている。


「螢子ちゃんは六神通という言葉を知っているかい?」

「えっと、偉い仏様が持っているすっごい超能力、みたいなやつですよね?」

「うーん……ずいぶん雑な気もするけど大体あってるか」

 雑、って……。

「わかりやすく言うと、


 ・どこでもひとっ飛びで行ける『神速通』

 ・遠くの音を聞くことができる『天耳通』

 ・他人の心の声が聞こえる『他心通』

 ・自分の過去を知ることができる『宿命通』

 ・一切全ての過去を知ることができる『天眼通』

 ・煩悩が尽きて生まれ変わることがなくなったと知る『漏尽通』


 の6つだよ」

 ホワイトボードに書きながら説明をしてくれるのでわかりやすい。

「なんか、最初の方はすごい! って感じですけど、後半はすごいのかよくわからないですね……」

「そうだねぇ。

 悟りに至る道を歩んでいないと、分かりづらいよねぇ」

 後半に行くに従って難しくなるって言うけど、むしろ前半3つの凄さしかわからない。

 過去がわかったからなんだというのだろう……。

 煩悩が尽きたことを知る、ってのもよくわかんないし。

「とりあえずこういうのがあるんだな、くらいでいいよ。

 別に覚える必要はないさ」

「はーい」


「で、弥勒のスキルってのは、それがベースになっているんだ。

 それがこの7つ。


 ・望む場所へ行き来することのできる『世界を渡るもの(ワールドトラベラー)』

 ・あらゆる音を聞くことができる『深き鳴動(ディープリンギング)』

 ・心の声を聞き、心に声を届ける『響く空音(エコーエコー)』

 ・あらゆるものの過去に触れる『時の記憶(パストレコード)』

 ・過去を知ることで、未来を予知する『予測する鎖《フォアキャスターチェイン》』

 ・それぞれを繋ぎ増幅する『弾ける鎖(チェインブースト)』


 で、それら全てを統べる紫翡翠の眼(ラベンダーアイ)」


「なんでこう、全体的に中二病くさいんですか?」

「あれ、かっこよくない?

 せっかく新しい名前考えたのに」

「今考えたんですか??」

「うん!

 『どこにでも行けるスキル』とかだと味気ないかなー、って思って」

「味気ない、かもしれないですけど、妙な名前つけられても覚えられないですよ?」

「ふむ……一理あるな」


 いつも思うけど、このノリはどこから来るんだろう……。


一生懸命考えた(笑)スキル名ですが、多分もう出てきませんwww

いつも応援ありがとうございます♪

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