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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第3章 広がる世界のカプリチオ編

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79/92

Link.76 的当てゲーム

百尾の黒に歓迎され、ヴァウという1番話の通じそうな男から依頼を受けた

ただ、その内容は「的になってほしい」というもので……


◆


「っ──────もーー!!嫌ぁぁぁぁ!!!!」


弾ける汗、灼熱の太陽、飛び交う水(とその他諸々)

あぁ、夏だな


ってそんなわけあるかぁぁぁぁぁ!!!


さながらドッチボールの最後の一人。

アマネは襲いくる攻撃を必死に避けていた


なぜこうなったのか

それは10分前に遡る………


◆◆◆

「的になってくださいっす♪」

「は?え?ん?…………スゥ………もう一回言って?」

「的になってくださいっす」


突然予想外の言葉を浴びせられ、思考がショートしたアマネ

どうやらこの常識人と思っていた男は平気で怖いことを言える人のようだった


「おーけー天才理解し───」

「オーケー出たっすよー!みんなー!集合っすー!」

「出してねえって!?」


アマネの慌てて否定する様子がお気に召したのか、ヴァウとノーチェは笑っていた

ノーチェはまだいい。微笑ましいものを見ている顔だ


ヴァウさん?あなたかなり性格悪い?

んな大爆笑しなくたってさぁ…………?


「っふふっ………はははっ…………面白いっすね、アマネくん。アレしましょアレ、コントコント」

「誰が見るんだよ………」

「あはーっ!ふふふふっ、最高っすね」


なんだ………ただのネタか………

ここの土地のジョークにも慣れなきゃな………

いや物騒なジョークだなオイ……


「じゃ、改めてよろしくっす!」

「ん?ああよろしく」

「じゃっ」

「え?」


ヴァウと握手すると、手を振って足早にその場から離れるヴァウ。

アマネが呆然としていると、目の前を緑色の矢が過ぎ去っていった


「ヒュッ…………」

「あ、魔法は使っていいんで!頑張って避けてくださいっす!」


遠くの人混みにまぎれたヴァウ

手を振り、軽くそう言うと、やっとアマネの理解が追いついてきた


よ(・)ろ(・)し(・)く(・)、って、そういうことかよ!?!?


「んじゃ、がんばっす!アマネくん!」

「こっの…………馬鹿野郎ぉぉおおおおお!!!!!」


俺は決めた

ほぼ初対面、それも会って数分だ

だが、あいつにだけは敬意なんぞ払わないと!


そうして、俺の地獄が始まった


「っ殺しに来てない!?殺しに来てるよね!?労災降りるの!?」

「降りマッスル」

「『岩撃(エッジ)』!やかましい!」


岩撃で壁を作り多くの攻撃を防ぐ

ただ、障壁でなければその防御は攻撃の数を少し減らす程度にしか効果がなかった


新たに習得した無詠唱障壁でも防ぎきれない

そのためあまり使わない岩撃を織り交ぜるのだった


唯一の救いはおどおどしているノーチェくらいだ

攻撃は一切して来ず、ただ周りを止めようと炎で呼びかけていた


【死ぬよ!?彼死ぬよ!?】

【ヴァウくん!?冗談じゃないの!?】

【みんな、ワクワクするのはわかるけど止まって!?】


段々と、心配は嬉しいが、弱いと思われ続けるのも癪だな、と感じてきたアマネ

攻撃を避けるたびに起こるドーパミンの摂取により、だんだんと思考はハイになっているのだろうか


「あーもう!っしゃやってやるからいくらでも来い!!」


そうして、周りがバテるまで、アマネの的当てゲームは続いたのだった

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