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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第3章 広がる世界のカプリチオ編

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Link.84 紅い魔人②

最前線にやってきたセラノア

しかし、来て早々戦闘に巻き込まれてしまうのだった


◆


「『岩(エッ)──」

「堕天使!岩撃(エッジ)なんか使ったら巻き込むだろーが!」

「っ…………!」


火の魔法はこの魔物たちには効かないようだ

この赤い魔物たちはどうやら恐れなど生物としての本能がないように見えた


パッと思いつく火以外の遠距離攻撃が水球(ウォーターボール)だったため、それを使っていたものの、赤い悪魔たちは着実に近づいて来ていた


慌ててセラノアは壁を作ろうと岩撃(エッジ)を使おうとしたが、聞き覚えのある声に呼び止められた


「…………ありがとうございます!ギバー」

「集中しろ!身内巻き込むんじゃねえ無能!」

「っ…………無能って言いましたか!?」


セラノアは暗視(ビジョン)という魔法を使い、空から地上の敵に攻撃を仕掛ける


素直に感謝を告げると、-5倍にして返された

流石にカチンときたセラノアはより正確に敵を狙い撃つ

味方に攻撃しようとした敵を優先的に狙うことにシフトした


──癪ですが、ならばそう言わせないほど……

いいえ、あんな雑魚よりもより有能であると見せつけてやります!


「………はっ」


こういう時、人の行動には性格が出る

前線に突撃して、撃破を優先する全体で見る『役に立つ』をする人

サポートに徹し、味方の思う『役に立つ』をする人

セラノアは後者だった


(平和主義のお嬢様が)


その様子に笑いつつ目の前の敵を屠るギバー。

セラノアのことをよく見ていたようだったが、本人はそれに気づかない

もういいかとギバーは思考を目の前の戦闘に戻したのだった


◆◆◆


「───水球(ウォーターボール)!」

「うっ…………た、助かった!ありがとうセラたん!」

「いえ!頑張ってください!」


浮いているため、広く場を見れる

恐怖で心臓が痛くとも、トラウマが呼び起こされようとも。


1000年睡眠妨害され続け、悪夢を見ながら眠ってきたのだ

多少意識を保つための耐性はできていた


「うう"っ…………『水球(ウォーターボール)』!!」


冷静になるとより心臓の痛みを感じる

しかし、それでもセラノアはしっかりと隊員を守るように動き続けていた

一部取り逃した敵も、ワイズ達の権能によって守られていた


っ………魔力がそろそろ切れますね


浮きつつ目眩を感じるセラノア

すぐに魔力補給のための変換を行う

本来目を閉じて瞑想状態でいるほうが効率はいいものの、目を閉じるわけにはいかない

セラノアは浮きつつ戦場を見ながら魔力を回復していた


「───っ!『障壁(バリア)』!っぐ………」


瞬間、セラノアの真下から赤いレーザーのような攻撃が襲ってきた

魔力の込め方がアマネよりも未熟なセラノアは、防ぎ切れずに頭に少し掠ってしまった


「魔力…………回、復を…………っ」


ふらふらと頭を押さえながら高度を保つセラノア。

しかし、血が流れたことによって左目に血が滴りかけていた


「っ…………きゃぁっ!?」


目を閉じた瞬間を狙ったように、セラノアは風によって地面に落とされる

ギリギリ落下の衝撃は受けなかったものの、空から来た鳥型の悪魔に、その時初めて気付いた


「あれが噂の………!」


瞬間、何かを抱えていた鳥はそれを離して地面に落とした

ボトリ、と音を鳴らして落とされたその「赤」は静かにゆらめいていた


──前、空から落ちてきた悪魔はその理屈ですか


瞬間、前回同様赤い棘がその「赤」から放たれる

セラノアは後ろにいる人に体当たりするようにして、二人とも攻撃を避けた


「『岩球(ストーンボール)』!」

「た、助かった!」

「すみません、すぐ上に行きます!」


悔しそうに顔を顰めるセラノアは石で作った球で「赤」を粉々にして再び浮かび上がった。

今度はもっと広く視野を保つつもりだった


──ただ、下から上がるからこそ見えたのかもしれない


あの、赤い流星を

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