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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第3章 広がる世界のカプリチオ編

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Link.87 紅い魔人⑤

話しかけてきたアザゼルに、なにも話せないセラノア

しかし、そんな時助けに入ったのはギバーだった


◆


時は遡り1分前

壁基地「エタンドルの壁」にて


「……………」

「……………」


交錯する二つの視線

ワイズと、その流星の正体だ

土煙から鋭く伝わる眼光に、ワイズは少し動きが鈍くなる気がする

緊張感で少し手足の麻痺を覚えた


「チガウなぁ………オマエじゃない」


ヴンッ、と風切音があたりに響き、鋭い眼光の主は片手で土煙を全て消し飛ばした

そこに立つのは褐色の少女。

包帯で片目が隠れた黒い目に黄色い瞳孔を持つ白髪の少女。


ただ明らかに異質な点を挙げるならば、その者にはツ(・)ノ(・)とツ(・)バ(・)サ(・)があった


「────ぁ……………っ!?」


ワイズが、何者か問おうとする

しかし、すでに異常が起きていることをそこで初めて理解した


(声が…………出ない!?)


「にゃはははっ!!その顔はオモシロイね!ねぇお兄ちゃん、花冠がどこにいるか、知らない?」

「…………っ」


(話せないのにどう返事をしろと…………)


声を出そうとしてもなぜか喉はそんなふうに動いてくれない。

ただ息が少しひゅっと音を立てるだけで意図した音など一切出そうになかった


「あ、そっかぁ!指さしてくれたらイイから!ねっ!」

「…………」


ワイズはただ警戒する

話すのならば好都合。

そして"花冠を探す"ということはそれが狙い


(…………こちらとしても、あの人がいなければ勝てなさそうですから好都合です)


「んん?」

「…………」


ワイズは少し目を細めて人差し指を下に向けて伸ばした(自分で探せと伝える)

意図がわからない少女は口元に手を当てて首を傾げていた


「……………っ」

「ねーえ、オマエ、舐めてるの?なんのつもり──わぁっ!?」


(はぁ………時間を稼ごうにも話せないんじゃどうしようもありませんね。考えるだけ無駄。切り替えましょう)


瞬間、ワイズのいる屋上の手すりを伝って岩撃(エッジ)が少女を襲った

そう、ワイズの魔法だった


避けられたことに目を細めるが、少女が避けるということは魔法はダメージになるようだ、と分析も欠かさなかった


「もーーー!オマエなんなの!答えないし攻撃してくるし!嫌い!」

「……………」

「あそっか、しゃべれないんだった。ゴメンネ?ワタシのせいだった!にゃはっ」


活発に笑う少女は人懐こいように見えるものの、動きは俊敏で、先ほどの流星の衝突で自壊しない耐える体も持つ。

ワイズは手のひらに石の塊を形成し、戦闘準備を行った


「ワタシはリリス!ライブラリのリリス。よろしくね、人間」

「……………」


(よりによってリリスですか。花冠と被ってややこしい)


アマリリスは向こうの戦場で指揮をとっている

すぐ来れるだろうがそれでも少し時間がかかる


(1分でも2分でも…………僕一人でコレを相手にできるでしょうかね………)


眉を顰め、遠くで機嫌よく笑うリリスを睨む

戦いの幕は各所で上がっていた

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