Link.79 ビブリオテーク
夢で奇妙な向日葵畑を見たアマネ
それを覚えてはいないものの、不思議な感覚が起きた後も残っていた
ノーチェとアルバに世話されながらも、アマネはこの国や魔物について興味が湧いていた
◆
あの後少し話をした
ノーチェの力について、そしてあの組織について。
どうやら百尾の黒は、アリスが発足した精鋭軍であり、覇国フラクタス随一の軍らしい。
総勢は二千人。
人間からキメラまで多くが混じり手を組んでいるとのことだった
そこの隊長を務めるノーチェは、聞いた通り「表裏の狐」という悪魔とのキメラらしい
兄弟でもやっぱ違う悪魔の力が入ってんだな………
「………っと、確か………あった」
アマネは凛淵宮の中にある図書館で、本を探していた
悪魔に実際には触れてこなかった分、学生の知識では足りない。
早速表裏の狐について調べることにしたのだ
「えーっとなになに………多種族と交流を図る狐の悪魔「表裏の狐」……」
表裏の狐は元々別の国にいた「妖火の狐」という悪魔が砂漠に適応した姿だと言われている。
希少性が高く、他の種族を束ね、一つの災害を起こしかねない危険度を孕んでいる………
へぇ………面白いな
やっぱり動物と同じで悪魔も環境に適応するんだな………
言っていた火文字やテレパシー、吹き飛ばしもこの狐は使えるのだろう
そこでアマネはアルバの羊など知った人々の元を探してみることにした
◆◆◆
「──もし」
「………………」
「もし!」
「うわぁっ!?誰!?」
アマネが集中していた横から声がした
集中を切らしたアマネは隣からの声をたどって視線を移した
すると、そこには白髪のいい髭が生えたおじいさんが立っていた
背が高く、まるで魚のような特徴的な耳をしていた
「ふぁっはっはっ!いい反応じゃ」
不思議と、賢いんだろうなと雰囲気でわかるような風貌をしており、この図書館の主人であると言葉などなくとも言われているような感覚があった
「そろそろここを閉める時間じゃからの。声をかけにきたわけじゃよ」
「あ………すみませんわざわざ」
「いんや構わん構わん!若いのに本にめっぽう集中できるのは稀有な才能じゃ。存分に振えい?」
おじいさんは豪快に笑うと、杖をつき、図書館内を歩くと、机や道に散らばる他の人が利用した本が浮いていった
「ワシはビブリオテーク。今日は閉館じゃが、よけりゃ明日また来るといい!ふぁっはっはっ!」
そう言い、出口へ向かうビブリオテーク。
浮いた本はそのまま彼についていき、ある程度のところで散会して元の本棚に帰っていっていた
鳥の帰巣本能みたいなものに見える……
生き物みたいだな
不思議なおじいさんを見送った後、アマネは時計を確認し、片付けをして図書館を後にするのだった




